外国人部下を効果的にマネジメントするコツ

さまざまな外国人部下をマネジメントする女性ビジネスリーダー

「外国人社員が初めて私の部下になる。どう接したらいいのか不安」
「外国人の部下が、私の指示にいつも反論してくる」
「優秀な外国人部下から退職の意思を伝えられた。私のマネジメントに何か問題があるのだろうか」

そんな悩みはありませんか? 日本の労働人口減少にともない、昨今では国内でも多様な文化的背景をもつ人たちが多く働いています。さらに外資系企業の日本進出もあり、外国人を部下として新たに迎え入れる状況は、決して珍しくなくなりました。

しかし、文化や習慣が違う外国人部下には、日本式マネジメントが通用しない場合があります。多様な背景をもつメンバーを効果的にマネジメントし、企業の貴重な戦力として活用するためには、どのような点に注意するとよいでしょうか?

本記事では、ビジネスリーダーが外国人部下に対してマネジメントする際に考慮すべき違いや、英語で効果的にマネジメントするコツと注意点を紹介します。最後まで読めば、外国人部下のポテンシャルを最大限に引き出し、企業の発展により大きく貢献できる人材として育てることができるでしょう。

【監修者プロフィール】
田畑翔子(たばた・しょうこ)
米国留学を経て、立命館大学言語教育情報研究科にて英語教育を専門に研究。言語教育情報学修士・TESOL(英語教育の国際資格)を保持。株式会社スタディーハッカー常務取締役、コンテンツ戦略企画部部長。

堀登起子(ほり・ときこ)
大学で言語学を学び、卒業後は英語講師やPR企業の海外担当として活躍。通訳・翻訳として10年以上のキャリアをもつ。大学院では国際言語教育について学びつつ、多読スクールを運営。脳科学とComplex Theoryの視点から第二言語習得をとらえることがライフワーク。大学の助教として英語を指導したこともある。TESOL修士取得。株式会社スタディーハッカーコンテンツ戦略企画部。

外国人部下のマネジメントで考慮すべき違い

外国人部下をマネジメントするには、彼らがもつ文化や価値観、仕事に対する考え方などが、日本人のものとは異なることを意識しなくてはなりません。ここでは、どのような違いを考慮する必要があるか具体的に見ていきましょう。

文化の違い

外国人部下と日本人上司とでは文化が違うため、仕事上の振る舞いによって相互に誤解が生じることがあります。主な例を紹介しましょう。

謝罪に対する考え方

日本と外国とでは、謝罪のとらえ方が異なります。日本では「申し訳ありません」や「すみません」といった謝罪の表現が、感謝、依頼を表す意味としても頻繁に使われますよね。

一方海外では、謝罪の言葉はそう簡単には述べられません。謝罪は責任を全面的に認めて補償する意味合いをもち、重大な誤り以外で謝罪することはめったにない国や地域もあります。特に中国やアメリカでは、謝罪の代わりに反論することが「議論ができる人間である」という証明になるとみなされることも多いようです。

すぐに謝罪の言葉を発しない外国人部下に対し、日本人上司は「謝罪が十分でない」と感じるかもしれません。ですが、外国人がすぐに謝らない背景には、上記のような違いがあるのです。部下に対する誤った不信感を抱いてしまわないために、そのことを理解しておきましょう。

また、日本人上司が謝罪の言葉を何度も使うと、外国人部下から頼りがいがないと思われる可能性があるので、注意が必要です。

舌打ちの意味合い

日本では、舌打ちには、相手に対する不信感やいら立ちのイメージがありますね。しかし、国や地域によって、舌打ちは違う意味で用いられることもあります。

たとえば、ベトナムでは何かを思い出したいときや感動したときにも、しばしば舌打ちをするそうです。ほかにも、アフリカやカリブ海地域の一部には、舌打ちで共感や称賛、あいづちを示す文化もあります。

こうした違いがあることを知らずに、舌打ちをした外国人部下を叱責すると、誤解が生じて、お互いの不信感につながる恐れがあるのです。

時間への柔軟性

時間に対する考え方も、文化によって異なります。たとえば、日本やドイツでは時間厳守が重要視され、約束の時間に遅れることは非常に失礼とされます。

一方で、南米やインドなどでは時間に対する概念が柔軟で、予定より2〜3時間遅れても普通だと考えられていることが多いようです。時間に対しての寛容な態度は、気候条件が厳しい国、交通の不便さが日常生活に大きな影響を与える国のほか、社会的な交流を重視して時間を守ることよりも人間関係を優先する傾向がある国などで、特に顕著に見られます。

こうした環境で生まれ育った部下のなかには、始業時間やミーティングなどの集合時間に頻繁に遅刻する人もいるかもしれません。日本人上司にとっては悩ましい問題ですが、時間に対する考え方が文化によって違うことを知っておいてください。

マネジメントスタイルの違い

日本と外国ではマネジメントスタイルが異なるため、外国人部下と日本人上司とのあいだで評価に関するズレや誤解が生じることがあります。

たとえば日本をはじめとするアジア文化では、チームワークや集団内の調和を重視する傾向があります。大事なのは、チーム全体の成功。協力して目標を達成することが強く奨励されます。

対して、アメリカやイギリスなどの西洋文化が重視するのは、個人の成果。個々の従業員が達成した目標や貢献した成果を明確に評価し、それに基づいて昇進やボーナスが決まることが一般的です。このような環境では、自己主張が奨励され、個人が自身の業績を積極的にアピールすることが期待されます。

以上のような違いがあるため、外国人部下を日本人部下と同様のやり方で評価することはリスクをともなうと言っても過言ではありません。たとえば、「個人としての成績は著しかったが、会社の業績が低迷した」という理由で外国人部下の報酬を上げないとなれば、外国人部下は「自分は過小評価されている」と考え、離職してしまうかもしれないのです。

仕事とプライベートのバランスに対する価値観の違い

日本と外国とでは、仕事とプライベートの時間に関する価値観も異なります。以下の例のように欧州では、仕事とプライベートのバランスをとても重視するようです。

例:

フランス:労働者に最低でも年間5週間の有給休暇を保証。夏に2~3週間の休暇をとることが多く、この期間中は企業や商店も閉まる場合もある

スウェーデン:年間25日の有給休暇が標準。7月に多くのスウェーデン人がまとまった休暇をとる。

イタリア:年間最低4週間の有給休暇を保証。8月中旬のフェラゴスト(聖母被昇天祭)周辺で多くのイタリア人が長期休暇をとる。この時期は国全体が休息モードに入るため、ビジネスのペースも大幅に低下する

ドイツ:年間最低24日の有給休暇が義務づけられているものの、実質的にはそれ以上の日数が労働者に提供される傾向にある

こうした国では、家族が人生で最も重要な要素であり、仕事以外の生活にも価値を置くことでストレスを減らし生産性を高められると考えられています。自分自身や家族のために長い期間有給休暇をとるのはよくあることなのです。

対して日本では、近年はワークライフバランスを重視する傾向が強まってきているものの、長時間労働や、サービス残業と呼ばれる無給での残業は珍しくありません。

また、日本の企業にも年に最大20日有給休暇がとれる制度はあるものの、「こんなに長く休めない」と感じる方もいるでしょう。実際、アメリカの旅行通販会社エクスペディアの「有給休暇の国際比較調査」によれば、日本人の年次有給休暇の取得率は世界ワースト2位で6割と、低めの水準です。

「休むとまわりに迷惑がかかる」「休暇後に多忙になる」と考え、プライベートよりも仕事を優先しがちな日本人としては、当たり前のように有給休暇をとり定時退社する外国人部下に対し違和感を抱くかもしれません。ですが、そもそも働き方に対する価値観が違うのだということを知っておけば、その違和感は和らぐはずです。

外国人部下をもつことになったら、日本と外国とでは以上のような多岐にわたる違いがあることを理解しなければなりません。さもないと、企業に不信感を抱いた外国人部下が早期離職してしまう恐れもあるのです。

外国人部下との文化のギャップに悩む上司

外国人部下を効果的にマネジメントするには

外国人部下をうまくマネジメントするには、どうすればよいでしょうか? 効果的なマネジメントに必要な要素は、主に以下の3つです。

  • 明確かつ具体的に指示をする
  • ほめて育てる
  • 目標を明確に伝える

順番に詳しく見ていきましょう。

明確かつ具体的に指示をする

外国人部下に対しては、明確かつ具体的な指示が特に必要です。これは、日本と異なり、外国では低コンテクスト文化が一般的であるため。低コンテクスト文化とは、直接的なコミュニケーションを好み、言葉による明確な情報伝達を重視する文化のことです。

日本では、「ざっくりと指示を出しておけば、きっと意図を汲んでくれるだろう」という考え方でもうまくいくケースは多くあります。それは日本が高コンテクスト文化に属するから。場の空気を読むことを重視する日本人は、たとえ曖昧な指示を受けても、すでに共有されている背景知識をもとに「いまの指示の意図はこういうことだな」と話を理解することができます。

しかし、文化的背景が異なる外国人部下にとって、それは難しいこと。曖昧な指示は伝わりにくいので、明確な指示が不可欠となります。

曖昧な指示と明確な指示を、例で比較してみましょう。

曖昧な指示の例
Make sure the sales stuff gets done soon.
「販売関連の作業、すぐに完了するようにしてください」

この指示では、具体的に何を行なうべきか、いつまでに完了させる必要があるのか、どのような形式で結果を提出すべきかをはっきりと示せていません。日本人部下は以前の類似案件から期待される成果を推測するかもしれませんが、外国人部下には指示が明確に伝わらない可能性が高いでしょう。そのため、想定していた時間内に期待通りの成果が返ってくるかどうかが不透明になります。

代わりに、こちらの指示の出し方はいかがでしょうか?

明確な指示の例

指示の概要・期日
Could you please prepare a detailed report on our sales performance for the last quarter by next Monday?
「来週の月曜日までに、先四半期の販売実績に関する詳細なレポートを準備していただけますか?」

指示の詳細
It should include total sales, sales by region, and an analysis of the top-performing products.
「総販売数、地域別の販売数、最も成績のよかった製品の分析を含めてください」

フォローアップの提供
Let me know if you need access to any specific data or further clarification.
「特定のデータへのアクセスやさらなる説明が必要な場合は、お知らせください」

この指示では、指示の概要期日指示の詳細フォローアップの提供が含まれています。何を、いつまでに、どのようにしてほしいのかが、きわめて明確ですね。 質問がある場合や追加の情報が必要な場合の対処法も述べられています。

このように、外国人部下に指示する際は、内容や詳細を具体的に述べ、期日の明確な設定や、必要に応じたフォローアップをする旨を伝えるのがポイントです。そして、指示が理解されたかどうかを確認し、必要に応じてさらに説明を加えると、誤解のリスクを減らせますよ。

ほめて育てる

外国人部下の仕事に対する満足感を向上させるためには、具体的なほめ言葉が非常に効果的です。

外国の文化は、直接的なフィードバックを重視し、個々の貢献や成果を明確に評価するのが一般的。そのため外国人部下は、明確なほめ言葉を通じて、自己価値と達成感を感じる傾向にあります。

非言語的なコミュニケーションや暗黙の理解が重要であり、直接的なほめ言葉を控えめにすることもよくある日本とは異なるのです。

加えて、外国人部下をはっきりとほめることは、彼らに「自分は価値ある一員である」と確認させ、自信をもたせるためにも不可欠です。異文化の環境において、外国人部下は「これでいいのかな」という自信のなさや不確実性を感じるもの。そうしたなかで、よい行ないをしたあとにほめられれば、外国人部下は自身の業務において正しい方向に進んでいると感じることができます。

ビジネスで使える主なほめ言葉は、次のとおりです。

【主なほめ言葉】
Great job on today’s sales presentation!
「今日のセールスプレゼン、すばらしかったですね!」

I really appreciate your hard work and dedication.
「あなたの一生懸命な働きと献身に、本当に感謝しています」

Your contribution to the team is invaluable.
「チームへのあなたの貢献は計り知れません」

You’ve exceeded our expectations.
「あなたは私たちの期待を超えました」

ほめるポイントは、主に次の3つがあります。

  • 大勢の前でほめる
  • 望ましい行動とその行動がもたらした結果を言語化する
  • こまめにほめる

それぞれ順番に見ていきましょう。

大勢の前でほめる

大勢の前で部下を公にほめると、チーム全員がその人の望ましい行ないを知ることができ、職場がより前向きな雰囲気になります。また、その部下が何をして評価されたのかがほかの人にも伝わるため、同じように頑張ろうという気持ちが部下のあいだで広がります。

英語で公にほめる場合は、こんなフレーズを使うとよいでしょう。

例:
Mr. Gomez has shown remarkable leadership skills that have greatly benefited our team. Thank you for your hard work and dedication.
「ゴメスさんは、私たちのチームに大きな利益をもたらす卓越したリーダーシップを発揮しました。あなたの熱心な努力と献身に感謝します」

また、多くの社員から賞賛を得られる経験によって、外国人部下の自信や自己重要感が高まる効果もあります。

望ましい行動とその行動がもたらした結果を言語化する

ほめるときは、漠然と「Good.」「Nice.」などと述べるのではなく、望ましい行動やその行動が引き起こした結果を明確に伝えましょう。たとえば、ある部下が提案した戦略によって売上増加につながったシチュエーションなら、次のように述べるのが有効です。

例:
Your strategies for boosting sales have been incredibly effective. Thanks to your efforts, we've seen a significant increase in our revenue.
「売上を増やすためのあなたの戦略は非常に効果的でした。あなたの努力のおかげで、私たちは収益の大幅な増加を見ることができました」

このように、どのような行動をほめているのかや、その行動によって企業にどのような利益をもたらしたかも含めてほめるとよいでしょう。

こまめにほめる

加えて、こまめにほめることも効果的なマネジメントのひとつ。完璧主義な傾向が見られる日本の職場では、部下がなにかひとつ望ましい行動をしたぐらいでは、上司は特にほめないケースが多いかもしれません。

しかし、外国人部下に対しては、低コンテクスト文化の特徴をふまえた直接的なほめ方、つまり、よい行動をするごとにこまめにほめることが大切。これにより、正しい行動だったという自覚が部下のなかに生まれやすくなります。

こまめにほめるなら、次のような英語フレーズが便利です。

例:
Thank you for going the extra mile with that client. It really shows your commitment.
「そのクライアントのためにさらなる努力をしてくれてありがとう。あなたの献身がよく表れています」

同時に、少し努力すればより高評価を得られる目標もセットで伝えれば、さらなる努力を促しやすくなるでしょう。

目標を明確に伝える

業務の目標を明確に伝えることも、外国人部下を効果的にマネジメントするうえで重要。その理由にも、暗黙の了解が通用する日本と、通用しない外国の文化の違いが関わっています。

日本人どうしの職場であれば、特定の行動や業務の進め方に関する “共通の理解” が存在するので、業務の目標を明言しなくても通じやすいでしょう。しかし外国人部下にとっては、暗黙のルールや期待は見えにくいもの。そのため、業務の目標や期待を言語で明確に伝える必要があります。

たとえば、単に「顧客満足度を上げる」だけの目標では不十分。目標達成の期限や、部下に求められる役割、その目標によって得られるメリットが不明確だからです。

目標は、次のように明確に示しましょう。

例:
目標の概要:
Our goal is to increase customer satisfaction by 20% over the next quarter.
「私たちの目標は、次の四半期に顧客満足度を20%向上させることです」

目標の詳細:
This involves improving our response time to customer inquiries and enhancing the quality of our service.
「これには、お客さまからの問い合わせへの対応時間を短縮し、サービスの質を高めることが含まれます」

求められる役割:
Your role will be crucial in achieving this by directly handling customer feedback and implementing improvements based on their suggestions.
「お客さまのフィードバックを直接扱い、その提案に基づいて改善を実施する点で、この目標達成にはあなたがたの役割が欠かせません」

目標達成によって得られるメリット:
By doing this, we contribute to the company's broader objective of building long-term customer loyalty.
「これにより、私たちは会社のより広い目標である長期的な顧客サービスの構築に貢献します」

フォローアップの提供:
I'm here to support you, so please feel free to reach out if you need any resources or further clarification.
「サポートが必要な場合は、どうぞ遠慮なくお知らせください。必要なリソースやさらなる説明が必要であれば、いつでも対応します」

このように、明確な指示こまめなほめ方、そして目標の共有は、異文化間での誤解を最小限に抑え、外国人部下に対し効果的なマネジメントをするのに不可欠なのです。

外国人部下をほめる上司

外国人部下のマネジメントでやってはいけないこと

外国人部下をもつうえで、効果的なマネジメントがある一方、絶対にやってはいけないマネジメントもあります。間違ったマネジメントをすると、外国人部下に誤解を与えるほか、企業やビジネスリーダーであるあなたに対する不信感を生んでしまいます

ここでは、外国人部下へのマネジメントで避けるべき行動とその理由について、詳しくご紹介しましょう。

主張、反論に対して感情的になる

部下が日本人か外国人かを問わず、部下の主張や反論に対して感情的になるのはタブーです。

日本人上司のなかには、積極的に主張や反論をしてくる外国人の部下に対して「また批判している」「何がそんなに不満なのだろう」と感じる人もいるかもしれません。しかしこれは誤解。多くの文化では、オープンな議論や異なる意見の交換が奨励されており、これらの行為は単にアイデアを共有し、よりよい解決策を見つけるために行なわれるものです。

日本では、主張や反論を不満や口答えとみなし、感情的になって怒る上司もなかにはいます。しかし、外国人部下が主張や反論をするのは、意見を表明するためであり、そこに悪気があるわけではないということを知っておきましょう。

外国人部下に主張や反論を避けさせ、議論に参加させない姿勢を上司側が見せると、彼らは自分の意見が排除されたと感じ、不満をもつようになるかもしれません。そのため、話し合いの場を増やし、すべての意見が尊重される文化を育むことが、ビジネスリーダーにとって大切です。

人前で叱責する

トラブルを起こしたり、期待された成果を出せなかったり、勤務態度が悪かったりしても、ほかの社員の前で叱責するのは絶対にやめましょう。これは外国人部下だけでなく日本人部下に対しても同様です。

特にアジア系の部下を大勢の前での叱責すると、大きな反発を生むおそれがあります。アジア系の文化では、面子を保つことが特に重視されるからです。「できない自分」を周囲に知られて面子をつぶされると、アジア系の部下は侮辱されたと感じてしまいます。

欧米出身の部下でも、公の場での叱責が不快と感じる人は多いもの。どの文化でも公の叱責はポジティブな影響を与えません。別の社員が叱責されているのを見たり聞いたりして、居心地が悪く感じる部下も少なくないでしょう。

注意をする際は、個別に呼び出してから行なうのがポイント。次のようなステップで行なうのが有効です。

1. 望ましくない行動をした直後に伝える
テンプレート:
I noticed that you【具体的な望ましくない行動】. It's important we address this.

例:
I noticed that you were not participating actively in the team meeting earlier today. It's important we address this.
「本日のチームミーティングで積極的に参加していなかったことに気づきました。これを解決することが重要です」

2. その行動をした結果、どんな不利益を被ったかを伝える
テンプレート:
As a result of this action,【具体的な不利益や影響】. It's crucial for our team's success that we avoid such outcomes.

例:
As a result of this action, the team missed out on valuable insights from your perspective. It's crucial for our team's success that we avoid such outcomes.「この行動の結果、チームはあなたの視点からの貴重な洞察を得る機会を逃しました。このような結果を避けることが、私たちのチームの成功には欠かせません」

3. 望ましい行動とそのメリットを伝える
テンプレート:
Moving forward, I would appreciate it if you could【望ましい行動】. This will help us achieve 【行動によって得られる結果、メリット】.

例:
Moving forward, I would appreciate it if you could share your thoughts and ideas more openly in meetings. This will help us achieve a more collaborative and innovative team environment.
「今後は、会議でよりオープンにあなたの考えやアイデアを共有していただけるとありがたいです。これによって、より協力的で革新的なチーム環境を実現できます」

注意する際は、あれもこれもではなく優先順位をつけて指摘しましょう。部下の人格ではなく、不適切な行動に対して冷静に叱るのも大切です。

社外活動への参加を強制する

多くの外国人は、仕事と私生活のバランスを重視します。日本では職場の飲み会やスポーツレクリエーション、社員旅行などが催されることもありますが、そうした社外活動への参加を外国人部下に強いると、家族と過ごす時間を奪うことに。これは、外国人部下の満足度と組織への忠誠心に悪影響を及ぼしかねません。

また、イスラム教など、お酒をタブーにしている宗教もあります。こうした文化的背景や風習もあることから、社外活動への参加は部下個人の判断に委ねるのが賢明です。

マイクロマネジメントを行なう

細かすぎる管理は、自由度の高い環境での作業を好む傾向にある外国人部下の創造性と自主性を抑制し、結果としてパフォーマンスの低下を招くことがあります。

ビジネスリーダーは、部下の目標設定や、達成のためのサポート提供に集中するとよいでしょう。

部下の報連相を過度に期待する

日本では、ビジネスリーダーに対して進捗の報連相(報告・連絡・相談)を定期的にするのが一般的です。しかし、外国人部下に対して報連相を過度に期待することは、部下が自己管理能力を発揮する機会を奪い、ビジネスリーダーとの不要な緊張を生じさせる可能性があります。

ビジネスリーダーは定期的に状況を確認し、必要に応じてサポートを提供することが望ましいでしょう。

以上のような事柄を避けることで、外国人部下からの信頼を損ねるリスクが減りやすくなります。

叱責される外国人部下

外国人部下へのマネジメントの効果をさらに上げるには

外国人部下への効果的なマネジメント法を知識として吸収したら、今度はシミュレーションで実践練習するのが重要です。

「カジュアルな日常英会話ならどの英語スクールでも学べそうだけど、部下との効果的なコミュニケーションといった、ビジネスに応用できるもっと高度な英語を学ぶにはどうしたらいいのだろう?

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***
外国人部下をどのように指導すればよいか悩んでいるビジネスリーダーのみなさん。今回の記事を参考に、適切なマネジメントを実行し、不適切なマネジメントを避けるようにしましょう。

そうすれば、外国人の部下が最大限に能力を発揮でき、企業のさらなる発展に貢献できる貴重な人材になるはずです。

(参考)

厚生労働省|年次有給休暇取得促進特設サイト
Expedia|日本、有給休暇の取得率 世界ワースト2位
岡 晴雄(2021),『外国人の部下を持ったら読む本』, セルバ出版.
ロッシェル・カップ, 藤井恵(2019),『すっきりわかる! 海外赴任・出張 外国人労働者雇用 (税務と社会保険・在留資格・異文化マネジメント)』, 税務研究会出版局.
ロッシェル・カップ, 増田真紀子(2005), 『外国人部下と仕事をするためのビジネス英語:指示・フィードバック・人事評価』, 語研.
岡田兵吾(2020),『武器になるグローバル力: 外国人と働くときに知っておくべき 51 の指針』, KADOKAWA.

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
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  • ENGLISH COMPANY

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