『模倣の力』——東大首席弁護士山口真由さんの勉強法をマネしたら、米国の大学でGPA3.925(満点4.000)とれた話。

資格試験や大学の定期試験のために勉強をしなければならない。けれど、このままの方法で本当にいいのかと不安になってしまう……。こんなふうにお悩みの方はいませんか。

そんなときにおすすめしたいのが、勉強が得意な人やその資格をすでに取得している人の、勉強法や心の持ち方ありのままを模倣してみるということ。

私は、1日10時間の勉強を4ケ月間続けたことで、米国の大学において2017年春学期をGPA3.925(最高値4.000)という好成績で終えることができました(数学A、英語A、経済学A、哲学A-)。実はこれ、東京大学を首席で卒業された山口真由さんの著作を読み、勉強における行動やマインドセットをできる限りまねした結果として実現できたことなのです。

そこで今回は、山口さんの著書『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』と私自身の経験をもとに、「超一流のやり方を充分に取り入れれば、自らも同じような結果が得られる」ことを確認したうえで、この “模倣” という技術があらゆる分野に応用可能な優れた方法であることを説明していきます。

「たぶん、できる」:目標に向かうための「自信」をつける方法

日本の最難関国家資格と言われる国家公務員一種と弁護士資格を保有し、ハーバード大学ロースクールへの留学経験も持つ山口さん。そんな彼女は、どの資格の勉強を始める際にも「たぶん、できる」と思ったのだそう。極端に合格率の低い試験に対して、彼女はなぜそのように思うことができたのでしょうか。

山口さんは、そういった「自信」をつけるためには「成功体験」の蓄積が大事なのだと言います。

目標は、達成するたびに「貯金」ができます。それは「成功体験」という名の貯金です。前回の試験よりいい点数を取ること、ライバルよりちょっぴりいい点を取ること。そうした小さな目標が達成されるたび、喜びとやる気は確実に積み重ねられていきます。それは、やがて「自信」という自分自身の基盤を作り出してくれるものなのです。

(引用元:山口真由 著(2014),『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』, PHP研究所. )

「自分には成果が何もないから “自信” なんて持ちようがない」と考える方もいるかもしれませんが、山口さんはこれをきっぱりと否定しています。成功体験の大きさにかかわらず、「自分が意図したことが実際に現実になった」という小さな積み重ねこそが大切なのです。

皆さんの普段の勉強の中にも、意識していないがゆえに隠れてしまった小さな成功体験が必ずあるはず。「以前間違えた問題を今回は解けた」「前よりも正答率が上がった」など、意識しさえすれば容易に見つけられるのではないでしょうか。私自身も、日頃からそういった小さな成功をとても大切にしていました。

たとえ起こったことは同じでも、意識の重点や見方を変えるだけで、小さな成功体験は積み上がっていきます。それが結果として、自分に対しての自信につながっていくのです。

7回読み勉強法

成功体験を積み重ねることによって、大きな目標(TOEIC満点、国家資格の取得など)に向かう準備が整います。では実際に大きな目標に向かうとき、どんな勉強法を採用すればよいのでしょうか。

ここで山口さんの有名な「7回読み勉強法」が登場します。

まとめノートを作ったりしていては準備が間に合わない。苦肉の策として、試験範囲を「サラサラと」通読する、という作業をはじめました。しかし、サラサラと1回読んだだけでは、なかなか定着しないということで、私は、この「サラサラ読み」を何度も重ねることになりました。すると、驚いたことに、中学校3年生になったばかりの全国模試で、私は1番を取ってしまったのです!

(引用元:同上)

7回読み勉強法のポイントは、次の3点です。

  1. 流し読みをしながら(※山口さんは300ページの本を30分のスピードで読みきるのだそう)、
  2. わからないところは拾う程度にしつつ、
  3. 7周して理解する。

参考書の著者は、読者のために手を変え品を変え、様々な説明を用意してくれています。たとえわからない部分があったとしても、「きっと著者は後のページで説明をしてくれているはず」と楽観的に考えて読み進めていきましょう。「わからなくても、立ち止まらずに繰り返す」ことが肝心です。

皆さんの中にも、「あのときは理解していなかったけれど、何ケ月間か授業を受けているうちに、以前は理解できていなかった部分がいつの間にか理解できるようになっていた」なんて経験をお持ちの方がいるはず。その現象を、この「7回読み」によって意図的に引き起こすのです。

私自身、米国の大学の予習として経済の参考書や英語を勉強する際には、この勉強法を採用しました。「まずは通読する」を念頭に置き、わからない部分は回数を重ねてカバーするようにしたのです。併せて、勉強時間を捻出するために、山口さんが実際に実行されていた「友達に誘われたら遊びに行くが、自分からは誘わない」という明確な基準も設けました。

結果、大学に到着する前に春学期の全範囲をカバーするに至り「大学の授業はすべて復習」という状態にまで持っていくことができましたし、実際に大学が始まってからも授業後に多くの勉強時間を捻出することができるようになりました。

今の勉強方法で効果が出ないと悩んでいる方は、この「7回読み勉強法」をぜひ一度取り入れてみてはいかがでしょうか。試してみる価値は充分にありますよ。

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その分野の一流の人の心の持ち方と行動法をまねることで、あなたも同じように一流になることができる

ここまで私自身の経験も踏まえながら、一流の人の心の持ち方と行動法をまねる方法について勉強を例に見てきましたが、これは当然、勉強だけに限った話ではありません。あらゆる分野で応用可能であり、かつ効果も出やすいものなのです。

『思考は現実化する』の著者ナポレオン・ヒルも、この「一流を見習う」という方法を推奨しています。

私にはまだ英雄崇拝の習慣が完全に消え去ってはいない。偉大な人物の感情の持ち方や行動の仕方などをできるかぎり見習おうとする心構えそのものが、当人を“実際に”偉大にする、とても有効な方法だからである。私はこのことを経験から教えられた。

(引用元:ナポレオン・ヒル 著, 田中孝顕 訳(1999),『思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき』, きこ書房.)

私は勉強面では山口真由さんを模倣していますが、そのほかの面では、起業家の山口絵理子さんとベンチャーキャピタリストの原丈二さんの生き方から人生のヒントを得ています。

ある人の考え方や行動の仕方は、その人自身が書いた著作のほか、伝記などを通しても知ることができるでしょう。皆さんにも「一流になりたい」あるいは「もっと上達したい」など、上を目指している分野が何かしらあるはず。その分野の一流を模倣し、自分の心の持ち方や行動様式として取り入れてみることで、上昇のスピードは格段に速くなるはずです。

*** 「一流を模倣する」というこの方法。皆さんもぜひ試してみてください。

(参考) 山口真由 著(2014),『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』, PHP研究所. ナポレオン・ヒル 著, 田中孝顕 訳(1999),『思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき』, きこ書房.

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