多すぎても少なすぎてもダメ。文章が劇的にスマートになる「接続詞」の効果的な使い方

なかなか文章がまとまらない。 書き終えた文章を読み直しても、何だか歯切れが悪く感じる。

そういうことで悩んだことはありませんか? 文章を書くというのは簡単なようで、実はそう簡単ではありません。しかし、その文章の読みやすさが内容の印象にまで深く影響を与えてしまうことは、心理学の領域ですでに証明されていることです。

では、どうしたら読みやすく気持ちの良い文章を書くことができるのでしょうか。その鍵を握っているのは、実は「接続詞」なのです。

どうして接続詞が大事なのか

接続詞は、文と文の間をつなぐ接着剤の役割をします。その接続詞にもいろいろな種類があり、原因と結果をつなぐ“順接”の接続詞をはじめ、前後で逆の内容が来る“逆接”の接続詞、列挙や補足説明や話題を変える際に利用する接続詞など、役割も多様です。

それらの接続詞が、文同士をつなぎながら意味を付け加えることで、長い文章でもひとつのまとまった意味を持つことが可能になります。この接続詞の持つ「前後の関係性を明らかにする」という役割が、文章の読みやすさと大きく関係しているのです。

しかし、全ての文と文の間に接続詞があるべきかというとそうではありません。次の文章を見てください。

「文章において接続詞は重要だ。なぜならば、接続詞によって文と文がつながれるからだ。つまり、接続詞は文章の補助線のような役割をする。だからこそ、接続詞を軽視してはいけない」

なんとなく読みにくい文章ではないですか? では、次の文章はどうでしょうか。

「文章において接続詞は重要だ。接続詞によって文と文がつながれるからだ。接続詞は文章の補助線のような役割をする。だからこそ、接続詞を軽視してはいけない」

いくらか読みやすくなったと思います。大事なはずの接続詞を削ることで読みやすくなるのです。

親切すぎるとくどくなる

では、どうして接続詞を削ることで読みやすくなるのでしょうか?

全ての文と文の間に逐一接続詞を入れていると、読者はそれだけ立ち止まり、文同士の意味を考えるように強制されることになります。これが接続詞による「くどさ」の原因です。接続詞を挿入することは前後の文のつながりを分かりやすくする効果がある一方で、それだけ「過剰な親切」になりかねないのです。

読みやすい文章というのはむしろ、接続詞が極力省略された文章になります。接続詞が重要なのではなかったの? と思ってしまいそうですが、そこには接続詞についての最大の誤解が潜んでいます。逆にその問題点を理解できれば、あなたの文章も格段に読みやすくすることができるのです。

接続詞は書くときに使う

接続詞が一番の仕事をするのは、実は「読むとき」ではなく「書くとき」です。

逐一接続詞を挿入することは、前後の文の関係性をはっきりと意識することにつながります。つまり、それをしっかり行えば書いている間に発生しがちな論理の飛躍や、文同士の意味の不整合を未然に防ぐことができるようになるのです。

そうして出来上がった文章は意味の流れが自然に連なっているため、読んでいる側も苦労せずに文意をくみ取ることができます。また、そこから接続詞を取り払っても読みやすい文章を作ることが可能でしょう。

「接続詞を使って書く」「なくても伝わる接続詞を削る」という順序で文章を組み立てることで、読みやすく、かつくどくないスマートな文章を作ることができるのです。

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いくつかは残すのも重要

接続詞の少ない文章はスマートな読み味を作りますが、かといって接続詞を機械的に取り払えば良いということでもありません。上で挙げた文章をもう一度見てみましょう。

「文章において接続詞は重要だ。接続詞によって文と文がつながれるからだ。接続詞は文章の補助線のような役割をする。だからこそ、接続詞を軽視してはいけない」

この文章は接続詞を極力取り払った後のものですが、最後に「だからこそ」という接続詞が残されています。この接続詞は、最後の一文を強調する役目を持っているのです。

前述のとおり、接続詞は読み手を一度立ち止まらせる性質がありますから、ここぞというときに使うことで後ろの文を強調する役割を発揮します。なるべく少ない接続詞でスマートな文を作りながらも重要な部分は接続詞で強調をする、という使い分けを意識すると、スマートなだけではなく要点の分かりやすい良い文章が仕上がりますよ。

*** 文章を良くする技術はたくさんありますが、その中でも接続詞を使いこなすことは重要な位置を占めています。何気なく使っているそれをきちんと見直してみることで、文章スキルもグッと向上しますよ。

(参考) StudyHacker|説得力は自分で生み出すもの。理解のハードルを下げる「処理流暢性」に注目せよ! THE 21 ONLINE|「接続詞」だけで、文章は劇的に上手くなる! 石黒圭(2008),『文章は接続詞で決まる』, 光文社新書 ビジネス思考への転換|「リズム」のある文章を書くには、接続詞を意識する リクナビNEXTジャーナル|「接続詞」を断捨離すると、文章がグンと読みやすくなる!?

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