勉強するとき、問題集でも参考書でも一冊を完璧に終わらせることが大事だと言われます。しかし、それをわかっていても、中途半端に何冊も手を付けてしまう人は多いのではないでしょうか。良さそうな本を見つけるとついつい目移りしてしまい、飽きずに最後までやりきるのってなかなか難しいですよね。
そこで今回は、参考書や問題集を一冊を最後までやり込んでものにするための方法を紹介します。今回紹介する方法で一冊まるごと勉強しきることができれば、自分専用に特化したマイ参考書を作り上げることができますよ。受験勉強にも、社会人の方の資格の勉強にも活用できる方法です。では早速見ていきましょう。
1周目:ページ数に色をつけよう
まず、1周目はとりあえず読んでみましょう。
最初ですから、わからないところがあっても大丈夫です。全部理解できないと……と焦る人もいるかもしれませんが、最初はわからなくて当たり前。わかるところとわからないところを把握することが大事なのです。
読んだらページ数に色を塗っていきましょう。可視化することで、どこまで勉強したかが見えるだけでなく、どんどん色がついていくことで勉強したという自信にもなりますし、次々色を塗って達成感を得ようとする気持ちから勉強への意欲にもつながります。理解度や重要度によって色分けしてみるのもおすすめ。後で見返した時に、一目で復習するポイントがわかります。
2周目:内容を一言で表そう
2周目に読むときは、内容を理解しながら読みましょう。
理解できたら、ページ数の横に内容を一言で書き込んでいきましょう。言葉に表すのが難しければ、章タイトルなどを参考にしてもかまいません。ただし、書き写すのではなく、自分で考え、自分の言葉に直して書き込むことが大切です。
問題集の場合は、内容ではなく、そのページにある問題の解き方あるいは考え方を書き込んでいきましょう。書き込むうちに、こういう問題はこうやって解く、ということがわかってきます。解き方がわからなくて模範解答を書き写すだけになってしまいがちな人におすすめです。
ここで、介護福祉士の資格勉強用テキストを使って例を示してみます。私が参照しているのは、『福祉教科書 介護福祉士 完全合格テキスト 2017年版』。この46、47ページでは、人口構造の変化について解説されています。そこで、ページ数の脇に次のようにメモをします。
46 少子高齢化進む(人口動態グラフ参照) →年少人口(~14)の減少、老年人口(65~)の増加 47 人口構造の変化→持続可能な社会保障制度の再建が必要。流れ要確認
私が、ページに書かれている内容を一言で表すとこうなりました。ちなみに、この例でページ数につけたピンクのマーカーは「よく理解できた」で、オレンジのマーカーは「要復習」の意味です。わからなかったところや理解の仕方は人によって異なるので、まとめ方も違ってくると思います。他人の言葉ではなく、自分が理解しやすいようにまとめ直すことで、理解を深めるためのテクニックとして実践してみてください。写すだけでは意味がない、というのはそういうことなのです。
3周目:本文を熟読しよう
最後、3周目に本文をよく読みましょう。ここまでですでに2回読んでいるので、本当にわからないところが見えてくるはずです。最初からしっかり読み込もうとすると、わからないところが多くて途中で挫折しがちですが、すでに2回読んでいればどこに何が書いてあって自分が分からないのはどの部分、というのが把握できています。先が見えずに途方に暮れるといったことはありません。
読みながら、重要なところやわからないところにはマーカーなどで印をつけていきましょう。ここでのおすすめは、重要なところとわからないところのペンの色を変えることです。わからないところは消せるペンを利用するのも良いでしょう。勉強が進んで理解ができた段階で消します。最終的に、わからないところにつけたマーカーを全部消すことができれば完成です。
*** このようにして一冊仕上げると、その本はあなたの辞書として使えるようになります。忘れてしまったことがあっても、だいたいどのあたりに書いてあるか思い出せますし、自分の言葉で書かれたメモを読み返せば、勉強した時の記憶がよみがえってきます。この方法をとるのととらないのとでは、効率がまるで変わってきますよ。
一冊を完璧にしないなんてもったいないことです。ぜひ、自分に一番合った参考書を作り上げてみてください。
(参考) HappyLifeStyle|結果を目に見える形にすると、やる気が出る 樺沢紫苑(2016),『覚えない記憶術』,サンマーク出版. プログラミング初心者入門講座|3回読むと理解が深まる 国際医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉・マネジメント学科 (著), 小林 雅彦 (監修) (2016)『福祉教科書 介護福祉士 完全合格テキスト 2017年版』,翔泳社.