「自己啓発本を読んでも、行動につながらない」 「ネットで情報収集したものの、それだけで疲れてしまい実践できない」
いくら頑張って情報収集しても実行できなければ意味がない、と分かってはいるけれど、上のような悩みを持っているという方は多いのではないでしょうか。情報収集から実践へのハードルは、結構高いものですよね。
現代において、「情報収集」は必須のスキルになりました。仕事術、勉強法、ダイエットの方法、料理のレシピなど、どのようなジャンルであれ、めまぐるしいほどの情報の中から自分に合ったものをうまく探す必要があります。
今回は、「行動するための情報収集」についてまとめました。何かと「より速く、より正確に」が求められる現代。それは情報収集においても同じです。得た情報を確実に行動につなげるために、自分に合った情報を効率よく見つけ出す方法を身につけてください。
PDCAサイクルを回せ!
情報を集めるときは、なんらかの動機があって、めざすべき目的があるはずです。
例えば、「勉強法を改善したい」というとき。ゴールとして考えられるのは、「新しい勉強法を用いて、今よりも効率よく記憶することができている状態」といったところですね。
つまり、勉強法を知っているだけでは十分ではなく、「実行している状態」になって初めて目的達成となるのです。
数多くの情報の中から出合った勉強法が自分に適した勉強法であるかどうかは、実際に試してみないとわかりませんよね。そこで、PDCAサイクルを用いてそれを確認します。PDCAサイクルとは、物事を円滑に進めるための手法の一つで、ビジネスで広く取り入れられているプロセスです。
PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する
(引用元:Wikipedia|PDCAサイクル)
このPDCAサイクルは、速く回すことが望ましいとされています。企業研修などを手掛ける株式会社インソースの解説によれば、
PDCAサイクルで成果を出すためには何が必要でしょうか?その答えは、PDCAサイクルを速く回すことです。回転数を上げるほど、課題が見つかり、改善を行う機会が増えるので、成果がでやすくなります。
(引用元:insource|高速 PDCA サイクルのすすめ)
では、得た情報を行動につなげるために(今回の例では、自分に合った勉強法を探し出すために)、どうしたらPDCAサイクルを速く回すことができるのでしょうか?
30分で情報を集めろ!
調べればいくらでも情報が得られる現代において、多くの人が陥ってしまうのが、「選択肢過多」です。この「選択肢過多」に陥ってしまうと、実行に移すのはとても難しくなってしまいます。どの情報を選んで実践すればいいのか、分からなくなってしまうのです。インターネットや本を使ってあちこちから情報は集めたけれど、現実には何も手についていない、とはまさにこの状況です。
選択肢過多とは、選択肢が増えれば増えるほど、選択することが難しくなってしまい、迷いやストレスの原因となってしまう現象。
(引用元:マーケティングWiki~マーケティング用語集~|選択肢過多)
いつのまにかそんな「情報オタク」に陥らないようにするには、情報収集のプロセスにルールを設ける必要があります。大事なのは、情報収集は30分で打ち切ること。そして、ある程度選択肢が揃ったら即実行することが重要なのです。
行動につながる情報収集のためのPDCAプロセス
効率よく情報を集めて実行に移すために、次の3点のルールに従ってPDCAプロセスを回しましょう。
1. 目的の設定 「今よりも、効率よく記憶できる勉強法について知りたい」など。
2. 30分だけ情報収集 情報収集に長時間かけるのではなく、「やめどき」を設定しましょう。これによって、PDCAを回す速度が大幅に変わってきます。
3. その中で1つを実行 実際にやってみなければ、その方法が有効かどうかは分からないことが多いものです。有力な候補が1つあったら、とりあえず試しましょう。このとき重要なのは、「複数の選択肢を頭に蓄えない」こと。あれもやってみよう、これもやってみよう、では、選択肢過多に陥ります。試してみるのはとりあえず1つだけで良いのです。
鉄は熱いうちに打てという言葉がありますが、新しいやり方を知って感動しているうちなら、面倒くさいと思わずに実行できます。試してみたら、その方法は自分には合っていたのか、もっと別のやり方のほうがいいと思ったかどうかなどを振り返り、その結果を踏まえて、また必要に応じ情報収集しましょう。
気になる方法は、先延ばしにせず即実行!
もし、即行動に移せないものであれば、予定に組み込んでしまいましょう。「今度やってみよう」ではなく、「いつどこで行動するか?」まで決めておくのです。いつ、どこで、誰が(誰と)、何を、どうやってするのかを決めた上で、スケジュール帳に書いたり、リマインダーを設定したりしておきましょう。 (ex:「今日の夜11時から、参考書を音読して勉強してみる」)
即行動に移すこと、いつやるべきなのか決めておくことが重要であるというのは、以下の「エメットの法則」に従った考え方です。
エメットの法則(エメットのほうそく)とは、「仕事を先延ばしにすることは、片付けることよりも倍の時間とエネルギーを要する」というリタ・エメットの提示した法則。
(引用元:Wikipedia|エメットの法則)
後回しにせずその場でなるべく済ませることで、エネルギーを浪費せずに済むのですね。結果として、情報収集から行動までのハードルを不必要に上げてしまうことなく、スムーズに実行に移すことができるようになります。
PDCAプロセスを記録しておく
情報を集め、1つの方法を実践し、また情報を集めて、別の方法を実践する……。というPDCAプロセスを回しながら、その状況を以下のように記録しておきましょう。
=== タイトル:勉強法の改善
目的:効率よく記憶できるようになるため
1つ目の方法:音読 反省と軌道修正:家族にうるさいと言われるから静かにできるものがいい
2つ目の方法:勉強仲間と教え合う 反省と軌道修正:雑談が多くなってしまって進まない … … ===
このように記録に残しながら、目的に沿って色んな方法を試していけば、だんだんと自分が欲しい勉強法が見えてくるはずです。
*** 情報収集を実践につなげるには、まず試してみるという姿勢が重要です。アメリカの名著『仕事は楽しいかね?』でも、以下のような言葉があります。
試してみることに失敗はない
(引用元:デイル・ドーテン著, 野津智子訳(2001),『仕事は楽しいかね?』,きこ書房.)
行動して仮に失敗しても、また新たな方法を試せばよいのです。柔軟に方向修正しつつ、スピーディに情報収集していきましょう!
(参考) Wikipedia|PDCAサイクル insource|高速 PDCA サイクルのすすめ Wikipedia|エメットの法則 マーケティングWiki~マーケティング用語集~|選択肢過多 デイル・ドーテン著, 野津智子訳(2001),『仕事は楽しいかね?』,きこ書房.