営業担当をしているけれど、なかなか新規契約が取れなくて困っている。そして上司には毎日のように怒られる。悪いのは俺じゃなくて製品だろう……。

そんな風にお悩みの営業パーソン、または部下をもつ方はいませんか? 営業は企業のかなめ。どんな企業もサービスや製品を売る以上、ここで失敗してしまうと、存続自体が危うくなってしまいます。

そこで今回は、ソニー生命4000人のトップに立った山本正明さんの体験談を中心に、トップ営業パーソンのメソッドを学んでいきましょう。きっと営業方法の改善点が見えてくるはずです。

ただのおじさんが、連続挙績460週を達成した秘訣

今まで先輩に教わったり、自分なりにアレンジしたりして営業をやってきたけど、トークの才能もないし、そもそも自分には営業職が合ってないのではないか……。

そんな営業パーソンに紹介したいのが、ソニー生命保険株式会社・山本正明さんの著作『奇跡の営業』。44歳で営業の世界に入るまで、山本さんは中堅ゼネコンの現場監督をしていました。根っからの技術畑の人間で、ダイナマイトやコンクリートなど、学生時代から興味をもって勉強してきた分野の事ならすらすらしゃべることができたのに、いざ営業でお客様の前に出ると、緊張してしまい言葉が出なかったといいます。

しかし試行錯誤の末、ソニー生命で2年連続「社長賞」を受賞するまでになり、ソニー生命4000人のトップに立つことができたのです。山本さんは著書の中でその営業の秘訣を、「1件の契約より、2件の紹介。営業で重要なのは、“紹介”をひきだすよう働きかけることだ。そして話下手な人こそだれより成果を上げる可能性を秘めている」と語ります。どうして人間力、コミュニケーション力が大切と考えられている営業の世界で、話下手な人が紹介をもらい、劇的に成績を伸ばせたのでしょうか?

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話下手の人が営業で成功する理由

話下手な人が営業で成功する理由。それは、営業が「話上手」である必要はないからです。営業で大事な三要素は、「自分の想いを正直に伝えること」「聞く力」、そして「紹介をもらうための技術を身につける」なのです。

山本さんの新人時代のエピソードの中に、勉強のためにお客様の保険証券を見せてもらうというお話があります。「○○さんがいま入られている保証の見直しをさせていただきたいので、保険証券をご用意のうえお会いできませんか」とアポイントメントを取るのがいいと、先輩から教わったものの結果はさんざん。「なんでそんな大事なもんをあんたに見せなきゃいけないのっ!」と叱咤されることもあったんだとか。

そこであるとき先輩の“お手本”を無視して正直に、本音を話すようにしたといいます。

「○○さん、じつは私、今保険営業をやっていまして、いろんな保険について勉強しているんです。それで、できれば○○さんにも協力してほしいんです。保険証券を見せてもらえたら、私にとってすごく勉強になりますし、保障の見直しで少しはお役に立てるかもしれませんので……」

(引用元:山本正明著(2013),『奇跡の営業』,サンマーク出版.)

そうしたところ、1人だけでなく、2人、3人と連続でOKがでた。そこから山本さんは、「本音で話す大切さ」に気づいたといいます。

聞く力

経営の神様とよばれる松下幸之助さんはかつて、「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」と述べました。では、客のためになるものを売るにはどうしたらよいのでしょうか?

それが営業の大事なこと2つめの、「聞く力」です。

話上手な人は、ときに聞くことをおろそかにしてしまいます。人間関係の原則を解き明かした世界的ベストセラー『人を動かす』の著者、D・カーネギーの実践的メソッド『セールス・アドバンテージ』によると、「話す力」よりも、お客様の真意を聞き出す力、つまり「聞く力」の方がずっと大切だといいます。

人に影響を与えることの秘訣は、良き話し手であることよりも、良き聞き手であることです。多くの人は、相手を自分の考えに導こうとして、あまりにも多くを語りすぎてしまいます。相手に話をさせましょう。相手のビジネスや問題点については相手の方があなたよりもよく知っているのです。だから質問をしなさい。相手に教えてもらいなさい。

(引用元:Dカーネギー協会編集,山本望訳(2015),『セールス・アドバンテージ』,創元社.)

「価格は安いがアフターケアがあの会社はなってない」
もしお客様からそんな話を聞いたとしたら、低価格で攻めるのではなくアフターケアを中心に営業トークができますよね。相手の抱えている問題を知ることができれば、自社の製品のどこを強調して売り込めばいいのかが分かるのです。

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「契約をとる営業」から「紹介をもらう営業」へ

山本さんは紹介をもらうよう「働きかける」営業に力を入れるようになってから、紹介率はみるみる上がり、ついには紹介率が80%を超えるようになったといいます。なぜそこまで紹介にこだわるのでしょうか。

「○○さんの紹介でうかがいました」と言えば、それだけでいくらかの安心感を持っていただけるし、紹介者という共通の話題があるので人間関係も築きやすくなります。
しかも紹介で出向く先のお客様は”客筋”がよく、飛び込みのように冷たくあしらわれることがないので営業自体がとても楽になります。

(引用元:山本正明著(2013),『奇跡の営業』,サンマーク出版.)

結果、契約率も80%まで上昇したのだとか。たしかに、紹介してもらうことにより、「その商品の話を聞いてもいい」という見込み客を見つけ続けることができます。そして誰かを紹介してもらうために、目の前にいるお客様に対して真摯に向き合うことになるでしょう。

一方で、「紹介をもらうには勇気がいる」そんな考えをお持ちの営業パーソンが多いのも事実。実際にどのように紹介をもらえばいいのでしょうか? そのカギは、「アンケート作成」にあると山本さんは言います。

ただし、どんなアンケートでもいいわけではありません。とはいえ重要なのはたったふたつ。

「私の商談のどこがよかったか」
「誰を紹介してくれるのか」

このふたつをアンケートに盛り込むこと。

(引用元:同上)

山本さんの公式サイトにそのアンケートが掲載されているので参考にしてみてください。

この紹介アンケートを活用した山本さんの教え子は年収を五倍にアップさせ、知り合いの漢方薬局は紹介アンケートによって固定客を倍増させたといいます。

***
いかがでしたか? モノが売れない時代といいますが、そんなことは決してありません。正確には、人々がどこで、誰からモノを買っていいかわからない時代です。だからこそ、「本音で話す」「聞く」「紹介をもらう」を実践しさえすれば、これほど売りやすい時代はないのです。「契約をとる営業パーソン」から「紹介をもらえる営業パーソン」へと進化して、あなたも営業で奇跡を起こしてみましょう!

(参考)
山本正明著(2013),『奇跡の営業』,サンマーク出版.
Dカーネギー協会編集,山本望訳(2005),『セールス・アドバンテージ』,創元社.
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