最近、「Twitterで文章力が伸びる!」という記事を見かけることが多いですが、果たしてどうなのでしょうか。

動画を除けばほぼすべてが文字媒体であるインターネットの普及は私たちに毎日膨大な量の文と触れる機会を生み出しました。また、ブログやSNSの流行、メールの発達により全ての人が単なる読み手から発信者へとシフトしました。ならば当然文章力は向上するはず、というのが最近の記事の根拠なのでしょうが、現状を見渡せばその論調に疑問符が付くのは否めません。

今回は何故ネットで文章力が向上しないか、その理由について考えてみます。

短文・即レスを求めるLINEやメールで文章力は向上しない

TwitterやSNSで自分の考えや体験を文章にし、LINEやメールで自分の感情を相手に伝える。これらの行為は、一見文章力の向上に関係しそうですが、そう上手くはいってはいないのが現実です。それは何故でしょう。原因は便利になりすぎたが故の「短文・即レス」を求める風潮にあるのではないでしょうか。

最近ではどのメッセージアプリも、相手との会話を全表示するトークルーム型のシステムを採用しています。これにより、まるで実際に会話をしているかのようなテンポのよいやりとりが可能になりました。しかし、だからこそどんどん短文になっているのです。だってそうですよね、相手が画面の前で待っていると分かっているのに、何十行も丁寧に書いていることはできないですよね。

簡潔にメッセージを送ろうとすると、主語や助詞を省いたり単語のみになったりします。あるいは、スタンプだけで済ませてしまうことも多々あるでしょう。これでは文章力が向上しないのは当然ですよね。

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スマホの予想変換が語彙力を低下させる

さきほど、LINEやメールアプリでは相手を待たせない為に文の簡略化が起きて文章力が向上しないと言いました。では、TwitterやFacebookなどの相互通信でないSNSではどうでしょうか。こちらは、即レスが求められるLINEなどに比べればまだ、正しい文法を扱うことは出来ます。しかし、語彙力が下がってしまうというマイナスもあります。

なぜなら、パソコンやスマホでは最初の1,2文字を打てば欲しい単語が表示されるため、うろ覚えでもその単語を「知っている」気になってしまうから。人間はより楽な方へと逃げてしまうので予想変換を無視してわざと難しい単語を打ち込もうとはしないでしょう。ひょっとしたら、スマホが対応してなくて変換できない、なんてことも……。

このように、パソコンやスマホの予想変換は便利さゆえに私たちに「考える」という行為を制限して語彙力の低下を招いてしまいます。

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ネットに良質なインプットは期待できない

文章力や語彙力の向上にはインプットも不可欠です。しかし、ネット上で膨大な量の文章に触れていても、それらが良質でなければ意味はありません。SNSや2ちゃんねるなどを除けば、私たちがネットを通じて読む文章はニュースやソーシャルメディアのハウツー的記事がほとんどです。これらが良質なインプットになり得るかというと、いささか疑問符がついてしまいます。

ニュースは情報を正確に早く伝えることを目的としているため、出来る限り簡潔な文章である一方、ソーシャルメディアの記事は読み手に親しみを持ってもらうために会話口調・平易な文章を意識して書かれています。これでは語彙力や言い回しのストックを充実させるためのインプットとはなり得ません。豊かな語彙力や文章力を得るためには、やはり信頼出来る書き手によって書かれた評論や小説、随筆などを読まなければならないでしょう。

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いかがでしょうか。SNSの普及により文章を書いたり読んだりする機会は本当に増えました。しかし、そのことだけで文章力の向上には繋がりません。語彙力を増やそうと思ったら、正しい日本語で書かれた文章をたくさん読み、それらをアウトプットの際に意識的に使うこと。綺麗で正しい文章を書こうと思ったら安易に文法や言葉づかいを簡略化しないこと。

迅速なやり取りが出来る時代だからこそ、それに呑まれずに意識することが肝要なのでしょう。

参考:
PHP研究所|ブログやツイッターの時代だからこそ、問われる文章力
SEO Japan|Twitterを使うと文章力が上がる3つの理由
J-CASTニュース|「LINE世代」はトークも文を書くのも下手 さんま、スタンプや短いメッセージの弊害を警告