皆さんは、自己アピールが上手にできますか?

自己アピールというと、就職活動や入試面接などで行う自己PRをイメージする人が多いかもしれません。しかし、日ごろのビジネスシーンにおいても、適切に自己アピールをしたほうがよい場面があります。

例えば、「ここ数ヶ月頑張って、売り上げを伸ばした」「普通の人よりも短時間で仕事を終わらせることができる」といったような、人より自分のほうがちょっと優れていると思えるポイントがありますよね? このような自慢に値する事柄でも、日本では謙虚が美徳とされる傾向がありますから、なかなかアピールできない人は多いことでしょう。

しかしここで上手にアピールできるかどうかが、自分の強みを周囲に知ってもらえるかどうかの鍵となります。うまい「自慢」は成功に繋がりうるのです。

今回は、上手に自慢をして、自分の価値を最大限アピールする方法を紹介します。

自慢することのメリット

自慢というのは、他人に自分の優れた点を知ってもらう方法の一つです。多摩大学教授の樋口裕一氏は、自慢が発揮する力について次のように述べています。

自慢することによって、自分の力をアピールできる。仕事が与えられる。それをしっかりこなすことで、認められる。つまり、自慢をすることによって、自分の力を認めてもらうことができる。

(引用元:樋口裕一著(2010),『自慢がうまい人ほど成功する』,PHP研究所.)

あなたが何も言わずにいれば、周囲の人はあなたの長所になかなか気づくことはできません。中には、あなたのことを普段から見てくれている人がいて、仕事ぶりを評価してくれることもあるかもしれません。しかし皆、自分の仕事で忙しくしていますから、初めから気づいてもらうことだけを期待するのはやめておいたほうが良いでしょう。

組織の中で、自分が活躍できる仕事をつかむためには、自分が何に優れているのかを周囲に知ってもらわなければなりません。自分の長所をうまくアピールできれば、それだけたくさんのチャンスが回ってくるということ。

例えば、英語の書類を読むのが得意なことを普段からアピールできていれば、英語がかかわるリサーチ業務を任せてもらえるかもしれません。Excel作業に自信があることを周囲に知ってもらえていれば、難しい分析にチャレンジさせてもらえるでしょう。他の人にはできない仕事を、自分に回してもらえれば、あなたにしかない強みとなります。

英語が得意なことも、Excel作業が上手いことも、自分から言わなければ周囲には知ってもらうことはできません。気づいてもらうことだけを待っていては、アピール上手な同僚や後輩に仕事を取られてしまいますよ。

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自慢の基本

このように、適切に自慢することができれば、とても大きなメリットを得られるのですが、自慢の仕方には注意が必要です。あなたが、他人の自慢話を聞かされた時のことを考えてみてください。

自分が忙しい時や仕事で良いパフォーマンスがあげられなくて落ち込んでいる時に、他人の成功話を延々と聞かされたらどうでしょうか。「誰もそんなこと聞きたがってないよ」と思ったり、「だから何?」と突き放してしまいたくなりませんか。

ですから、自慢をする時は、相手に不快な思いをさせないことが重要なのです。そこで、上手な自慢の基本テクニックを押さえておきましょう。

1. 自慢は簡潔に。

長々とした自慢話は好まれません。簡潔に話をまとめることは必要不可欠です。自慢の内容を整理し、1分程度(長くても3分以内)に話し終わるように準備しましょう。調子にのって自慢し続けるなど、厳禁です。

2. 自慢は繰り返さない。

同じ自慢は、同じ人にしてはいけません。同じ話を何度もしてしまえば、相手はめんどうに感じてしまいますし、ましてそれが自慢話だと一層嫌な思いをさせてしまうでしょう。しつこく自慢すると、逆に自分の評価を落とすことになりかねません。同じ人には、同じ自慢は控えましょう。

3. 他人の悪口を言わない。

自慢の中に、他人の悪口を入れないようにしましょう。自分を高く見せるために、他人を低く評価することは避けるべきです。「この仕事、私は10分で終わるのに、Aさんは1時間もかかるんだよ。あんまり時間がかかるからびっくりしたよ」などと発言してしまうと、聞き手はあなたと距離を置きたいと思ってしまうかもしれません。

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自慢より前に、相手を褒める

当たり前ですが、自分の自慢ばかりしていても、相手は何も喜びません。そこで、自分の自慢の前に相手を褒めることをお勧めします。

ただ、あからさまに褒めると、ただのお世辞に聞こえてしまい、相手も素直に受け止めてくれない可能性があります。次のように、質問を投げかけながら上手に褒めてみてみてください。

例えば、最近海外の取引先と関わる仕事が増えてきた、ということをアピールしたいとき。相手が、英語が上手な人であれば、まずは次のように質問してみましょう。

「この間、外国人の来客があって、トイレの場所を聞かれたんです。『入り口の隣です』と言いたかったのですが、『Next to door』としか言えなかったんですよね。どう言えばよかったのでしょうね?」

英語の上手な相手は、おそらく何らかの形で答えてくれると思います。そうしたらすかさず相手を褒めましょう。

「さすがですね。パッと出てくるあたり、本当に羨ましい限りです。そう言えば、うちの上司も〇〇さんは英語がお上手だと言っていました」

そしてその後、本題である自分の自慢につなげてみましょう。

「英語といえば、実は最近、海外の取引先との仕事に参加させてもらえることが多くなりました。私の場合、英語はめっきりダメなので、会議などではアイディアを出す役に回ることが多いんです。いつも結構必死で……でもアイディアを採用されることが多いのは嬉しいですね」

このように、「自分の自慢を始める前に相手を褒める。褒める時はあくまで自然に」ということを心がけてみてください。

よりハイレベルな自慢術

自慢をより相手に受け入れてもらいやすくするために、さらに2つ、ちょっと高度な方法を紹介します。

・ 他人の視点を入れる。

主観的な自己評価だけでは、信ぴょう性に欠けてしまいます。自慢をしたいときは、他人が自分を褒めてくれたシチュエーションを紹介しましょう。「この間作ったチラシ、すごく苦労したのですが、上司のBさんが良くできてるって褒めてくれたんです。何かのチラシを作るとき、もしできることがあったら協力させてくださいね」このように言えば、「チラシ作りが得意」という自慢が自然にできますよね。

・ 面白い話にする。

相手の鼻についてしまいがちな自慢話でも、面白いなあと相手に思わせることができれば、ポジティブに聞いてくれるでしょう。コツは、自慢の中にも、ちょっとした失敗談、苦労談を、おもしろおかしく組み込むことです。これはかなり難しいですが、とっておきの自慢話をしたいときには、頑張って推敲してみるのも良いでしょう。

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このように、上手な自慢にはテクニックや注意点がたくさんあります。今回紹介したことを実践し、うまく自慢するスキルを身につけることができれば、さらっとスマートに自己アピールをすることができるでしょう。ぜひ上手に自慢してたくさんのチャンスを掴んでください。

(参考)
樋口裕一著(2010),『自慢がうまい人ほど成功する』,PHP研究所.
Business Insider|10 Ways To Brag About Yourself Without Sounding Like A Jerk
Psychology Today|Bragging, When Is It OK and When Is It Not OK?