仕事中にぼーっとしてしまったり、ミスが増えてしまったり。このような集中力が低下した状態に陥ってしまっていると感じたことはありませんか? その原因は、脳の使いすぎかもしれません。今回は、そんな脳の疲労を取るための「集中瞑想」についてお送りしていきます。

なぜ仕事中にミスが増えてしまうのか

ちょっとした物忘れやうっかりミスは誰にでもあることです。しかし、それが続いてしまうと不安になりますし、仕事に支障をきたしまいかねませんよね。かんたんな物忘れ、頭がぼんやりする、言いたいことがまとまらない……。これらのことを、東洋医学のひとつである中医学(中国の医学)では「健忘」と言います。高齢者特有の悩みではなく、若年層にも起こり得ることです。

中医学においては、この若年層の健忘の主な原因は「思慮過度」とされています。簡単に言えば、頭を使いすぎているということです。長時間脳を酷使することで、精神活動や血の循環を司る「心」の働きを低下させると同時に、緊張状態が続くことで胃腸の働きを司る「脾」も停滞させてしまいます。この状態が続くと、記憶や思考、集中力などの能力が落ち、放っておくと精神不安や不眠を招いてしまう可能性もあるのです。

健忘を防ぐには、適度に休憩を取り入れ、脳を使いすぎないようにすることが大切。脳の疲れを解消できれば、物忘れやうっかりミスといったものも減らせるはずなのです。

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脳の疲れを取り除くコツ

では、どうすれば脳の疲れを取り除くことができるのでしょうか。東京大学大学院を修了したあと中医学講師として活躍する何暁霞(ふしょうしゃ)さんによると、以下のような方法がよいそうです。

・胃腸を暖める
「思慮過度」に陥りがちな方は、胃腸の働きが停滞しやすくなっています。冷たいものを飲んだり食べたりして消化しにくい状態になっては、体調まで悪化してしまうもの。温かいものを摂取して消化をよくし、胃腸の働きを停滞させないようにしましょう。

・23時までに寝る
心身を休める睡眠は、疲労を解消する特効薬です。中医学においては、特に23時~1時が一日の活動と静止が交代する時間帯であり、この時間に就寝していることで心身が休まり、一日の切り替えがうまくいくとされています。

・血の巡りをよくする
血の巡りをよくすることで、脳に血液が行き渡り、血液中の栄養が脳に供給されます。血の巡りをよくするには、食事・睡眠面を改善するとともに、深い呼吸を意識することが大切なのだそう。

お風呂に入ったり、暖かいものを意識的に飲んだりして、リラックスすることが脳の疲れを取るには効果的です。また、「呼吸を意識する」ことについては、マインドフルネスの「集中瞑想」も効果が期待できます。

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集中瞑想とは

集中瞑想とは、「呼吸など何かひとつの対象に注意を向けて集中する」というものです。これを行うことで、脳の「デフォルトモードネットワーク」という部分の活動を低下させます。デフォルトモードネットワークとは、頭で何も考えていない状態のときに活動レベルが高まるネットワークのことで、過去の感情や記憶・情報をつなぎ合わせるときに重要な働きをします。ただ、この部分が高まりすぎると、ぼーっとした状態になり、考えがまとまらず集中しにくい状態に陥ってしまいます。

また、集中瞑想を行うと脳の前頭前皮質が活発に活動するようになるのだとか。前頭前皮質は思考や意思決定を担う箇所であるため、集中力や記憶力、意思決定能力の向上と関係があるのではないかと考えられています。

集中瞑想のやり方

では、実際にどのように取り組めばよいのでしょうか。ここからは、集中瞑想をする具体的な方法をお送りしていきます。

1. 何かひとつの対象に注意をむける
2. 対象に意識を向けてゆっくり息を吐いたり吸ったりを繰り返す
3. しばらくして意識が散漫になってきたら、その状況を素直に受け入れ、再びゆっくり対象に意識を戻す

基本はこの動きを繰り返します。意識を向ける対象は、自分の呼吸、雨だれの音や自分の身体の一部など、単調で刺激の少ない対象がおすすめです。

呼吸をする際には、おなかの底から息が出て行くのを意識してみてください。外部からの刺激に気づかないくらい集中するというよりは、リラックスしながら何かひとつのものに意識を向け続けるといった表現の方が近いでしょう。

また、意識が散漫になってきたときには「まずい、だめだ!」と思わず、否定しないで受け入れるようにしましょう。

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この瞑想は、何より継続することが大切です。1日5分からでもかまわないので、自分の続けやすい範囲で取り入れていきましょう。

(参考)
PRESIDENT Online|疲れた脳をデフォルトに戻す「集中瞑想」のやり方
マインドフルネス学会2016|集中瞑想と洞察瞑想の神経基盤
nikkeiWOMENOnline|「物忘れ」「うっかりミス」が多くなったと感じ始めた人へ 中医学的6つの処方箋
NIKKEI STYLE|疲れない脳をつくる 1日1回プチ瞑想のススメ