どんな仕事であっても、金銭に関わるやり取りや責任が生じるのだから厳しいのは当たり前です。でも、どうせ大変なら「やりたいこと」を仕事にしたいですよね。

とはいえ、そのやりたいこと自体が明確ではないというかたも多いはず。その状態で就活や転職を考えているならば、焦りを感じてしまうのではないでしょうか。それに、面接では必ずと言っていいほど“「やりたいこと」について問われます。では、自分がやりたいことは、どうしたら見つかるのでしょう?

今回は、自分のやりたいことを仕事にする方法について考えてみます。

モチベーションはやりたいことか、ありたい姿か

あなたには「やりたい仕事」がありますか? と聞かれたとき、「脳科学者になりたい」「航空・宇宙分野に携わりロケットや人工衛星を飛ばしたい」「IT企業を立ち上げたい」などと即答できるかたは素晴らしいですよね。しかし、例え“やりたいこと”が明確ではなくとも、さほど気にすることはないかもしれません。というのも、私たちには「やりたいこと」タイプと「ありたいすがた」タイプがあるからです。探究・創造型学習塾「ハルキャンパス」代表の森一貴さんは、このように述べています。

「やりたいこと」タイプは、やりたいことが先にある人たちで登山に近いイメージ。このタイプの人は、目標や理想に対して近づいていくことに対して幸せを感じ、自分と「やりたいこと」につながりがあるパターンが多い。対して「ありたいすがた」タイプの人たちは、「自分の幸せはこれ」というふんわりとした価値観を持っている。この価値観がどの程度満たされているかが幸せの基準になる。

(引用元:サイボウズ式|「やりたいこと」がないインターン就活生が、やりたいことを探す話

つまり、「やりたいこと」タイプは幸せになるために「目標や理想」に向かい、「ありたいすがた」タイプは幸せになるために「自分を満たすもの」に向かうということです。

森一貴さんによれば、ほとんどの人は「ありたいすがた」タイプなのだそう。そして「ありたいすがた」タイプの人は、“抽象的な自分の理想の姿”を“具体的な言葉”にすることで、やりたいことを見つけられるといいます。では、そのために何をどうすればよいのでしょうか?

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感情が揺れ動いたときについて分析してみよう

ご自身が「ありたいすがた」タイプだと考えるかたは、まず始めに“過去の自分の体験や行動”を書き出してみましょう。

現在の自分は過去の行動によって形成されています。そのため、過去自分が何を思ってどのような行動をとったのかを考えることで、自分が大切にしている価値観を知ることができるのです。「楽しかったこと」「悲しかった・つらかったこと」「怒りを感じたこと」など、感情ごとに項目分けをします。詳しく書く必要はないので、あまり考え込まず思いついた内容はどんどん書いていってください。

ーーー<例>
○楽しかったこと
・中学時代にあったクラス対抗合唱コンクール
・高校時代の部活動

次に、1つ1つの項目に関して深く掘り下げていきます。例として「部活動」をピックアップします。

ーーー<例>
○どうして高校時代の部活動が楽しかったのか?
・一つの目標に向かって、チームで努力する雰囲気が好きだった
・好成績を達成できたときに気持ちよかった

感情が揺れ動いたときは、深く記憶に刻まれているはずです。さらに深く踏み込んでみましょう。

ーーー<例>
○「好成績を達成できたときに気持ちよかった」について
⇒ 皆で失敗した原因を考え、対策を練って挑んだら好成績を出せた。その瞬間がすごく気持ちよかった。

ここまで行ったら、最後に自分の価値観を具体的なキーワードにまとめます。上の<例>では、「協調」「達成感」「物事への考察」でしょうか。それらのキーワードが、あなたの「ありたいすがた」です。そして、それらをを満たせる仕事が、あなたのやりたい仕事です。

やりたいことを決めるのは自分との「約束」

なんとなくキーワードがしっくりこない、またキーワードを信じきれないなんてことがあるかもしれません。そんなとき大切なのは、自分で納得できるまで考え抜くことです。あなたのやりたいことに正解なんてものは存在しないのです。それが自分にとって、腑に落ちるものかどうかが肝心です。選択に関する研究を続けている哲学者のルース・チャンさんはいいます。

人生で困難な決断を迫られても、どちらを選べばいいのかわからないとパニックを起こす必要はありません。最高の決断なんてないのですから! (中略)

自分の下した困難な決断からわかるのは、自分が何に主体性を持って取り組みたいかということです。そして困難な決断を下していくことで、下した決断の通りの自分になるのです。

(引用元:logmi|人はなぜ二者択一で迷うのか? 人生の難しい決断に関する思い込みとは

つまり、自分が「自分のやりたいことを決める」ということは、自分自身と「やりたいことを頑張る」または「やりたいことに対し従順になる」と約束しているだけのこと。そう考えると、決めることがとても楽になりませんか?

***
自分の価値観がわかり、それを満たす仕事を考えるとき、さまざまな感情が派閥争いをするかもしれません。世間体・充実感・意味・理由・価値など、とにかくいろいろな要素から生まれる迷いです。そんなときは、「手に入れたい職業の肩書き」と「とにかく好きでたまらない趣味」、「ダイエット中の自分には申し分ない有機栽培の野菜をつかったサラダ」と「大好物の肉汁たっぷりなハンバーガー」いずれを選ぶことも同じだと考えてみてください。どれも何かしら自分に“ご褒美”を与えてくれるのは、自分が一番よくわかっているはず。しかし、選んだ先にいるのは「あなたが選んだ自分」なのです。

大いに楽しんで、やりたことについて考えてみてくださいね。

(参考)
サイボウズ式|「やりたいこと」がないインターン就活生が、やりたいことを探す話
Books&Apps|「仕事で成長」を目指す人にだけ、読んでほしい話。
logmi|人はなぜ二者択一で迷うのか? 人生の難しい決断に関する思い込みとは
賢者の就活|【就活】自己分析のやり方はこれで完璧!自己分析を完成するステップ5つ