東大・京大卒も実践「スキマ時間」勉強術をやってみた。大切なのは「○○化と事前準備」

スキマ時間を活用して勉強する女性

「勉強を計画的に進められない」
「目標までに勉強が間に合わなかった経験がある」
「仕事が不規則で、勉強時間をつくれない」
「まとまった時間の確保が難しい」

このようなお悩みがある人には、「スキマ時間」の活用がおすすめです。

本記事では、日常に潜むスキマ時間を可視化し、勉強のため有効に使う方法を、筆者の実践も交えて紹介します。ぜひ最後まで読んで、スキマ時間活用の参考にしてみてください。

ステップ1. スキマ時間を「発見」する

社会人になると、勉強のためにまとまった時間をつくるのは難しいですよね。

「スキマ時間を活用しよう」とよく言われますが、「そんな時間はない」と思う人もいるでしょう。でも、それはスキマ時間に “気づいていないだけ” かもしれません。

パナソニックが行なったスキマ時間に関する意識調査では、「現代人のムダなスキマ時間は1日平均1時間9分」だとわかりました。(カギカッコ内引用元:PR TIMES|現代人のムダなスキマ時間は1日平均1時間9分。 スキマ時間を有意義な時間に変える活用法、5人に1人が「テレビを見る」と回答! スキマ時間を有効活用している人ほど、幸福度が高いことが判明!

この1時間9分が一日のどこに潜んでいるのかを把握できれば、そのスキマ時間を活用して勉強できそうですよね。

東京大学医学部卒で受験アドバイザーの和田秀樹氏も、「1日の中で有効に使われていない隙間時間は、実はかなりあ」り、「その活用は、まず隙間時間を見つけるところから始ま」ると述べています。(カギカッコ内引用元:ZUU online|科学的に脳の力を120%引き出す! 勉強量を増やす2つの方法

そこで筆者は、3日間のスケジュールを書き出し、スキマ時間にピンクのマーカーで印をつけました。

スキマ時間を書き出した実践画像

スキマ時間を書き出してみると、以下のことがわかりました。

  • 徒歩時間もスキマ時間と考えると、思っていた以上にスキマ時間はつくれる
  • 突発的なスキマ時間は予測できない
  • 仕事時間が不規則でも、以下3つのスキマ時間は共通している
    1. 起床後の15〜30分間
    2. 風呂にお湯が入るまでの15分間
    3. 寝る前の1時間

書き出すことで、いままで気づいていなかったスキマ時間や、その発生パターンが明確になりました。今後の学習計画に活かせそうです。また、突発的にスキマ時間が生じたときのための準備も必要なのだとわかりました。

「忙しくてスキマ時間なんてない」と思う人は、まず一日のスケジュールを書き出してみると、新たな発見があるでしょう。

スキマ時間を発見した人の手

ステップ2. スキマ時間で勉強したら「記録」する

スキマ時間を見つけては勉強し、見つけては勉強し……を繰り返したとしても、結局のところどのくらい勉強できたのかは、なかなか把握しにくいもの。まさに筆者もそれが悩みでした。

そこで、取り組んだのが勉強時間のレコーディング(=記録)

参考にしたのは、京都大学に首席合格した経験をもち、教育系事業を手がける実業家の粂原圭太郎氏が高校時代に実践していた「勉強貯金」です。同氏は、「勉強内容と時間を書いていき、時間を貯金の残高に見立てて記録」する方法だと説明しています。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|【勉強貯金】日々の勉強は裏切らない。勉強にのめり込むシンプルな方法

筆者もさっそく、方眼ノートを使って「勉強貯金」をしてみることにしました。勉強内容は、仕事で必要な中医学と解剖学のほか、ずっと後回しにしてきた英語にも挑戦。設けたルールは、以下の通りです。

  • 勉強時間は5分単位
  • 方眼ノートの1マスを5分として、マスを塗りながら記録

こちらが、今回の勉強貯金のフォーマットです。

勉強貯金を記録するフォーマット

そして、5日間記録してみたものがこちらです。

レコーティング×勉強貯金の実践画像

勉強貯金の記録を見ると、スキマ時間を活用しただけなのに意外とたくさん勉強できたことがわかり、達成感が得られました。特に、仕事に直結することもあって、中医学や解剖学に関しては、予想より長く勉強できました。

英語学習があまり進められなかったことは今後の課題ですが、スキマ時間を使ってどのくらいの勉強ができるのかが明確になったことは大きな収穫でした。

このように、勉強貯金はスキマ時間にできる勉強量の把握に役立つものです。勉強計画を立てるための参考になるでしょう。

スキマ時間を確認している人の手

“たった5分” でも「やる気や記憶力アップ」につなげられる

5日間にわたり勉強貯金を実践した結果、以下のような実感が得られました。

  • 勉強量が可視化され、モチベーションが上がった
  • 勉強時間を5分単位で考えるので、勉強へのハードルが下がった
  • テキストなどにふれる回数の増加により、記憶力が向上した

勉強記録をとると「確実に勉強できた」というのが目に見えてわかり、「また明日も頑張ろう!」という気持ちになれました。5分勉強すれば1マス塗れるので、「たった5分でもいいんだ」と勉強へのハードルが下がり、継続もしやすかったです。さらに、自然と一日に何度もテキストや問題に触れることになり、同じ内容を繰り返し学ぶことも増えました。そのおかげか、勉強の記憶が強く残ったのです。

スキマ時間を活用した勉強を実践するビジネスパーソン

スキマ時間をよりよく勉強へ活用するために

スキマ時間を勉強に活用したことで多くのメリットを感じた一方で、以下のような注意点も明確になりました。

  • 欲張りすぎないほうがいい
  • 予測不能なスキマ時間のためには、事前準備が必要

あくまでスキマ時間での学習なので、たくさんやろうと思わないことが継続のコツだと感じます。筆者の場合は、「参考書を一段落だけ読もう」「アプリで問題を一問だけ解こう」というように、「本当に少しでもいいからやってみよう」というスタンスで取り組んだ結果、継続できました。

また、スキマ時間は急に発生することもよくあるもの。そんなとき「何をしよう」と慌てて時間を無駄にしないために、いつでも勉強できる準備を整えておくことも大切だとわかりました。

かつて神奈川トヨタ自動車で働き、トヨタ流仕事術の著書を多く執筆している原マサヒコ氏は、仕事におけるスキマ時間の有効活用法として、「あらかじめ『時間の長さに応じてやることを決めておく』ことが有効」と述べています(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|デキる人は5分の「スキマ時間」をこう使う)。原氏のアドバイスは仕事のためのものですが、勉強にも通じるはず。

以上のことをふまえて、今回筆者が事前準備した内容を紹介します。

  • 参考書や勉強ノートをPDF化し、スマートフォンに保存
  • 間違えた問題を、テスト勉強用アプリに登録

参考書を持ち歩くのもいいですが、うっかり忘れてしまうこともありますから、データ化したほうが確実でしょう。外出先でも勉強できるように、スマートフォンさえあれば勉強できる準備をしておきました。

また、急に発生したスキマ時間の長さにあわせて、勉強方法をパターン化しました。

【10分以上】苦手分野の参考書や勉強ノートをスマートフォンで読む
【5分前後】アプリを使い、間違えた問題を解く

このようにパターン化しておいたおかげで、外出先で突然時間が空いたときでも、そのスキマ時間を無駄にせず、効率よく勉強できましたよ。

ちなみに、アプリを使った勉強は気軽にできるので、疲れて集中力が続かないときにもおすすめです。筆者は、「暗記メーカー」というアプリを使用しています。

***
スキマ時間を可視化して、とことん勉強にあてる方法を紹介しました。

「勉強したいのにできない」とお悩みの人は、ぜひスキマ時間を活用して “勉強貯金” してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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