キャリアアップのため「すぐに転職」は正解? 現職への「モヤモヤの正体」を解消する簡単ノート術

パソコンで仕事中の女性が窓の外を見ている

「いまのキャリアに危機感がある」「友人や同僚のキャリアをうらやましく感じる」けれど、すぐに転職は考えていないので、モヤモヤを抱えたままなんとなく現職を続けている――そんな人はいませんか?

もしいま、あなたが仕事についてモヤモヤしているとしたら、なにかしらの問題意識が芽生えているということ。ずばり、キャリアに向き合うタイミングであり、キャリアに変化を起こすチャンス。モヤモヤの原因を探り、輝く未来への一歩を踏み出しましょう。

【ライタープロフィール】
谷口雅子(たにぐち・まさこ)
(株)ベネッセコーポレーション 社会人向けキャリアコーチングサービス「CAREER STAGE」責任者。国家資格キャリアコンサルタント。(株)ベネッセコーポレーション入社後、高等学校のコンサルティング営業、大学生のキャリア教育・就職支援および大学の教学改革支援に従事。(株)ベネッセi-キャリアにて、大学事業の営業責任者、キャリア教育事業責任者、企業向け人材採用・人材開発等のHR事業責任者を歴任後、2023年度より現職を務める。

1. モヤモヤの原因、あなたはどのタイプ?

ビジネスパーソンが自分のキャリアを考えたときにモヤモヤするのは、「このままではよいキャリアが実現できないのではないか」という不安や不満が原因。そして、モヤモヤしているのに行動を起こすこともできない、モヤモヤがなにかすらうまく表現できない……だから余計にモヤモヤしてしまうのです。

キャリアに対する価値観は人それぞれ。したがって不安の原因も人それぞれ。モヤモヤタイプは大きく3つに分けられます。

タイプ1:目指すべき方向性や目標がはっきりしないモヤモヤ

  • どんな仕事をしたいのか、自分のやりたいことがわからない
  • 仕事をしていても充実感ややりがいを感じられない
  • 仕事に全力で取り組めていない気がする。集中力に欠ける
  • 生き生きと仕事をしている人がうらやましく感じる

たとえば、上司や人事に「今後のキャリアをどう考えているの?」と聞かれたとき、答えに詰まってしまう人はこのタイプでしょう。モヤモヤするのは、「自分らしさ」「何を目指したいか」など、自分に関する理解が深まっていないから。

未来について答えを出すことは簡単ではありません。まずは、あなたの過去の経験、そして現在の経験について分析してみましょう。

タイプ2:自分の経験やスキルに自信がもてないモヤモヤ

  • 自分の市場価値が低いと思っている
  • 「強み」「経験」「スキル」すべてにおいて自信がもてない
  • 自分の専門性は、この先役に立たなくなると思っている
  • 「資格」や「社会人大学」などキャリアに箔をつけるための情報を漁っている

「あなたの強みはなんですか?」という質問に即答できない人は、このタイプだと言えるでしょう。自分はこの先通用するのだろうか……と、不安になっていませんか? その不安がモヤモヤの原因です。また、新しく任された仕事に対して、「自分は期待に応えられないのではないか?」と、ネガティブに考えてしまう人もこのタイプ。

でも、その低い自己評価は本当に正しいのでしょうか。もしかしたら、自己評価を低く見積もりすぎているかもしれません。上司や同僚からの客観的な評価は意外に高かった、ということもありますよ。

タイプ3:労働環境や労働条件がしっくりこないモヤモヤ

  • いまの職場に満足はしていないけれど転職までは考えていない
  • 職場の雰囲気や働き方がしっくりこない
  • ライフイベントが重なり、仕事とプライベートのバランスがとれない
  • いまの会社で出世するのは無理そうだ

仕事の内容は嫌いではないのに、なぜか毎日モヤモヤする人は、環境や労働条件への不満がモヤモヤの原因になっています。たとえば、ライフイベントが重なって、労働時間や給与面での不満が出てきたけれど、いますぐ転職は難しい……という人もいるでしょう。

また不満だけでなく、プライベートと仕事の優先順位が自分のなかで整理できない、仕事量や有休のタイミングなど、自分の思い通りに決められない人もこのタイプです。不安要素を整理し、「この先どんな働き方をしたいのか」を考えることから始めましょう。

沈んでいる顔から笑顔になり最後は電球になるイラスト

2. 「モヤモヤの正体」を突き止める簡単ノート術

前項では、モヤモヤを3つのタイプに分けて説明しました。しかし、モヤモヤの原因は人それぞれ違っているはずです。そこで、あなたが抱えるモヤモヤの正体を突き止めるノート術をご紹介します。紙とペンがあれば、いつでもどこでもできますよ。

分析にかける時間は、30分から長くても1時間。あまり時間をかけすぎると、考えすぎて混乱してしまいます。

では、【1】~【4】まで順番に書き出してみましょう。

【1】モヤモヤしていること
不安に思っていることや気になっていることなど、あなたのモヤモヤを書き出します。

 

【2】いまの感情(正直に)
モヤモヤしている事柄に対して、どう感じているのかを、可能な範囲で正直に書き出します。過去の苦しい経験や自身のプライドが関わっているのであれば、それも書き出します。

 

【3】モヤモヤしたきっかけ
モヤモヤし始めたきっかけ、出来事を書き出します。どんなに小さな出来事でもかまいません。

 

【4】モヤモヤがない理想の状態
自分にとって「モヤモヤがない状態」を書き出します。解決策は考えなくてOKです。難しく考えず、あなたにとって理想の状態を書き出しましょう。

【1】~【4】を実際に書き出してみると、下記のようなイメージになります。ポイントは、「考えすぎないこと」と「正直に書くこと」。誰かに見せるわけではありませんので、いまのあなたが感じている本当の気持ちを、正直に書き出しましょう。

キャリアについての悩みが書かれたノート

モヤモヤを感じたときだけでなく、キャリアに向き合ってみたいと感じたときも、この分析方法をやってみるタイミング。定期的に行なってもいいですし、状況が変化した場面で再度書き出してみるのもおすすめです。

3. 「モヤモヤがない状態」の解像度を上げる!

モヤモヤの内容を書き出したことで、心のなかが明らかになったのではないでしょうか。「どんなことが不安なのか」「自分はどうなりたいのか」が整理できたら、次にやるべきは、「どうなりたいのか」「どうしたいのか」の解像度を上げること。つまり、具体的な方向性を考えるのです。たとえば、以下のようなイメージ。

モヤモヤがない状態:「やりがいのある仕事を任される」「成長し続ける」
→自分のアイデアを仕事に反映させて満足したい
→販売促進ではなく、商品企画で自分の能力を試してみたい
→部署異動の希望を出そう
→部署異動までの期間、アイデアのストックを貯めておこう
→プライベートのときも常にアンテナを張っておくぞ!

もし自分だけで、「どうなりたいのか」「どうしたいのか」の解像度を上げることが難しければ、親しい人と「キャリアの壁打ち」をしてみましょう。「成長とは?」「自分にとってやりがいとは?」「なぜ管理職になるのが怖いのか?」など、人から質問をしてもらい、「どうしたい」を言語化するのです。すると、「なるほど、自分はこんなふうに考えていたのか」と気づくことができます。

自分が「どうしたいのか」が明らかになればなるほど、心のなかのモヤモヤがスッキリするでしょう。転職活動中だけがキャリアに向き合うタイミングではありません。健康診断のような感覚でキャリアを考える機会を定期的につくることをおすすめします

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働き方の選択肢や生き方の選択肢も多様になり、自分にとってなにがよいのか決断しにくい時代になりました。キャリアについてモヤモヤする人が増えるのは、当たり前なのです。

自分だけでは整理しきれない! と悩んだときは専門家に相談するのもひとつの手。より深い自己分析や、中長期的なキャリアプランを考えたい場合は、キャリアコーチングの無料相談を受けてみましょう。

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