会話の仕方で "好かれる" 人、"嫌われる" 人。 印象をがらりと変える『会話の技術』

みなさんは、人と会話をするのが好きですか? それとも会話には苦手意識を持っていて、できれば避けたいと考えているでしょうか?

会話が好きでない人の中には、相手に悪い印象を与えているのではないかと心配してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、会話が苦手な人でも相手に好かれる会話の方法についてお伝えしたいと思います。

「会話」の重要性

仕事でもプライベートにおいても、会話は私たちにとって不可欠なものです。会議や取引、営業など相手との関係性がものをいうビジネスの世界では、特に会話によって私たちの印象が左右されると言っても過言ではありません。

会話ができなくとも、外見に気を遣っていれば大丈夫なのではないか、と思う方もいるでしょう。しかし、心理学者である内藤誼人氏によると、心理学では、私たちはよく知らない相手を評価する際にビジュアル(Visual)、ボイス(Voice)、バーバル(Verbal)の「3V」を基準にしているのだそう。確かに、最初に入ってくる情報は視覚によるものですが、会話時の声や言葉の影響も無視することはできませんよね。

例えば、営業先で外見が素敵な人に会ったものの、会話がとてもつまらなかったとしたらどうでしょうか? 相手の印象が上がるどころか、むしろ期待外れだと感じて大きく下がってしまいますよね。逆に、相手に気に入ってもらえるような会話ができる人は、多少外見に気を遣っていなくても印象良く見えるものです。

どんなに外見に気を使っていようと会話をするときに気を抜いていると、あなたの知らない間に自分の印象が下がってしまっているということがあるかもしれませんよ。

人に好かれない会話とはどのようなものか

コラムニストである木村隆志氏は、たとえ話術があっても会話で人に好かれるとは限らない、と伝えています。

例えば、話術に自信のある営業マンがいたとしましょう。その営業マンはいつも真剣な表情を心掛けるようにしており、相手に関心を持ってもらえるよう話題も豊富に持っています。また商品を勧めるときは、相手に断る隙を与えまいと自分が持っている知識をどんどん披露して商品の魅力をアピールするようにし、相手が興味なさそうであっても根気よく通いつめて何度も説明を試みます。

一見、その営業マンは営業先の人に気に入ってもらえそうですよね。しかし、相手から見た営業マンの印象とはかなり異なっているようです。笑顔が少なく、掴みのネタは不謹慎とも受け取られかねず、商品への熱い想いは伝わるものの自社には必要のないものばかり……。

つまり、ただ営業成績を上げたいだけという営業マンの魂胆が見え見えだったのです。自分のことしか考えていない会話では相手に好かれるはずがありませんよね。

契約してもらえるのなら相手に好かれる必要はないと考えるかもしれません。しかし、みなさんは気に入らない営業マンから商品を買いたいと思いますか? もし契約するとしても、今回限りとするのではないでしょうか?

会話で人に好かれるためには、話術よりももっと大切なポイントがあるのです。

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人に好かれる会話の方法

では、私たちはどうすれば人に好かれるような会話をすることができるのでしょうか?

1.相手に話をしてもらう 作家で『人を動かす』の著者であるD・カーネギー氏は、相手の話に関心を持って話を聞くことが大切であると言います。人は注意深く話を聞いてもらうと、自己の重要感が満たされ、話を聞いてくれた相手を信頼するようになるのだそう。

例えば、取引先に新規契約をしてもらいたいときは、何気ない世間話から始めると良いでしょう。「when(いつ)」、「where(どこで)」、「who(誰が・誰と)」、「what(何を)」、「why(なぜ)」、「how(どれくらい・どのように)」という5W1Hを活用してみてください。これらの言葉を用いると話が広がりやすく、相手に関心を持っていることを簡単に伝えることが可能です。

取引先の人との会話で、相手が「旅行に出かけることが多い」と言ったとしましょう。5W1Hに則って話を広げるならば、下記のようになります。 When:「最近はいつ旅行に行かれましたか?」 Where:「どこへ旅行に行かれましたか?」 Who:「誰と一緒に旅行へ行かれましたか?」 What:「旅行先で何が一番印象的でしたか?」 Why:「なぜ旅行先でそれが印象的だったのですか?」 How:「どれくらいの頻度で旅行に行かれるのですか?」

尋問のようになってしまう恐れもありますから、全てを質問する必要はありません。そして、こちらは常に聞き手側でいることを意識してください。会話が弾み、相手との信頼関係を築くことができれば契約をしてもらえる可能性はより高まるでしょう。また、相手の興味に沿った商品やサービスの提案もできるかもしれません。

2.口角を上げる 会話時の表情も重要です。相手の話を真剣に聞こうとするあまり、私たちは無意識に無表情になってしまったり、怒っているような表情をしてしまったりすることがあります。しかし、それでは相手に不安を与えるため、好かれることはできません。

理化学研究所の研究員である上田彩子氏は、相手の言葉を理解して心が動かされるよりも先に、柔らかい表情が相手の心をポジティブに変えると伝えています。そのためには、口角を上げることを意識すれば良いのだそう。そうすれば表情筋が動いて目尻が下がり、相手が安心しやすい顔になりますよ。

怒ったような表情で楽しく会話をすることは難しいもの。無表情のまま明るい声を出すことはできませんよね。柔らかい表情を心掛けるだけで、声も明るくなり、印象を下げずに会話をすることが可能となるでしょう。

*** ぜひ、今回お伝えした方法を試してみてください。きっと、相手から一緒に会話をしていて楽しいと思われる人になることができますよ。

(参考) 内藤誼人著(2012),『人たらしになる会話術』,PHP研究所 東洋経済ONLINE|「話し下手な人」でも無理なく好かれる会話術 PRESIDENT Online|黙っていても嫌われる人・好かれる人 TOWNWORKマガジン|異性にも同性にも好かれる「会話上手な人」。実は、○○が上手 日経Bizアカデミー|好かれるためには 相手に関心を寄せる〜カーネギー著「人を動かす」(2)

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