「意欲的になれる人」の3つの特徴。「新年なのにやる気が出ない」なら○○だけしてみて!

新年にやる気が出なくて悩んでいる女性

みなさんはこの一年をどのように過ごしたいですか?  新年を迎え、新たな希望や目標を抱えてやる気に満ちあふれる人がいる一方、「みんなのようにはやる気が出てこない」と落ち込んでいる人もいるでしょう。

「やる気が出ない自分はダメだ……」と感じるかもしれませんが、それはあなたの性格や能力の問題ではないのです。ちょっとした工夫で、意欲的になることが可能ですよ。

この記事では、新年に「やる気が出る人」と「やる気が出ない人」の違いを探求します。両者の違いの秘密を解き明かし、この一年を前向きに過ごす方法を一緒に考えていきましょう。

違い1.「自己肯定感」が高い

新年早々やる気が出ず、ネガティブな気持ちになっていませんか? 本当は頑張りたいのに、思い通りにいかないと気持ちが萎えてしまいますよね。一方で、やる気に満ちあふれて意欲的に行動できる人がいるのも事実。落ち込んでいる人からすれば、遠い存在にすら思えるでしょう。

そんな両者のあいだには、乗り越えられないほどの大きな差があるわけではありません。あるのは、ちょっとした取り組みによって改善できる “自己肯定感の高さ” の違いです。

こう聞くと、「自分は自己肯定感が低いから、やっぱりダメだ……」とさらに落ち込むかもしれませんが、その必要もないでしょう。というのも、自己肯定感の低さは、その人の性格や能力によるものではないからです。

15,000人以上の目標実現・行動革新をサポートしてきたメンタルコーチの大平信孝氏は、「ものごとがうまくいかない原因の1つは、自己肯定感が低いことにあ」るとしたうえで、「自己肯定感が低いのは、その人の性格が原因ではない。ましてや、その人の能力が劣っているわけでもない」と話します。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「年明け早々やる気がない人」のヤバい思考

自己肯定感が低くなるきっかけは、人それぞれ。筆者の場合、仕事や人間関係でうまくいかないことが重なり、自己肯定感が低くなった経験があります。それまでの失敗やこれからの不安ばかりが思考をめぐり、ますます自己肯定感が低下するという悪循環に……。

その状態を抜け出せたきっかけは、“乗り越えた体験を思い出した” ことでした。自己肯定感が低いと自分の失敗ばかりが頭に浮かびますが、成功体験をひとたび思い出したことで、「あのとき頑張れたのだから、きっと今回も大丈夫」と思えたのです。

大平氏も、「必要なのは、無理に自己肯定感を上げることでは」ないとし、自己肯定感を上げるために「自分の過去の『名場面』を思い出して、紙に書き出していく方法」をすすめています。(カギカッコ内引用元:同上)

悪い記憶はずっと覚えているのに、いい記憶は薄れてしまいがち。大平氏が言うように紙に書き出せば、あとで見直すのにも役立ちそうですね。名場面と言われると構えてしまいますが、以下のようなちょっとした成功体験でもいいでしょう。

  • 作成した資料をほめてもらえた
  • 仕事量が多くて心が折れそうだったけど、なんとか乗りきった

自己肯定感を上げたいときに見直せるよう、筆者も過去の成功体験を書き出してみました。

自己肯定感を上げるために過去の成功体験を紙に書き出す実践画像

(画像は筆者作成)

やる気が出ず落ち込んでいると、つい自分の悪いところにばかり目が行ってしまうもの。ですが、こうして書き出すと自分のいいところにも気づけて、気持ちを切り替えるのに役立つのです。

とはいえ、本当に気持ちが落ち込み、どうしても自分の成功体験を思い出せないときもあるでしょう。精神科医の井上智介氏は、次のように述べています。

成功体験が見当たらなければ、これから積み重ねていきましょう。まず、「1カ月間、上司に明るくあいさつする」など、小さな目標を定めます。家族や友人に伝えておくと、成功率がアップします。

(引用元:プレジデント ウーマン オンライン|「がんばりすぎることは人生のリスク」周囲の評価に振り回されない私になる思考法 ※太字は編集部が施した)

たとえば、次のような小さな目標を設定するのはどうでしょうか。

  • 知識を深めるため、寝る前に5分間の読書を、まずは1週間続ける
  • モチベーションが高まる空間をつくるため、部屋に入るたび、何かひとつ片づけるのを1か月続ける

時間がなくて読書できないと思っていた人が、寝る前の読書を継続して一冊読み終えられれば、達成感を感じられるはず。また、毎日少しずつ掃除をして心地よい空間をつくることができれば、「ほかの部屋もきれいにしよう」と意欲的になれるかもしれません。このように少しずつでも “続ける” 経験を積み重ねると、「もっと続けてみよう」「他のこともやってみよう」と意欲が湧くものです。

井上氏は、「小さな目標を達成するたび、確固たる自信が築かれてい」くとも話します。(カギカッコ内引用元:同上)自己肯定感が低くやる気が出ないのならば、過去の成功体験を書き出してみたり、小さな目標に向かって取り組んでみたりしてはいかがでしょうか。

小さな成功体験を書き出して自己肯定感を上げてやる気を出す人

違い2.「行動力」がある

何にでもすすんで取り組む行動力に満ちあふれた人を見て、「きっとやる気が人一倍あるのだろう。やる気がなかなか出ない自分には、とうていまねできない……」と思っていませんか?

じつは、人はやる気があるから行動するのではなく、行動するからやる気が出るのです。つまり、「行動力」こそが、やる気が出る人と出ない人の違いと言えます。

このことは、脳の仕組みから説明がつきます。

明治大学教授の堀田秀吾氏によれば、「『やる気スイッチ』として知られる脳の側坐核」は、「行動が起こってから、『やる気物質』とも呼ばれる「ドーパミン」という神経伝達物質の分泌を促し始め」るのだそう。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|“勉強の大敵” ストレスを解消する「勉強前・勉強中・勉強後」の最強ルーティン

また、先ほど自己肯定感のベースになるものとして説明した “小さな成功体験” の積み重ねは、小さな目標を設定して実際に “行動” することで得られるものでした。行動した結果として自信がついてくるわけですが、その自信も、ドーパミンの分泌に一役買っています。

前出の井上氏いわく「人は自信があると、『やる気』を促す脳内物質ドーパミンが分泌され」るとのこと。(引用元:前出の「プレジデント ウーマン オンライン」記事)

つまり――行動し成功体験を積み重ねれば、自信がついて、ドーパミンが分泌される。その結果やる気が出る――というわけです。

行動力といっても、大きな行動をする必要はありません。

堀田氏は、「作家の村上春樹さんも、書くことが思い浮かばなくてもとにかく毎日決まった時間に机の前に座るそう」だと述べています(カギカッコ内引用元:前出の「STUDY HACKER」記事)。それをふまえると、やる気を出すための行動は、本当にちょっとした内容でいいのです。

たとえば、以下のような行動をしてみるのはいかがでしょうか。

  • 【勉強へのやる気を出す行動例】まずは机の前に座ってみる
  • 【仕事へのやる気を出す行動例】関係するセミナーがないか調べてみる

ほんの少しの行動だけでかまいません。「あとでやろう」ではなく、「いまやろう」の意識が大切なのです。

少しの行動でやる気が出た人

違い3. 人に「助言」をする

「やる気が出ない。誰か私にやる気が出る方法を教えて……!」と、いまあなたは人からの助言を欲しているかもしれません。ですが、やる気を出すためにやるといいことは、その逆。悩んでいる人の、よき助言者になってみませんか?

「自分自身もやる気が出ず悩んでいるのに、アドバイスなんてできるわけがない」と感じるあなたに、ある研究結果を紹介しましょう。

シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの行動科学教授であるアイレット・フィッシュバック氏が、ミドルスクールの生徒を以下の2グループに分け、両者の行動を比較調査しました。

  1. 「やる気を起こさせるアドバイスを後輩に与えたグループ」
  2.  やる気を起こさせる「アドバイスを教師から受けたグループ」

(参考元およびカギカッコ内引用元:Business Insider Japan|仕事へのモチベーションを高め、2023年を最高の年するためのアドバイス

その結果、「アドバイスを受けた生徒よりも与えた生徒の方が、翌月により多くの時間を宿題に費やしていた」そう。さらに、宿題とは別の領域でも同様の調査を行なったところ、「問題を抱えながらもアドバイスを与えた人」は「より意欲的に行動するようになった」と言います。(カギカッコ内引用元:同上)

もしやる気が出ず悩んでいるならば、同じような悩みをもつ人に助言してみるといいでしょう。

周囲の人に助言するビジネスパーソン

そうはいっても、「やる気が出ずに困っている自分が、いったい何をどうアドバイスすればいいのか?」と思いますよね。その場合は、現時点で自分ができている内容に絞って伝えてみるのはいかがでしょうか。

たとえば、以下のような具合です。

【勉強を習慣化する意欲が出ず悩んでいる人に対して】
 ⇒「自分も同じ悩みをもっていて、〇〇のサイトで情報収集をしているよ」

【難しい仕事に取り組むやる気が出なくて悩んでいる人に対して】
 ⇒「自分が同じような経験をしたときは、〇〇をして対処したよ」

実際に筆者も、同じ分野を勉強している仲間との情報交換をきっかけに、そのとき抱えていた勉強のやる気に関する悩みを解決できた経験があります。

ただ、頼まれていないのにあれこれアドバイスしてしまうと、相手にとって迷惑にもなりかねません。相手との関係性や状況などを見極めるのも大切でしょう。

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やる気が出ずに落ち込んでしまう人は、以上の3つのうち、できそうなところから始めてみてはいかがでしょうか。

あなたの新しい1年がより充実したものとなるよう、この記事がお役に立てれば幸いです。

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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