みなさんは、PDCAサイクルを知っていますか?

PDCAとは、それぞれP:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(評価)、A:Action(改善)を表している、物事を円滑に進めるための手法の1つ。多くの企業が取り入れている手法で、これに沿って年次計画を立てていたりしますよね。

しかし、どんなに綿密に計画を立てても物事がその通りに進められない、という経験は少なからずあると思います。実行していくうちに、計画の段階ではわからなかったことが出てきてしまい、臨機応変に対応できず時間を掛けて立てた計画が台無しになってしまうこともしばしば。そこからまた軌道修正するのにも時間がかかってしまいますよね。

現在、そんなPDCAサイクルよりも効果的な新しい手法として「OODA(ウーダ)ループ」が注目されています。

PDCAサイクルによって起こるリスク

1991年の湾岸戦争がきっかけで、PDCAサイクルだけでは不十分ではないか、と言われるようになってきました。

湾岸戦争時のイラクは、最新鋭の兵器など十分な軍事品を持ち、また実戦経験が豊富な兵士もいたのでかなり手強いと予想されていたにも関わらず、米国率いる多国籍軍の勝利に終わりました。これは、イラクが上層部の計画に従うだけの戦い方をしていたため、指揮命令系統の通信網を遮断されたことによって身動きが取れなくなってしまったからです。

東京都立産業技術大学院大学客員教授であり、公認会計士でもある田中靖浩氏はこう言っています。

今、日本が不況から脱出できない大きな問題点は、イラクのように形式的なPDCAにこだわり過ぎていること。PDCA経営が生み出してしまった新たな3つの“過剰”を抱えているからだと私は推測しています。 新たな3つの過剰とは、「計画」「管理」「情報」の過剰です。

(引用元:株式会社 富士通マーケティング|田中靖浩氏講演「20世紀PDCAはもう古い!21世紀型OODA経営への転換」レポート

計画や予算に縛られすぎて目先のチャンスを見過ごしてしまったり、計画が進まなくなった場合に管理を強化してしまうことで現場を萎縮させる原因にもなります。

つまり、円滑に進められると思っていたPDCAサイクルは、かえって物事の進行を滞らせてしまう可能性もあるのです。

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OODAループの必要性

田中氏は、PDCAサイクルよりもまずはOODAループを意識することを勧めています。

OODAとは、O:Observe(観察)、O:Orient(状況判断)、D:Decide(決断)、A:Act(実行)を表し、米国の撃墜王と呼ばれた空軍パイロットのジョン・ボイド氏が提唱した思考法であり、一応計画は立てるものの、それにこだわってはいけないとする考え方です。管理に関しても、具体的に細かく指示するのではなく、最終ゴールのみを示し後は任せるという方針を取るのだそうです。

先の見えない状況に陥ったり、形式的なPDCAサイクルに執着しすぎて本来の目的を見失ったりした場合には、素早く臨機応変に動くことができるOODAループの方が効率的ですよね、

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OODAループを活用する

では、具体的にどのようにOODAループに従えば良いのでしょうか? 身近な例を挙げてみることにしましょう。

ある男性がいます。彼には意中の女性がいて、お付き合いをしたいと考えています。男性は女性とのデートにおいて、何時に待ち合わせをして、夕食にピザが美味しいお店に連れて行くという計画を立てました。当日、女性に昼は何を食べたのか聞くと彼女はイタリアンだと答えました。

PDCAの場合
自分の計画を推し進めて、ピザが美味しいお店へ連れて行きます。しかし、女性からしたら昼夜連続イタリアンを食べることになってしまいます。

OODAの場合
さらに彼女に話を聞くと、少し風邪気味であることが分かりました。そこで夕食を温かい鍋に変更することにしました。女性は、昼とはまた違うもので、なおかつ身体に優しいものが食べられたのです。

このように、自分の計画通りに進めようとするのではなく、まず相手を観察することから始めるのがOODAなのです。そうすることで何か想定外のことが起きた時でも臨機応変に対応ができるでしょう。

***
実行に移す前に計画を見直し変更できるという能力は、現代社会において私たちに必要とされていることですよね。その能力を身に付けるには、PDCAサイクル以上にOODAループに則った考え方をする方が近道ではないでしょうか。

勉強や仕事の場はもちろん、日常生活の中でも完璧な計画を立てることに固執せず、まずは対象を観察することから始めてみると良いかもしれませんよ。

(参考)
株式会社 富士通マーケティング|田中靖浩氏講演「20世紀PDCAはもう古い!21世紀型OODA経営への転換」レポート
電通報|マーケティングはPDCAからOODAへ –シン・ゴジラも倒せる!?米軍最新式マネジメントで「任せて、勝つ」–
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