頭のいい人がチームで働くときに大切にしていること。いい関係は○○を知ることで築ける

チームで協力して仕事をしている様子

頭もいいし、まわりとの関係も良好で、仕事もうまくいっている。身近にそんな人がいると、憧れを抱くと同時に、「何をすればあんなふうになれるのだろう。自分には無理そうだ……」という思いも湧いてくるものですよね。

「スキルアップのための勉強は頑張っている。あとはチームの人たちから信頼されたいけど、どうもうまくいかない」とお悩みの方もいるでしょう。

頭がよく周囲のことをしっかり理解していて、チーム内での信頼も厚い――そんな人はいったいどのような工夫をしているのか、知りたくありませんか?

今回は、頭のいい人がチームで働くときに大切にしているふたつのことについて、詳しくお伝えしましょう。信頼につながるコミュニケーションのコツをぜひ押さえてくださいね。

【ライタープロフィール】
橋本麻理香
大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。

「相手の話を聞く」ことを徹底する

「仕事のスキルや知識には自信があるし、積極的にアドバイスしたり教えたりもしているけど、メンバーからはなんとなく距離を置いた接し方をされている気がする……」

とお悩みのあなたは、もしかするとチーム内で「優秀だけど話しかけづらい……」「あまり話を聞いてくれないので信頼できない……」と思われているのかも。

どんなに優秀で仕事ができても、それだけでは信頼は得られないものです。チームの成果を上げようと頑張っている場合だと特に、つい張り切って自分の言いたいことばかり話したり、一方的なアドバイスをしたりしてしまいがち。ですが、チームで信頼関係を築いたうえで仕事の成果を出せる人は、徹底して相手の話を聞いているのです。

事実、『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者でコンサルタントの安達裕哉氏は、以下のように述べています。

コミュニケーション能力に長けた「頭がいい人」は、優れた「聞く」技術をもっています
(中略)
どんなアドバイスをするかということの前に、まずは相手がやりたいことを徹底的に聞き出して把握する。これが欠かせないのです。

(引用元:STUDY HACKER|「頭がいい人」は「聞く」スキルが高い。コンサルタントが当たり前にやっている3つの聞き方

あなたも、自分の話に興味をもってきちんと耳を傾けてくれる人には、信頼感や安心感を抱くのではないでしょうか。ですから、チームでいい関係を築きたいと思うなら、知識を披露したりあれこれ教えようとしたりするよりも、相手の話を聞くことのほうが大切なのです。

では、聞く力はどのように身につければよいのでしょうか。安達氏は、以下の3つを押さえるべきだと語ります。

  1. 相手の言いたいことを考えながら聞く
  2. とにかくゆっくり話を聞く
  3. 相手の話を評価しない

(引用元:同上)

たとえば、上司の立場にあるあなたが、部下に「新規案件のプロジェクトリーダーをやってもらえる?」と依頼した場面で考えてみましょう。部下が一瞬の沈黙ののち、「はい、わかりました」と答えた場合、どのような声がけが適していると思いますか?

「なにか不満があるの? あるなら早く教えて!」などと相手を急かしては、相手は心を閉ざしてしまうかもしれません。

「じゃあ、よろしくね」のように部下の言葉を聞こうとせずに話を終わらせてしまえば、信頼関係を築くのは難しいでしょう。

望ましいのは、こんな言葉です。

「ありがとう。リーダーを務めるにあたって、心配なことや気になることがあればなんでも話してほしいんだけど、どうかな?」

このように急かすことなく問いかけ、相手の話をゆっくり聴く姿勢を示しましょう。「じつは、抱えている仕事が忙しくて」「自分のいまの実力でリーダーをやれるのか心配で」など、相手の抱える不安を聞き出せる可能性があります。部下に「上司にわかってもらえて安心した」という気持ちをもたせることもできるでしょう。

人との信頼関係は一朝一夕に築けるものではありませんが、相手に意識を集中して聞くことはいますぐにでも実践できますよね。ぜひ、今日から習慣化してみてはいかがでしょう。

チームで話し合っている様子

雑談を通して「違い」を知る

「チームのメンバーたちと業務上の連携はちゃんととり、一定の成果を挙げている。けれどときどき、意見の食い違いから、雰囲気がぎくしゃくすることが……」

仕事ぶりは優秀なのにそんな状況に陥ってしまうのは、相手との “違い” を認識できていないからかもしれません。どんな場面でも建設的に話し合える関係を築くために、チームメンバーとどんどん雑談をして、相手のことをもっと知ってみませんか?

モルガン・スタンレーやGoogleを経て経営コンサルタントとして活躍するピョートル・フェリクス・グジバチ氏によると、Googleでは社員どうしの雑談を重視しているそう。

そのため、Googleの社員たちはとにかくメンバーのことを知るための雑談をたくさんします。メンバーどうしが「この人はこういう思考をもっている」「こういうことを大事にしている」といったことをわかっているほど、いい人間関係を築けていい成果を生み出しやすくなるためです。

(引用元:STUDY HACKER|Googleの社員は、なぜ社内の雑談を重視するのか? Google出身の経営者に聞いてみた

付き合いが長かったり、思考や経験が似ていたりするメンバーばかりの職場であれば、「言わなくてもわかる」という “察する” コミュニケーションで十分でしょう。ですが、多様性が進みさまざまなバックグラウンドをもつメンバーが増えると、そうはいきません。相手のことを理解できるよう、積極的に雑談をするべきなのです。

では、チームメンバーについて知るには、どのような雑談をすればよいのでしょうか。

簡単にできる方法としておすすめしたいのは、「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」を使うこと。これらの質問を、状況によって使い分けるのです。

グロービス経営大学院教員の村尾佳子氏によると、2種類の質問の定義はこちら。

  1. 「クローズドクエスチョン」
    「『はい』『いいえ』の二者択一で相手が明確に答えられる質問や、回答の範囲が限られている質問」
  2. 「オープンクエスチョン」
    「回答の範囲を限定せず、相手に自由に答えてもらう質問」

これらの質問は「相手との距離感」によって使い分けるとよいそうです。初対面の相手にはクローズドクエスチョンが適しており、距離感が近くなったらオープンクエスチョンを使ってもよいとのこと。(カギカッコ内引用元、および参考元:グロービスキャリアノート|質問力を鍛えるメリットと方法。質問力を高めコミュニケーション能力向上!

たとえば、同じチームになったばかりでまだよく知らない相手には、気楽に答えてもらえるクローズドクエスチョンが適しています。以下のような具合です。

【クローズドクエスチョンの例】

  • 「今日のミーティング、役に立ったと思う?」
  • 「個人で進める仕事と、チームで協力して進める仕事、どちらが好き?」

少し親しくなってきたら、徐々にオープンクエスチョンを展開してみましょう。自然な雰囲気で、深い会話ができるはずです。

【オープンクエスチョンの例】

  • 「仕事にやりがいを感じる瞬間はいつ?」
  • 「このプロジェクトについて、率直にどう思う?」

こういった雑談を日頃からしていれば、「この人はこういう価値観をもっているから、自分とはここが違うな」「こういうことを大事にしているから、さっきあのように話していたんだ」などと、相手をより深く理解できるようになります。

意見の食い違いを埋められず雰囲気がぎくしゃくすることも、不用意に相手を傷つけたり不快な思いをさせたりすることもない、いい関係が築けるでしょう。チームの連携がいっそう進み、より成果をあげられるようになるはずですよ。

***
相手の話を徹底的に聞き、自分と相手の違いにしっかりと目を向ける――このふたつを実践すれば、理解力に優れ、チーム内での信頼が厚い人に近づけるはず。「さすが○○さん。仕事に詳しいだけでなく、私のこともよくわかってくれている!」と、頭がいい人という印象も与えられるでしょう。ぜひできることから取り入れてくださいね。

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