大学時代というものを、皆さんはどのようにお考えでしょうか。巷ではよくこんなことを耳にしませんか。「大学時代は人生最後の夏休みだ」「大学時代に遊ばないと後悔する」「大学での勉強は役に立たない」等々……。

大学時代というものは、高校時代までと比べ時間の使い方の自由が大きく、受験勉強で家と自習室とを行ったり来たりというストレスフルな生活からも解放され、羽を伸ばしたくなります。また、仕事を始めてしまえば、時間の面でも体力の面でもきつくなり、思い通りのことをするのがなかなか難しくなってくるだろうとということは学生のうちから分かっているので、大学時代のうちに自由に時間を過ごしておかなくてはと思うものです。

しかし筆者は、大学時代を単純にモラトリアムととらえ、遊びなどにほとんどの時間を使い、勉強は試験前に単位をとるためだけにする、ということをお勧めしません。その理由を、実体験を交えながら3つ紹介していきます。

理由1 大学の授業は面白い

一つ目から疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、大学の授業は面白いものです。確かに、単位が楽にとれるという理由だけでとった授業は、教授のやる気がないこともあれば、そもそも興味の湧かない分野の授業であることも多いため、つまらなく感じるでしょう。しかし、時間割を組む際にシラバスをきちんとチェックしていくと、「こんな授業があるのか!」と思わず驚いてしまうような科目や、なんとなく関心を持っていた分野に関する授業が見つかります。

大学で教鞭をとるのは、特定の分野において専門性が高く評価されている研究者。彼らは、その分野の魅力に取りつかれ、日夜専門的な研究に励んでいます。そんな研究者たちが、自らの感じた魅力を後進となる学生にも伝えるべく講義を展開してくれているわけです。こんなに貴重な機会は、おそらく大学時代を逃したらもうないのではないでしょうか。

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理由その2 大学で学んだことは役に立つ

大学で学んだことは役に立たない、という風潮が世間では強いように思われます。文科省が大学の文系学科の廃止を検討したことも、その風潮を反映したものといえるでしょう。

しかし、筆者はその意見に真っ向から反対します。大学で学ぶことというのは、高校までに比べ、「答えが用意されていないこと」が格段に増えます。知識を受動的に詰め込むのみならず、身に着けた知識を元に自らの頭で考えていく。こうした、本来的な学問をすることができるのが大学なのです。

例えば、哲学を学ぼうとすると、必ず哲学の歴史について学ぶことが求められます。これは、きわめて優れた頭脳を持つ過去の哲学者たちが、いかにして誤った推論をしてきたかを学ぶこと。このことは、自分たちがこれから本格的に哲学を議論する際に、間違った推論をするのを予防する、という意味合いを持っています。このように、体系的に学ぶことの多くが、これから自分たちで考えていくための大前提となっているのです。

考えるための素地を養い、そこから始めて論理的に考えていく。こうした一連のプロセスは、実社会に出てからあらゆることに応用が効くものなのです。

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理由その3 自分のキャリアを探るのに有意義である

大学では、実にさまざまな選択肢が提供されます。授業というもの一つをとっても、ありとあらゆる分野の専門家たちが多様多種な授業を展開しています。時には、実際に社会で活躍しているビジネスパーソンや、その大学出身者の財界の大物が講義しに来ることもあります。「授業=ツマラナイ」という思い込みにとらわれず、授業に関する様々な情報を集め、実際に授業に出て話を聞いてみると、自分が興味を持つ傾向というものが少しずつわかってくるかもしれません。

また、昨今の大学では、留学や国際交流等のプログラムも充実してきています。そのなかには、長期にわたって、あまりお金をかけずに海外でフィールドワークを行えるというようなものもあります。これらの情報は、大学が学生に積極的に発信しているものばかりとは限らないため、案外見落としがち。自分が想像している以上に、大学は様々な価値観に触れる機会を用意してくれているのです。

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大学なんて行ってもしょうがない、という考えもありますが、以上のように考えると、やはり大学でしっかり学んだ人は地頭も良くなりますし社会で活躍できる可能性が高くなります。

今大学生の皆さんにとって、自問する機会となりましたでしょうか。この記事が、大学へしっかり通うモチベーションとなることを願っています。また、すでに大学を出られた方の中には「大学なんて行ってもしょうがなかったな」と思っている人もいるかもしれませんが、決してそうではないことを、ご自身の大学生活を振り返りながら感じていただけると幸いです。

(参考)
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