TOEICで高得点を取りたい、資格試験に合格したい、会社において数字で結果を残したい……。
日々高みを目指しているビジネスパーソンの皆さんであれば、誰しもがこういった思いを胸に秘めているのではないでしょうか。

何かを達成したいと考えたら、まずは明確な目標を設定することが肝心。とはいえ、「目標設定なんてうまくできない」「モチベーションが上がらない」などと嘆いている方も多いはず。

そこで今回は、そんなあなたにおすすめの「目標設定の技術」をご紹介します。

目標設定の罠:「結局どうしたいのか」を忘れてしまう

なぜ目標設定をしても結果が出ないのでしょうか。あるいは、どうしてモチベーションが上がらないのでしょうか。それは「結局どうしたいのか」という大切なビジョンを忘れてしまうからです。

例えばあなたが社内の英語の会議についていくために、「TOEICで900点を取る!」という目標を掲げたとしましょう。そしてそのために「1日に問題集を〇ページ進め、英単語を△個覚える」と目標設定を行なったとします。

しかしたいていの場合、このような目標設定の仕方ではうまく行かない場合が多いもの。なぜならば「結局どうしたいのか」というビジョンをつい忘れがちになってしまうからです。

最初に戻って考えてみれば、そもそもの目標は「英語の会議についていくこと」でした。しかし目標を細かく具体的な数値に落としていくうちに、やるべきことが「問題集を1日に〇ページ」「英単語を1日に△個」という “ルーチンタスク” に変わってしまっています。これではモチベーションは上がりませんよね。

学生時代を思い出してみてください。皆さんの中にも、「テスト勉強のためのまとめノートを作ったはいいけれど、結局まとめるだけで終わった」という方がいるのではないでしょうか。これも、目標がルーチンタスクになってしまった例のひとつ。本来のビジョンが「優秀な成績を取る」にもかかわらず、「まとめノートを作る」という小さな目標に落としこんでしまったがゆえに、その後のモチベーションが続かず、肝心の成績に成果が反映されなかったのです。

ではいったいどうしたら、モチベーションの維持にも成果にもつなげられる上手な目標設定を行なえるのでしょうか。ここで筆者が解決の鍵として提案したいのが、あのGoogleでも採用されている「OKR」という手法です。

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OKRとは

ベンチャーキャピタリストである前田ヒロ氏は、OKRについて

「Objective and Key Result(目標と主な結果)」の略で、企業のチームメンバーそれぞれの目標と期待されている結果を明確にし、組織のオペレーションとコミュニケーションを効率化するためのシステム

(引用元:前田ヒロ|OKR (目標と主な結果)

と説明しています。目標(Objective)に対し、最大4つの結果(Key Result)を用意し、一定の期間が終了したら、その達成率を%で評価するのです。

例を挙げてみましょう。例えば「牛丼店の月間利益を四半期で30%増加させる」という目標(Objective)を立てたとします。そうしたら、その目標に対して達成すべき評価(Key Result)を設定するのです。以下のようになるでしょうか。

・来客数を20%増加させる
・業務フローの見直しによるコストカットを行なう
・Web広告の運用

これをチーム間で共有したうえで、それぞれをさらにOKRの形に則って分割していくのです。例えば「Web広告の運用」が広報部の目標(Objective)に割り当てられたとしたら、彼らが達成すべき評価(Key Result)は以下のようになります。

・facebookページフォロワー数を1.5倍にする
・Twitterフォロワー数を2倍にする
・オウンドメディアPVを1.2倍にする

そしてこの中でさらに「SNS担当」「オウンドメディア担当」と細かく分けていき、同様の流れで各々のOKRを詳しく決めていくのです。

このように、ひとつの目標を階層ごとに細分化、数値化し続けていくことで、チーム内で「何をすべきか、目標は何のためにあるのか」がわかりやすくなります。

「KPI」との違いはここにあります。KPI(Key Performance Indicator)はあくまで「達成したい目標に対して最も重要な数値、基準は何か」を明示するもので、集団内での共有を想定していません。もちろん共有はすべきですが、OKRほど単純化されていないこと、また他の目標との関連性がわかりにくいことなどから、「何のためにこの数字を追っているのか」という視点がつい失われがちになってしまうといいます。

そしてこの現象は何もチームや企業だけで起こることではありませんよね。個人の目標設定においても、このOKRを活かして、最上流にある “最も大事な目標” を見失わないようにできないものでしょうか?

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OKRを個人の目標設定に活かす

OKRの強みは「目標をチームで共有する」際に発揮されるものではありますが、個人の目標設定にOKRを活かすことも可能です。

前田ヒロ氏によれば、OKRの運用の際には大きくふたつの注意点があるのだとか。

ひとつめは「目標(Objective)はできる限りハードルの高いものにする」こと。OKRの強みのひとつは結果の定量化ができることです。それなのに、あまりに簡単な目標を掲げたらどうなるでしょうか。いつも達成率が100%になってしまっては、問題点や改善すべきポイントが見えてきません。したがって、全力を出しきって60~70%の達成率になるくらいの高い目標を思いきって設定してしまいましょう。この目標は多少抽象的であってもかまいません。

例:
英語力をネイティブスピーカーレベルにまで上昇させる。

ふたつめは「結果(Key Result)は定量的かつ客観的なものにする」ことです。OKRは%で評価するものなので、定量的かつ客観的に判断できるものを設定しましょう。例えば「英語が上達する」が目標ならば「TOEICで800点獲得する」、「逆立ちができるようになる」が目標ならば「両手を床につけて足を宙に15秒以上止める」など、数値で判断できるものに変えるのです。

例:
1. TOEICリーディングスコア400点以上
2. TOEICリスニングスコア450点以上
3. TOEFL iBT Speaking 25点
4. TOEFL iBT Writing 25点

さらに、これら4つの結果(Key Result)を改めて目標(Objective)に据えたうえで、それぞれを達成するための結果(Key Result)を同じように細かく設定していけば、自分がやるべきことが見えてくるでしょう。

また、ここで設定した目標と結果は、定期的に見返すことも重要です。つまり、それぞれの結果を数値化したうえで、最終的に目指すべき目標の現時点での達成率も算出するのです。今回の例ならば、以下のようになります。

(目標)
英語力をネイティブスピーカーレベルにまで上昇させる。(以下の結果より、達成率79%)

(結果)
1. TOEICリーディングスコア400点以上(達成、100%)
2. TOEICリスニングスコア450点以上(未達成、スコア380点、84%)
3. TOEFL iBT Speaking 25点(未達成、スコア15点、60%)
4. TOEFL iBT Writing 25点(未達成、スコア18点、72%)

この計算を行なうことで、それぞれの細かい目標に固執しすぎるあまり、本来目指すべき大目標を見失ってしまう……、なんてことも起きづらくなります。

***
この「OKR」という手法。上手な目標設定を行なうために、皆さんもぜひ実践してみてくださいね。

(参考)
前田ヒロ|OKR (目標と主な結果)
The fundamentals|“OKRs”
CAREER_HACK|OKRとは? グーグル、Facebookも活用する目標+成果「OKRメソッド」徹底解説!
SlideShare|OKR – Objectives and Key Results
SELECK|Googleも採用!目標管理「OKR」の運用を驚くほど簡単にする「COVE」の使い方