フォトリーディングが身に付くと、本を速く読む以外でも、ビジネスシーンで役立つことが多いのに驚かされます。「フォトリーディングのおかげで上司や部下からの信頼が得られるようになった」という声もよく寄せられます。
仕事での問題解決やトラブル回避になぜフォトリーディングが役立つのでしょうか。
膨大な資料も短時間で読むことができる
会社員であれば、決算書、経営計画書、業務報告書など常に資料に囲まれている人も少なくないでしょう。新しいプロジェクトが始まったとき、まずは膨大な資料を読んで下調べを行うということもよくありますよね。普通に読めばすごく時間がかかってしまってしまう資料も、フォトリーディングなら10分の1の時間で読めるため、読むことも苦になりません。
また、差し迫って読む必要がない資料も、時間があるときにフォトリーディングしておくことをおすすめしています。その後に内容にさっと目を通すだけで、中身を覚える必要はありません。フォトリーディングして情報を潜在意識に放り込んでおくだけで、あとになってその情報が必要になった際、「あ、あの本のあそこに書いてあったかも・・」と思い出すことがしやすくなるのです。
フォトリーディングしておけば、急ぎの仕事が発生したときに、情報を探し出す手間がかからなくなります。会社に勤めていると、急な会議に参加しないといけないこともあるでしょう。そのときも会議に必要な資料をフォトリーディングで頭に入れられるので、短時間で会議への準備が整います。
このように、フォトリーディングを仕事に応用できるようになると、急な仕事への対応もスムーズになり、時間がなくても結果を出せる仕事ができるようになります。そして、周囲から一目置かれる存在になることができるのです。
書類や資料から問題点がわかるようになる
経営者のAさんが実践しているフォトリーディングを使った書類チェック法は、問題点を見逃さないためにとても役立つものでした。
「書類を確認するときには、『ポイントがどこにあるのか』という見極めと、『違和感のあるところはどこか』を目的に設定して、フォトリーディングします。すると、『あれこれ何?』と気になる数字が出てくるものなのです。そして、実際に気になる数字の部分を探ってみると、問題があったり、無視してはいけない部分だったりします」(Aさん)
私自身も、会社の経営に大切な分析資料のデータをフォトリーディングしてから、気になるポイントを質問していくと、思いもかけない数字的なミスや、大きな改善ポイントを発見することがあります。このときのやり方は、「私がいま気づいておくべきポイントを探す」と目的設定し、フォトリーディングで資料全体に目を通すことです。私の会社の経理担当者もこれを習慣化していて、月次決算の表の中から数字のミスを発見する能力が抜群に上がったと言います。
目的設定をしながら資料を読むことは、ミスの発見にとても重要なことなのです。
マインドマップで脳に記憶を残す
第6回で解説しましたが、フォトリーディングでは、読みながら大切だと思える言葉をメモとして残したいとき、マインドマップでメモをとることをおすすめしています。「マインドマップがかければ、急な仕事の依頼でもパニックになることはありません」と言うのはBさんです。
「会議の1~2時間前に『これからちょっと発表して』といきなり言われても、パニックになることはありません。フォトリーディングで資料を読み、マインドマップで自分の言いたいことをパーッとまとめて発表します」(Bさん)
マインドマップをかくときのポイントは、すべてかくのか、重要な部分だけかくのかを、まず決めること。重要な部分というのは、本や資料でいえば、太字や下線、色文字になっている部分のことをいいます。すべてかくのか、重要部分だけにするのかは、マインドマップをかくために使える時間によって決めましょう。
マインドマップをかく際に時間はかかりますが、記憶にとても残りやすくなるので、「ここだけは絶対外してはいけない」というものは必ずかくことをおすすめします。
視野が広がって相手の心情が理解できる
フォトリーディングを行っていると、「コミュニケーションが円滑になった」という人もいます。ビジネスにおいて相手の心情を理解できる、求めることがわかるというのは強みです。Cさんは、フォトリーディングで交渉を有利に進められるようになり、部下の心情がわかるようになったそうです。
「フォトリーディングを受けてから、交渉をするときに相手のボディランゲージでその人が何を考えているのかがわかるようになりました。視野が広がっているからでしょう。部下と話をするときに『もういっぱいいっぱいだな』『もうこれ以上言わないほうがいいな』という加減もわかるようになりました」(Cさん)
プレゼンなどで、人前に立つ場合には、はじまる前に、フォトフォーカスの目でその場を見渡してみてください。商談の場合も同じです。そうすると、視野が広がり、リラックスしながら集中モードに入ることもできます。
リラックスしながら集中できていると、得たいと思っている最終目的に対して、「いま何をするのが一番いいのか?」を察知し、具体的に行動することができます。
警護の仕事をしていたDさんは、フォトリーディングを受講してから、人混みの中でも「この人はなにかおかしい」という人が浮かび上がって見えるようになり、未然に事件を防ぐことができたという話をされていました。人命を守る仕事の人にもフォトリーディングは役立っていたのです。
このようにフォトリーディングを身に付けておけば、人命を守る仕事にも役立ち、ピンチだと思われる場面でも、冷静に対処し、切りぬけることができるようになるでしょう。
■フォトリーディングの詳しい方法はこちら ステップ1<準備> 本を読む目的を決める ステップ2<予習> 目次をチェックする ステップ3<フォトリーディング> 本の情報を長期記憶に保存する ステップ4<復習> 本に質問を投げかける ステップ5<活性化> 文字を追いながら読む