皆さんは、オフの過ごし方についてどのように考えていますか? 忙しい日々を送っていると、いざオフの日になってもどのように過ごしてよいかわからない、結局だらだらしているうちに終わってしまう……。このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

今回は、多くの人が抱えるこのような悩みを解決するために「最も活力がわいてくるオフの過ごし方」を心理学的に考察してみました。オフ中はもちろん、翌日また活力に満ちた状態で仕事に臨むための過ごし方も含めて考えていきたいと思います。

心理学的に「最もよいオフの過ごし方」の例

まず、筆者はこのオフの目的を「心身ともに疲れをとり、翌日から最高のパフォーマンスを発揮できる状態にする」と設定しました。そしてこの目的を達成するために、行動の重要項目をリストアップし、スケジュールを組んでみました。
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1. 朝ごはんを食べる 8:00~9:00
心理学的な目的:エネルギー補給と心身の覚醒
血糖値を上げて前頭葉の働きをよくすることと同時に、消化器官を働かせることで身体に刺激を与え、心身ともに覚醒させることが目的です。朝ごはんを食べる習慣がない人は、スープなどの口当たりの良いものでも大丈夫ですよ。
(例)手軽さを優先してスープと食パンを2枚を食べる

2. 運動する 9:30~10:30
心理学的な目的:行動活性化
行動活性化とは、行動することで意欲や心のエネルギーを高める方法です。実際に、うつ病の治療にもこの行動活性化は用いられており、やる気が起きないときなど、とりあえず行動してみると意欲を高めることができるでしょう。

とくに運動は高い覚醒レベルを必要とします。「最近活力が足りないな」と感じたときに、軽いウォーキングだけでも取り入れることができれば、行動活性化につながるでしょう。また、身体の動きに集中することは、雑念を頭から取り払い前頭葉を活性化させるため、瞑想と同様の効果を期待できます。
(例)ウォーキングを20分、公園で40分トレーニングをする

3. 好きなことに集中する 13:00~15:00
心理学的な目的:1日の達成感・満足感を高める
1日の終わりに、筆者の場合「何もせずに終わっちゃったな……」と自責の念に駆られる傾向があるため、意識的に何かに集中する時間をつくってみました。例えば、自分の好きなことややりたかった勉強などを行います。心から楽しめて主体的に取り組めるものがいいでしょう。また、これらを毎週続けることによって、確実に技術が向上していくため、継続的に達成感を感じることができます。
(例)趣味がピアノを弾くことなら、ピアノの練習をここに充てる

4. 怠けタイム 15:30~17:30
心理学的な目的:集中力を使わない
1日の人間の行動には、大きく分けて「A. 主体的な行動」と「B. 受動的な行動」の2つのパターンがあります。先ほどの「3. 好きなことに集中する」では、1点への主体的な集中が必要でしたが、怠けタイムでは、集中力を使わずに色々なものに目を向けるような頭の使い方をします。つまり「A. 主体的な作業」と「B. 受動的な作業」を交互に行うことでお互い(A、B)のパフォーマンスを高めていくことができるのです。人間の集中力には限界があるため、このように行動の質を変えることで脳の疲労を分散させることができると考えます。
(例)録画したドラマなどを観てゆっくりと過ごす

5. 明日の準備 20:00~21:00
心理学的な目的:「今日」と「明日」の切り替えを行う
明日に向けて準備することで、気持ちの切り替えができます。これがないと、休日の状態を翌日に引きずってしまうかもしれません。「今日は休日」「明日は仕事」という自分の中での枠組みをはっきりさせることで、心に余裕が生まれて事前に思考をクリアにすることができます。
(例)1日の振り返りを書く、明日やることリストを書く、洋服や持ち物の準備をする

6. リラックスタイム 21:00~22:00
心理学的な目的:就寝のための心の準備をする
これは、就寝前の儀式と考えて良いでしょう。気持ちを落ち着かせる音楽やアロマ、読書など、自分に合ったリラックス法がおすすめです。これにより副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなりますよ。
(例)好きな音楽を聴きながら布団の中で目をつぶる

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実行する際のポイント

活力を引き出すための6つの行動をスケジュールに組み込みましたが、より効果を上げるためにも、下記の3つのポイントを意識しましょう。

1. 枠組みを意識する
次の行動に移るときには、「今からは違うことをやる」という意識を持ってください。ダラダラと1日を過ごしてしまう特徴として、時間や気持ちの枠組みがはっきりしていないということが挙げられます。そのことをふまえて、今回は時間の枠を明確に設定したスケジュールを立てました。

ただし、スムーズに切り替えることは非常に難しく、なかなか次の行動に移せないということもあるでしょう。そこで、次の行動に移るときに簡単な「動作」を行うことをおすすめします。例えば、コップ1杯の水を飲む、玄関の外に出る、部屋のまわりを1周するなど、決まった動作をすることで、今やっていたことからいったん離れて冷静になることができます。

2. ひとつひとつの行動に集中する
日々やることに追われている人は、仕事以外のことをしていると「こんなことをしている場合ではない……」と、なかなかその行動に集中できない傾向があります。このような考えは集中を困難にさせ、結果的にパフォーマンスが落ちてしまいます。仕事でも仕事以外のことでも、「今はその行動に集中すること」によってパフォーマンスも充実感も高めることができるのです。

集中するためのおすすめの思考法として、とりあえず最初の5分間は真面目に取り組み、続けるかどうかはその後決めて良いとしましょう。集中できないのは、その行動へのモチベーションが上がらなかったり、なんとなくそれをやりたくないと思っていたりといった場合が多いのではないでしょうか。そこで、5分間だけやればその後はやらなくてもいいという、明確な目先の目標を作ってあげるのです。まずは、頭で考えずに行動することが重要であり、5分間真面目に取り組むと案外その後も集中が続くものです。

3. どんな1日でも、自分を責めないこと
計画を立てても実行できなかった、あまり集中できなかった……という結果になるかもしれません。しかし、そのようなときこそ自分を責めないことが重要なのです。自分を責めるという思考は、自分自身の今後の行動を消極的にしてしまいます。例えば、「できないなら、来週のオフはもうどうでもいいや」など、負の考えが出てきやすくなるのです。

もし自分を責めそうになったら、計画通りに完璧にすることが目的ではないと自覚する必要があります。あくまでも、疲れをとって明日につなげることが目的であるため、計画に固執する必要はないということを念頭に置いておきましょう。

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オフから仕事への切り替えがなんとなくうまくいかない、疲れが思うようにとれていないという方は、ぜひ「心理学的に」オフの過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか。心の動きをマネジメントできれば、オフでも仕事でもより高いパフォーマンスを「意図的に」発揮できるようになりますよ。

(参考)
メンタリストDaiGoの心理分析してみた|今日の疲れを明日に残さないための心理学
無藤隆著,遠藤由美著,玉瀬耕治著,森敏昭著(2004),『心理学』,有斐閣.