みなさんは、語彙力に自信はありますか?

いざ鍛えようと思っても一朝一夕ではなかなか身につかない語彙力。中高生ならまだしも、大学生やビジネスパーソンにもなってあまりにも語彙力が乏しいのは恥ずかしいですよね。しかし昨今大人の語彙力が低下していると言われているのも事実です。

今回は、そんな「ボキャ貧」を脱する方法をご紹介します。

なぜ「ボキャ貧」が増えたのか

語彙力の低い大人が増えたことの要因の一つがメールの普及だと言われています。そのメールの文章について、明治大学文学部の齋藤孝教授は以下のように話しています。

メールでの言葉遣いというのは、ちょうど書き言葉と話し言葉が混ざったような新しい文体の文章です。純粋な書き言葉と違って、メールというのは話し言葉のような気安さもちょっと含んでいます。

(引用元:東洋経済オンライン|「大人の語彙力」はなぜ急速に失われたのか

このように、メールのやり取りが仕事の中心となってきたことによって、話し言葉で文章を作成することがあまりにも身近になってしまったのです。

また、「語彙力の低下」と聞くと若者が「やばい」だけで会話しているような様子を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、この問題は若者の「やばい」ばかりではないのです。

人と話しているときに「なるほど」、「たしかに」などと脊髄反射的な相槌を打ってはいませんか? 上司に対して「頑張ります」、「精進します」といった定型文のような言葉ばかり使っていませんか? このくらいの「ボキャ貧」であれば、実質的な弊害はないように感じられるかもしれませんが、繰り返すことで「言葉を知らない人」すなわち「知性が乏しい人」の烙印を押されてしまいます。

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あなたの語彙力は大丈夫?

「やばい」や「すごい」といった一定の言葉の繰り返しで会話をしている自覚のある方は言うまでもありませんが、自覚していなくても周りから「語彙力がないな」と思われている可能性もあります。

齋藤教授によると次の3つの項目から語彙力の有無が分かるのだそう。

1. 音で聞いた時に漢字が浮かばない
例えば、「たえがたきをたえ、しのびがたきをしのび、もってばんせいのために、たいへいをひらかんとほっす」といった日本語の文章を聴いた時に頭の中で漢字が変換できるかどうかが判断材料になります。漢字が浮かばないことが多い場合は語彙力に問題がある可能性があるので要注意。ニュースやラジオを聴きながら、脳内で漢字変換できるか試してみてくださいね。

2. 誤用を恐れて同じような言葉しか使わない
意味をなんとなく知っている程度の単語の使い方が不安で使いこなせていない、正しい意味を知らずに誤用した経験が多い方は、自然と使う単語が減っていってしまいます。単語を知らないために、誤用を恐れて必然的に一定の言葉しか使わなくなってしまうのです。

3. 難易度が高い文章に拒否感がある
専門書や哲学書など、明らかに難しそうな言葉で書かれている文章を避けようとするのも語彙力がない人の特徴です。こうした人達は難しい文章を避けることによって、語彙力の低下に拍車をかけてしまっています。

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語彙力を高める方法

では、語彙力を高めるにはどうすればいいでしょうか。
語彙力の向上に繋がる習慣をご紹介します。

1. 自分が頼りがちなワードを意識する
まずは自分がいつもつい多用してしまう単語を認識しましょう。一日に何度も使っていたり、ふいに出てしまう言葉は何か考えてみてください。自分で分からない場合は周りの人に「私の口癖って何だと思う?」と聞いてみてもいいですね。そして多用してしまう単語が分かったら、その単語をNGワードとして封印するよう意識しましょう

例えば何かと多用してしまいがちな「大丈夫です」をNGワードにした場合には、その言葉を具体性のある他の言葉に言い換えることを習慣づけてみてください。「心配ありません」の意味合いなら「問題ございません」。「不要です」の意味合いなら「お気持ちだけ頂きます」といった具合です。なかなか難しいですが、継続することで語彙力が高まっていきます。

2. 感情を冷静に分析してみる
みなさんが怒りの感情を覚えた時につい心の中でぼやいてしまう言葉はなんでしょうか。「ムカつく」や「うざい」、「最悪」などでしょうか。本来、怒りという感情を表す単語はたくさんあります。怒りの原因や種類、強さによって使い分けられるはずの多数の単語が「ムカつく」、「うざい」、「最悪」に集約されてしまっては自分が何に対してどう怒っているのか、輪郭がぼやけてしまいます。

怒りの原因が嫉妬なら「妬ましい」。不愉快な気持ちなら「胸糞が悪い」。機嫌を損ねた程度なら「へそを曲げる」。怒りが強ければ「憤怒」、「激怒」、「激昂」……。このように、自分が抱いた感情に逐一向き合い、自分の感情を正確に表現していてかつ具体性のある単語を探してみてください。感情を冷静に分析することによって、語彙力の向上に加えて感情のコントロールもしやすくなりますよ。

3. SNSを利用する
語彙力の低下の原因の一つだと言われるTwitterなどのSNSを、反対に語彙力向上のために利用してみましょう。Twitterを利用している多くの人は、「疲れた」「上司にムカつく」といったような漫然とした投稿をしているかもしれませんが、140字という字数制限のあるTwitterは語彙力を鍛えるのにぴったりです

例えば、「疲れた」のなら、「朝から急な用事が続き、食事もろくに摂ることができなかった。退勤後の飲み会では上司の愚痴に付き合わされて辟易としたうえ、帰りの電車は混雑していて座ることができなかったために腹立たしい気持ちになってしまった。今日は身体的にも精神的にも疲労が溜まったので帰宅したら熱い湯船に漬かりたい」といったように、文字数と語彙力を目一杯使ってアウトプットすることを習慣づけてみてください。

***
語彙力がないせいで「知性が乏しい」という烙印まで押されてしまわぬよう、語彙力を向上させる習慣を継続して少しずつ「ボキャ貧」を脱していきたいですね。

(参考)
東洋経済オンライン|「大人の語彙力」はなぜ急速に失われたのか
Career Supli|あなたは大丈夫?語彙力が知性を示します
ダ・ヴィンチニュース|「まじ」「やばい」「なるほど」を多用する…語彙力不足の代償とは
朝日新聞デジタル|「ヤバくない?」「まじヤバい」・・・感情の語彙力ありますか?
東洋経済オンライン|池上彰+佐藤優「SNS、最強の使い方」はこれだ