自分にはリーダーなんて無理! 「自信がない」あなたのための、逆転のチーム運営術

仕事をするにあたり自信が持てず、デスクに肘をついて顔を手で覆う女性

「チームリーダーを任されたものの、ほかの人のほうが向いているのではないかと感じる」

「自信がないので、リーダーシップの必要な仕事に立候補できない……」

自信がないのに、リーダーを引き受けるのは難しいことですよね。「もっと自信をつけたいけれど、生まれつきの性格でなかなか変えられない」と悩んでいる方もいると思います。そこでこの記事では、「自信がない人」でもリーダーとして成功しやすくなるための方法を紹介します。

【ライタープロフィール】
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

自分がミスする可能性を伝え、チームの心理的安全性を高める

自信がないときは、その不安な気持ちを思いきって伝えたほうが、よいチームになる可能性があります。「自分がミスをする可能性を伝える」ことで、「心理的安全性」の高い環境をつくることができるからです。

心理的安全性とは、ハーバード経営大学院教授であるエイミー・C・エドモンドソン氏によって提唱された概念。

どう思われるか気にすることなく、「上司に反対意見を言うことや、失敗や間違いについて話せること、そして自分の手に負えないときに助けを求めること」ができることを心理的安全性の高い状態といいます。(カギカッコ内引用元:日経ビジネス| 心理的安全性のエドモンドソン氏「『失敗は成功のもと』は、ずさんな経営」|https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00351/011500120/

心理的安全性が低いと、ミスを隠すようになったり、必要な質問をすぐにできない原因になったりします。たとえば、「資料で意味がわからない部分があるけれど、こんなことを質問したら仕事ができない人だと思われるかもしれない……。そのうち自然にわかるようになるだろう」なんて、質問をためらった経験はありませんか? それこそが、心理的安全性の低いことによる影響です。
心理的安全性が高ければ、質問をすぐにしたり、抵抗なく意見を言うことができるため、大きなトラブルが起こりにくいのです。さらに、活発な意見から新しいアイデアが生まれやすくなるので、業務のパフォーマンスが向上するメリットもあります。

オフィスにて、チームのメンバーに向けて話をする

上述のエドモンドソン氏は、心理的安全性を高める方法として次のように述べています。

Acknowledge your own fallibility. (自分自身がミスをする可能性を認識する)

“I may miss something, I need to hear from you.”(リーダー自らが、「ミスをするかもしれないから、そのときは教えてね」とメンバーに伝えておく)

(引用元:Building a psychologically safe workplace | Amy Edmondson | TEDxHGSE| https://www.youtube.com/watch?v=LhoLuui9gX8 筆者が和訳し、説明を補足した)

たとえば取引先へ向かう際、「私は忘れっぽいので、営業資料を忘れることがあるかもしれない。今後〇〇さんも念のため資料を持って来ておいてほしい」と伝えてみましょう。
ほかには、プレゼンテーション前に「説明の中で、わかりにくい部分や数字の間違いに気がついたら、あとで教えてほしい」と伝えておくことも、ミスをする可能性を告白する方法として挙げられます。
リーダーが失敗をする可能性を恥ずかしがらずに伝えることで、メンバーも失敗の報告をしやすくなるわけです。

女性二人が並んで座り、一方が話しているのをもう一方がほほえみながら聞いている

自信がないからこそリーダー自身がミスをする可能性を伝えられ、チーム全体の心理的安全性が高めることができるようになります。

意見を取り入れる意識をもち、チームを正しい方向に導く

自信がないと、リーダーとして人を引っ張ることができないのではないか? と感じますよね。実際には、自信がないからこそ、人の意見を傾聴し、チームを正しい方向へ導くことができます。

著書『組織文化とリーダーシップ』で知られ、MITスローン経営学大学院の教授であったエドガー・H・シャイン氏は、リーダーこそ自分の能力を過信せず、謙虚に人に意見を求めることが必要だと述べています。 

Being responsible does not mean for them that they have to do it alone, and they realize that they cannot implement the new and better things without the involvement of others.

(責任をもつということは、一人でやらなければいけないという意味ではないと考えており、また人の協力なしでは、新しくよりよいものを成し遂げることができないと知っているのです。)

(引用元:egonzehnder|In conversation with Ed Schein|https://www.egonzehnder.com/insight/in-conversation-with-ed-schein 和訳は筆者が補った)

リーダーという立場になると、自分に知識がないことを知られるのは恐ろしく感じます。そうなるとなかなか人に質問をしたり、助けを求めることが難しくなるもの。

男性と女性が並んで座り、女性がタブレットを手に男性に説明をしている

けれども、自信がない人はリーダーとなっても自身の能力を過信しません。だからこそ抵抗なく人から学ぶことができるのです。

メンバーから意見を言ってもらいやすくするためには、日頃からメンバーとコミュニケーションを取り、意見を求めやすい環境をつくっておくこと

シャイン氏は人に意見を聞く方法として以下のふたつの方法を提案しています。

1. 部下との関係性を強化し、距離感を近くしておく

2. 人の意見を取り入れる意識をもつ

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1. 部下との関係性を強化し、距離感を近くしておく

いくら意見を求めても、「正直な意見を伝えたら、上司は自分の評価を下げるのではないか?」と部下に思われていれば、素直な意見を聞くことはできません。

それを防ぐためには、日頃から部下との距離感を近くしておく必要があります

たとえば、毎週金曜日はメンバーたちとランチをとる、というように、曜日を決めてコミュニケーションの機会をつくってみましょう。こまめにコミュニケーションをとることが大切です。

2. 人の意見を取り入れる意識をもつ

「自分の能力で至らない部分については、より専門知識がある人に意見を聞く」という意識が必要です。多くのリーダーは、自分が物事を知らないと思われることを恐れますが、何かを成し遂げるには人の協力が必要だということを受け止めましょう。

(同上より筆者がまとめた)

意見を言いやすい環境をつくること、人の意見を取り入れる意識をもつことで、必要な知識を得ながら仕事を成功に導いていくことができるのですね。

ぜひ、 「〇〇さんはデザインを専攻していたよね。新規プロジェクトで出ているデザイン案なんだけど、改善提案などはある?」などとメンバーにも意見を求めるようにしてみましょう。こまめに質問をしようとすれば、人の意見を取り入れる意識が自然と身についていきます。5人のチームメンバーが笑顔で並んで立ち、みなガッツポーズをしている

このように、自分に自信がなくても謙虚に人の意見を聞いて反映させる意識をもつことで、リーダーとして正しい方向にチームを導くことができるのです。

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今回は、自信がない人がリーダーとして成功しやすくなるための方法をご紹介しました。ぜひこの記事を参考にして仕事に活かしてみてください。

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