自宅では勉強に集中できない。ならばどこで勉強に取り組むか?

これは、社会人、学生問わず、勉強しなければならない多くの人の悩みのタネとなっています。Study Hackerでもこれまでにも、勉強に適した場所をいくつか紹介してきました。(Study Hacker|カフェ勉はもう古い? 社会人のための勉強穴場スポット

自宅や自習室以外の勉強場所として定番なのはカフェや図書館ですが、他にも、ファミレス、カラオケやインターネットカフェのような個室など様々な選択肢があり、それぞれに良さがあります。これらの場所がなぜ勉強に適しているのかというと、主に以下の3つの理由が挙げられるでしょう。

・他人の視線があること。
・利用可能な時間帯が決まっていて、制限時間があること。
・冷暖房完備、飲食もできるなど、快適な環境であること。

でも、この3つの条件を兼ね備えた場所で、いつでも勉強できるわけではありませんよね。カフェやファミレスは、お金もかかりますし、閉店時間までしか使えません。図書館は静かで快適ですが、飲食できませんし、夜は早々に閉まってしまいます。

特に、忙しい社会人は、仕事のある平日の昼間に勉強時間を確保するのは難しいでしょうから、やはり夜や休日に、これらの条件を満たした勉強場所が欲しいのではないかと思います。

そうした不満を解消できる方法があります。それは「さぎょいぷ(作業イプ)」というもの。最近流行している勉強法で、実は上記の条件すべてを満たしているだけでなく、掛かる費用も格段に安く済む、画期的な勉強法なのです。

作業+Skype=作業イプ(さぎょいぷ)

「作業イプ」とは、「作業+Skype」の略語。「さぎょいぷ」と言うこともあります。文字通り、お互いが何か作業をしながらSkypeで通話する行為を指し、筆者もよく行っています。

これは元々、イラスト制作などを行うクリエイターの間で始まった文化だと言われています。クリエイターの仕事は、地道に、黙々とやらなければならない作業が多いものですから、1人でやっていると、どうしても途中で集中力が切れてしまいます。そこで、サボりを防止したりやる気を維持したりする目的で作業イプが行われるようになったのだそうです。

以前には、予めTwitterで作業の締め切りを宣言しておき、自らにプレッシャーをかけるというTwitterとの合わせ技を使ったり、作業風景を生放送配信して視聴者に監視させたりする強者までいたといいます。

しかし、次第に「みんなで一緒に作業したらいいのでは?」と考えられるようになり、無料で使えるSkypeで通話をしながら作業するという今のスタイルの作業イプが行われるようになりました。

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作業イプのメリットは、互いを監視し合えること

作業イプは、Skypeの同時通話が許す範囲であれば何人でも参加可能です。

Skype相手に自分の作業について相談しながら作業する人もいれば、相手の話を聞くだけの人もいて、その使い方は様々。

作業イプの発祥こそクリエイターですが、当然勉強に用いることもできます。筆者も、最初は動画編集のお供に作業イプを行っていましたが、今では勉強にも使うようになりました。

自宅で勉強できない人にとって、なぜ自宅という環境が勉強に適さないのか。その最大の理由として、「他人の視線がない」ということが挙げられます。また「制限時間がない」という点もマイナスポイントだと言えます。

しかし作業イプでは、「○時まで作業イプしよう」と予め決めたうえで、Skype相手と一緒に作業に取り組むことができます。制限時間の設定と、他者からの監視。この2つを一度にかなえてくれるのが作業イプなのです。一か所に集まって勉強するのにも似ていますが、時間や場所を問わない点が作業イプの強みといえるでしょう。

もちろん、自宅ですから、空調や飲食物も充実しています。仮に飲食物がなくとも、カフェでコーヒー1杯飲むお金があれば、近くのコンビニで、飲み物はもちろん、糖分補給のお菓子まで買うことができますよね。

(集中力や思考力を高めるためには、糖分補給が大切です。詳しくはこちらの記事で紹介しています:Study Hacker|たいせつな試験のお昼休みはチョコレート。私がお昼にチョコを選ぶ3つの理由。

このように、これまで勉強に適さなかった自宅という環境を、快適な勉強場所に変えることができるのが、作業イプの力なのです。

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作業イプが有効なのは、人間が社会的動物だから

そもそも、誰かに監視されると勉強が捗るのは、人間が社会的な動物だからです。

英・ニューキャッスル大学の行った実験に、次のようなものがあります。コーヒーの無人販売所で人がちゃんとお金を払うかどうかを調べた実験です。ある期間では「人間の目」のシールを、別の期間では「花」のシールを販売所に貼ったところ、前者の時の方が支払われた金額は多かったのだそうです。

つまり、人間は、自分の社会的評価が落ちるのを恐れるため、誰かが見ている場所では「悪さ」や「さぼり」をしにくくなるということ。本物の目でなくとも効果があるのですから、それがSkype相手から向けられる本物のまなざしであれば、尚更効果的になります。作業イプは、社会科学的にも合理的な方法ということですね。

上手な作業イプのためのコツ

作業イプの最大の難関は、その仲間集めです。「勉強をしたい人が、同じ時間に複数人いる」という状況でなければ、作業イプをすることはできません。

何かの試験前であればともかく、普段そういった状況になるかは運次第。ですが、ちょっとした工夫をすることで、簡単に人を集めることができるのです。

その工夫とは、「勉強会」ではなく、「作業会」として人を募ること。

同じ場所に集まって勉強する場合、他のことをしている人がいたら気が散ってしまいますよね。自分は勉強しているのに、隣の人は絵を描いていたら、何となく気になってしまうものです。しかし作業イプでは、他の人の作業自体が間近に見えるわけではありません。ゆえに、勉強したい人だけが集まる必要はないのです。

自宅で行うべき「作業」は多岐にわたります。その日撮った写真をFacebookに上げたり、ブログを書いたり、はたまたデートの計画を立てたり……。そうした作業のお供として人を募れば、簡単に人を集めることができるでしょう。そして彼らが、自分の勉強の監視役となってくれるわけです。

体験してみればわかると思いますが、作業イプの時間の密度はとても濃いものになります。気が付くと3~4時間経っていたなんてことはしょっちゅうです。ぜひ一度、試してみて下さい。

(参考)
Bateson M, et al. (2006), “Cues of being watched enhance cooperation in a real-world setting,” Biology Letters, 22 September 2006, Volume 2, issue 3, pp. 412-414.
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