「仕事では毎日ストレスだらけ。夜や休日はぐったりしてしまう……」
「休んでも、あまり疲れを癒やせていない気がする……」
こんなふうに「仕事に疲れた」と感じたときどんな行動をとるかによって、疲れが軽くなるか、かえって増大するのかが変わります。そこで今回は、仕事で疲れを感じたらまずやってみるといいことを3つご紹介しましょう。
1.「時間を決めて」休む
「ゆっくり休んだつもりなのに、疲れがなかなかとれない……」
「何もせず体を休ませたのに、翌日になってもなんだかスッキリしないまま……」
こうした人のなかには、「疲れがとれるまで、とりあえずダラダラし続ける」といった休み方をしている人もいるかもしれません。しかしじつは、仕事の疲れをちゃんととるには、ただなんとなくいつまでもダラダラするのは逆効果。
順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、休日をダラダラ過ごした際に「なんて無駄な1日を過ごしてしまったんだ……」と後悔してはいけないと述べ、その理由をこう説明しています。
「ダラダラ過ごしたことを後悔し、嫌な気分になること」で、自律神経が乱れてしまうからです。嫌な気分で1日を終えると、自律神経のバランスを崩したまま、就寝することになります。当然、睡眠の質は下がり、疲労が抜け切れないまま、月曜日が始まる、ということになりかねません。
(引用元:プレジデントオンライン|「今週末もダラダラしちゃった」の罪悪感から解放される方法 ※太字は編集部にて施した)
たとえば、あなたにもこんな経験がないでしょうか――休みの日、とにかく疲れていたのでソファに寝転び、ひたすらゲーム。気づいたら夕方になっていて、「何も生産的なことができなかった」「また有意義な休日を過ごせなかった」と後悔した――。
もしあなたが、休日ダラダラしたのに週明けまだ疲れている……ということがよくあるなら、それはこの “嫌な気分” のせいなのかもしれません。
そこですべきなのが、ダラダラするなら「ダラダラすること」自体を目的にするということ。そうすることのメリットを、小林氏はこう述べています。
ダラダラした1日を終えたとしても、目的が達成されたことで、それほど悔いがありません。
(中略)
「予定通りのダラダラした日」を終えれば、後悔どころか、達成感を覚えます。こうすると、いい気分のまま睡眠できますので、睡眠の質も上がり、翌朝のコンディションも整っているでしょう。
(引用元:同上 ※太字は編集部にて施した)
また、だいたいの終わりの時間を決めておくことも効果的だそう。小林氏は「自律神経を整えるために、時間を区切ってリズムある生活を過ごすことは大切」だとしたうえで、「終わりの時間がはっきりすると、その分、集中できて、より充実した時間が過ごせ」ると述べています。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|疲れが取れない人がやりがち帰宅後の「悪習慣」)
小林氏がすすめていることをふまえ、たとえばこんなふうにダラダラしてみてはどうでしょうか?
- 平日、仕事が終わったらとりあえず21時まではソファでダラダラする
- 夕食後1時間までは、ダラダラと好きな動画を見る
- 休日、ひとまず昼まではベッドでゴロゴロする
ダラダラの終了時刻になったら、そこからは家事をするなり、体を動かすなり、仕事の準備をするなりして、やるべきことをやるのです。
筆者も実際に、上の箇条書きで1つめと2つめに挙げたものを実行してみました。ときには、疲れすぎていたせいか時間になっても動き出せない日もありましたが、おおむね順調に、ダラダラしたあとは家事や運動などに移ることができました。心なしか、一日の満足度が上がった気がして、翌日も意欲的に過ごすことができましたよ。
2.「五感に関係した方法で」リラックスする
「家に帰っても、仕事のストレスが尾を引いている……」
「夜はソファでぐったりしてしまう。疲れが全然癒やされない……」
そんな人は、小林氏がストレス軽減に効果的だとしてすすめる「五感の癒し」を試してみましょう。
ちょっとした楽しみ、小さな幸せでもいいので、自分なりのリラックス法を複数持っていたほうがいいでしょう。視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚など五感の癒しを活用することで、副交感神経の働きをより高めます。
(引用元:同上)
たとえば、小林氏は「子犬の画像」をタブレットやスマートフォンに保存しているそう。「見るだけで自然に顔がほころんでしまうような画像」は「交感神経の過剰な興奮が抑まり、副交感神経の働きがアップ」するのでリラックスに効果的なのだそうです(カギカッコ内引用元:同上)。これは、視覚からの癒やしの一例ですね。
筆者も小林氏の例にならい、疲れたときに、野生動物のライブカメラを観るという趣味を楽しむことに。前項で説明していたとおり、時間を決めて行ないました。視覚・聴覚からの癒やしが得られ、とてもリラックスできましたよ。また、入浴剤を入れたお風呂に浸かりながら動画を楽しむと、嗅覚・触覚からの癒やしも得ることができました。
ほかにも、五感の癒やし方はいろいろありそうです。実践しやすそうなものをいくつか考えてみました。
- 視覚……ドラマを見る、写真を眺める
- 嗅覚……好みのアロマを焚く、コーヒーの香りを楽しむ
- 聴覚……好きな音楽を聞く、カフェのようなBGMを流す
- 触覚……ふわふわのブランケットにくるまる、暑い時期なら冷却材のひんやり感を楽しむ
- 味覚……大好きなものをおいしく味わう!
人によってリラックスできる方法は異なるもの。自分の五感に訴えかけるリラックス法を、ぜひたくさん試してみてください。
3. 思いや感情を「紙に書き出す」
「仕事中イラっとすることがあったけれど、上司の前では笑顔。本当に疲れた……」
「体力的に疲れていたが、仕事中は明るく振る舞わなくてはならず、気持ちまで疲れてしまった……」
このように心の疲れを感じたなら、自分の素直な気持ちを紙に書き出してみましょう。
心理学者の関谷大輝氏は、感情を抑え込みながら仕事に取り組んだあとで疲れやストレスを感じるときは、次のことをするとよいとすすめています。
「仕事中に抑え込んだ本当の思いや感情」を、仕事が終わった後、意図的に上手に吐き出す機会を作ってみましょう。
(中略)
紙やスマホなどに書き出すという手もあります。その時の感情が整理されて、物事を客観的に捉える機会にもなります。
(引用元:読売新聞オンライン|日々疲れ果ててしまうのは「感情労働」のせい? ※太字は編集部にて施した)
このようにすると、自分の感情を無理やりコントロールしなければならなかったことによるストレスを解消しやすくなるのだとか(参考:同上)。
たとえば、以下のように書き出してみるのはいかがでしょうか。
「今日は全然余裕がなかった。プレゼン前で緊張していたから……。でも後輩には穏やかに接しないといけなかったのが、本当にキツかったな」
「体が疲れているのに明るく振る舞うのはとても大変だった。そういえば今日は睡眠不足だったから、そのせいもあったのかもしれない……」
こんなふうに書き出してみると、仕事のどういうところで気持ちが疲れてしまったのか、冷静にとらえることができますね。おのずと解決策が見えてくる可能性も。「プレゼンで緊張しているときは、素直に緊張していると言おうか」「体が疲れているときはやっぱり早く寝るのがよさそうだ」といった具合にです。
ただ「疲れた……」と嘆くのではなく、簡単にでもいいので紙に書き出してみてください。疲れをうまく解消する手立てがきっと見つかりますよ。
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仕事を頑張っていれば「疲れた」と感じるのは当然のこと。頑張ったあとは適切な行動で、疲れを癒やしましょう!
(参考)
プレジデントオンライン|「今週末もダラダラしちゃった」の罪悪感から解放される方法
東洋経済オンライン|疲れが取れない人がやりがち帰宅後の「悪習慣」
YouTube|NamibiaCam
読売新聞オンライン|日々疲れ果ててしまうのは「感情労働」のせい?
大正製薬|疲労回復の3つの方法!疲れた時はお試しを!
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STUDY HACKER 編集部
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