最近、「マインドフルネス」という言葉を耳にする機会が増えてきました。マインドフルネスのやり方がテレビや書籍などで特集され、その効果に注目が集まっています。

また、スティーブ・ジョブズ氏が瞑想を日常に取り入れていたというエピソードのように、成功するビジネスパーソンには瞑想を実践する人が多い、などといった話を聞いたことのある方もいるでしょう。

このように巷では瞑想の効果が頻繁に説かれていますが、「瞑想がいいらしいとは聞くけど、なんかよくわかんないなぁ」と思う人は多いのではないでしょうか。そんな皆さん、私が瞑想を半年ほど実践してみましたので、その効果や素直に感じたことなどについてお伝えします。

「マインドフルネス」と「瞑想」はちがうの?

マインドフルネスと言ったり瞑想と言ったりしますが、これらは同じものなのか、違うとしたらどう違うのか、曖昧ですよね。

結論から言いますと、「マインドフルネス」の実践が「瞑想」ということになります。

「マインドフルネス」とは、自然と湧き上がってくる考えを動じることなく観察すること。そして、自然と湧き上がってくる考えを観察する訓練が「瞑想」なのです。

このように意味の違いはあるものの、「マインドフルネス瞑想」と表現されることもあるので、言葉の厳密な使い分けについてあまりこだわる必要はないかもしれません。

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瞑想の実践法~朝晩3分間座った

瞑想にもいろいろな方法があるようですが、私が実践したのは、座った状態で呼吸に意識を向ける瞑想です。座禅をイメージしていただくとわかりやすいと思います。

もう少し細かく説明しましょう。

瞑想用の座布団の上に、両足を太もものに乗せた体勢で座ります。結跏趺坐(けっかふざ)と呼ばれる姿勢です。眼は半開きにして1.5mほど先に視線を向けます。その状態で、ゆっくりと鼻で呼吸をし、呼吸に意識を集中させます。やってみるとわかりますが、集中しようとしてもすぐに雑念が頭に浮かんできます。例えば、「洗濯しなきゃいけないけど、曇っているな」などの考えです。雑念が浮かんできたと感じたら、呼吸に意識を向け直します。これを3分間行いました。

私は、起床した直後と寝る直前の2回、瞑想をしていました。理由は、できる限り毎日瞑想をするためと、ゆったりした服でないと体勢が作れないためです。

当初はクッションを二つ折りにして使っていましたが、3ヶ月ほど経ってからはAmazonで瞑想用の座布団を購入しました。5,000円ほどしましたが、この座布団があるおかげで瞑想を忘れてしまうことがなくなりましたし、座った時の安定感も増したので、いい買い物だと感じました。

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瞑想の効果~冷静になれる

瞑想が身についてから、ある時自宅でサラダにドレッシングをかけようとした時に、蓋が緩んでいてカーペットに撒き散らしたことがありました。以前の私であったら、ひとしきり慌てた後に、面倒なことになったと悪態をつきながらしぶしぶ掃除を始めたと思います。しかし、その時は、ちゃんと蓋を閉めていなかった自分の責任だと冷静に考えながら、イライラすることもなく、掃除をすることができたのです。他にも、普段の生活の中でイライラする状態が少なくなり、他者に寛容になったと感じました。

このようにイライラすることがなくなったことによって、毎日の勉強や読書を、感情に左右されることなく規則的に行えることが多くなりました。瞑想が習慣化する前は、イライラしていると勉強が手につきませんでした。イライラしているというだけで、やるべきこともやらずに不貞寝してしまっていたのです。しかし瞑想が身につくと、イライラに左右されることがなくなり、勉強中にイライラの原因を思い出して余計にイライラするといったこともなくなったので、より集中できるようになりました。

瞑想によってイライラが減少する理由は、瞑想すると、脳の扁桃体という部位が縮小するため。

扁桃体はストレスと大いに関係のある部位で、私たちがストレスにさらされたとき、扁桃体が活性化されます。活性化された扁桃体は、コルチゾールなどのストレスホルモンを発生させ、血圧を上げたり、判断力を鈍らせたりするなど、思考や体にストレスによる悪影響をもたらしてしまうのです。

マサチューセッツ総合病院が行った研究によると、8週間の瞑想によって扁桃体が縮小することが明らかになりました。瞑想によって扁桃体が小さくなれば、ストレスホルモンが生じにくくなり、ストレスがかかっても冷静な判断力を保ちやすくなるということ。瞑想を習慣にした私が、ストレスフルな状況でも落ち着いた判断ができるようになったのは、このような脳の仕組みがあったからなのです。

瞑想で睡眠不足も解消。心も晴れやかに

私が実感できた瞑想の効果は、ほかにもあります。

・寝つきがよくなった

寝る直前に瞑想をするようになってから、格段に寝つきがよくなりました。なかなか寝付けない体質の私でしたが、最近は布団に入って10分もしないうちに寝付いてしまいます。

瞑想では、しっかりと息を吐くことを意識した深呼吸をします。それによって気持ちが落ち着き、副交感神経が優位になり、睡眠に適した状態になるのです。

私が瞑想を習慣にする前は、寝付けないことによるストレスを抱えていました。寝たいのに眠れない、寝なくてはいけないのに眠れないことにイライラしてきて、さらに目が冴えてくるという悪循環が起きていたのです。しかし、寝つきが良くなってからは、睡眠不足を解消できただけでなくそのストレスまでもなくなりました。

また、すっと眠れることによって、自分に必要な睡眠時間をきちんと確保できます。次の日の予定が朝早いものであっても、寝付けないことによる睡眠不足を回避できるようになりましたし、日中の活動に集中できるようになりました。

・心地よさがある

瞑想するという行為自体が、心地よく感じられ、純粋に気持ちの良いものでした。

瞑想をしている最中は、ひたすら呼吸に意識を集中させようとします。実際には、本当に呼吸のみに集中することは非常に難しく、私はごく稀にほんの短い時間しか、呼吸のみに集中するということができません。それでも、呼吸に意識を向けようとし続けることで、3分経った後に、満足感にも似た心地よさが感じられたのです。

とても気分がすっきりして、瞑想を行うだけで気分が晴れやかになりました。

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私がしている方法は上記の通りですが、他にも瞑想の方法はいくつかあります。歩いて行う瞑想もあるそうですし、食事中にする瞑想もあるそうです。自分にあったものを、無理のない範囲で生活に取り入れ、その効果を実感してみてください。

(参考)
デイヴィッド・ゲレス著,岩下慶一訳(2015),『マインドフル・ワーク―「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える』,NHK出版.
長谷川洋介著,貝谷明日香著(2015),『知識ゼロからのマインドフルネス 心のトレーニング』,幻冬舎.
平井正修著(2014),『心がみるみる晴れる 坐禅のすすめ』,幻冬舎.