フォトリーディング ステップ4<復習> 本に質問を投げかける——山口佐貴子『未来が劇的に変化する「フォトリーディング」速読術』第5回

フォトリーディングを終えたら、今度は質問作りにとりかかります。本の中身を理解するために最も大切なのは質問作りです。

ステップ4は次の3つの構成でできています。 【1】調査(約2分半) 【2】トリガーワード出し(約2分半) 【3】質問作り(約3分)

あなたは興味がある人がいるとき、その人にいろいろ聞いてみたくなりませんか? 好きなものは何なのか、どういう仕事をしているのか、出身地はどこか……など、人とコミュニケーションを深めたいときには、質問が自然と生まれてくるはずです。

質問することは、本を読むことにも活かすことができます。本を通して著者とのコミュニケーションを深めると、いまのあなたに一番必要な答えを得ることができます。そのために行うのが「本に質問を投げる」ことです。

フォトリーディングでは、本に対して意図的に質問をつくります。フォトリーディングした本の内容が保存されている場所は、脳の長期記憶の場所(潜在意識の領域)です。本に質問を投げると、潜在意識に保存された本の情報から、質問の答えを探し出してきます。質問を投げてから読むと、答えになる言葉がばっと目に入ってきやすいのです。

そして、よい質問をつくるための前段階として調査とトリガーワード出しがあります。

本の中身を調査しよう(約2分半)

著者が読者に読んでほしい本の強調ポイントなどにさっと目を通して、その本が全体としてどんな内容なのかをつかみます。

調査に使う時間は約2分半です。時間は足りないくらいでちょうどいいのです。ここは読み込むことが目的ではありません。いい質問を作るための情報がざっくりつかめれば十分です。速いスピードで行います。

<調査の仕方> ・もくじの再チェック ・本の最初のページ ・本文の中の色文字、太文字、下線が引いてある文字 ・図やイラスト、写真など ・本の最後のページ

好きでよく読んでいる著者の本の場合には、最低限の情報を把握しているはずなので、調査を省いても大丈夫です。

トリガーワードを本から20個ほど抜き出そう

トリガーとは引き金のことです。トリガーワードは、「その本の中で、重要なポイントの言葉」という意味です。このトリガーワードを文中から20個ほど抜き出しましょう。抜き出し方は、簡単で遊ぶように楽しみながら行ってください。

<やり方> ・本を約20ページごとに、ざっくり、ざっくりとめくる ・目に飛び込んできた言葉や、目にとまった言葉を抜き出してメモをする

頭で考えずに直感で「これ!」というワード(単語または熟語)を選びましょう。トリガーワード出しに使う時間は2分半なので、考えすぎずに行いましょう。「20個もでてこなかった」という人は、10個ほどでていれば大丈夫です。

トリガーワードは次に解説する質問作りの際のヒントに使ってもいいですし、使わなくてもかまいません。「何かひとつでも質問づくりに活かせるワードが見つかれば楽しいよね!」と気軽な気持ちで行いましょう。

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著者への質問を作ろう

その本の著者が、もしあなたの目の前にいて、「いまからあなたのために1時間を空けました。著者の私に聞きたいことはありますか? 何を聞いてもいいですよ」と言われたとイメージしてみてください。

滅多にないチャンスです。そんなとき、あなたはどんなことを聞いてみたいですか? 著者に聞いてみたいことが「質問」になります。ポイントは遠慮しないで、著者に本当に聞きたいことをストレートに聞いてみることです。

質問は、次のステップ5の「活性化」に大きく影響します。ステップ5で実際に文字を追いながら本を読んでいくことになるのですが、このときの質問次第で、読むために必要な時間も変わってくるからです。

質問の内容によって、読んだほうがいい箇所と、飛ばしていい箇所に分かれます。質問をはっきりさせて、読むべきところとそうでないところを明確にすることで、読むスピードもアップしますし、本当に知りたいことがしっかり頭に入るようにもなります。

<質問の作り方のコツ> ・質問には主語を入れる ・シンプルにわかりやすく作る ・「この答えが得られたらワクワクする!」と思える質問にする。楽しくワクワクすることによってやる気スイッチが入る。 ・抜き出したトリガーワードの中でとくに気になる言葉あれば、その言葉を使って質問を作ってもOK ・その本を手に取った瞬間に、本から得たい情報、質問がわいてきた場合は、それをそのまま質問にしてもいい

「私が○○できるようになる方法を教えて」といったように、脳が答えを探しやすい質問にしてください。「何でもいいから教えて」といった質問の作り方ではあいまいで、脳が答えを探しにくくなってしまいます。

質問を作る時間は約3分です。一般的な書物であれば、だいたい質問は3個前後の人が多くなっています。

質問を多くしすぎると、読むための時間だけがかかってしまい、「あとから考えるとそこまで知りたい質問ではなかった」という場合もあります。質問は必要なものだけを厳選し、あまり必要ない質問なら投げなくてもいいでしょう。

ステップ5の前に生産的な休息をとる

ステップ4まで終えたら、生産的な休息を5分~24時間ほどとりましょう。

目的を持ってステップ3のフォトリーディングで脳に情報を送り込み、質問も作りました。ステップ5(実際に本を読む)の前に、生産的な休息をとるほうが、脳がリフレッシュされ、次のステップに取りかかれます。もし2~3日と間が空いてしまったら、もう一度フォトリーディングをして次に進みましょう。

ステップ4でやること ●本の調査をする ●トリガーワードを抜き出す ●本の著者に聞いてみたい質問を2~3個作る

■連載『未来が劇的に変化する「フォトリーディング」速読術』一覧はこちら photo-reading-bottom

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