「無理なく毎日勉強できる仕組み」をつくってみた。大事なのは○○だけに集中すること!

クローズ・リストの超簡略版。日々のリストが並んだ様子。

やることが多すぎて、気持ちに余裕がない日々。勉強したいとは思っているけれど、なかなか始められない・続けられない……。

そんな悩みを抱えるビジネスパーソンの方々に、ある法則を応用した勉強法を紹介します。「これだけやればいい」と気が楽になり、集中力も高まりますよ。詳しく説明しましょう。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

「せっかくなのでやっておこう」と考えるのは危険?

私たち人間には、あらゆる機会を最大限に活かそうとする前向きな気持ちが備わっているのではないでしょうか。そうでなければ、“せっかくなので” という言い回しは存在しないはず。でも、だからこそ、次のようなことが起こってしまいます。

たとえば筆者の身近にいる人物は、1日だけ自由な時間ができたので、今日は絶対に本棚を整理しようと考えたそうです。しかし、せっかくなので一緒にクローゼットの衣類も、写真も整理したいと思い、そのとおり始めてしまったのだとか。

ところが結局はその半分も終えられず、一番やりたかった本棚の整理も中途半端なままになってしまったといいます。この原因は間違いなく、その日のToDoリストを増やしすぎてしまったせいですよね。

誰かの家の本棚

また、筆者の場合は仕事でよくこんなことがあります。

あるテーマについて情報収集
⇒あとからあとから有益な情報が出てくる
せっかくなので、あれもこれも取り入れたい
⇒情報が多くて複雑なので、処理することが山ほどある
⇒時間がかかるうえに作業が困難だ
⇒結果、時間と労力をかけたわりには成果が出なかった……

勉強に関して言えば、まじめで向上心があり、とても忙しいビジネスパーソンが勉強しようとする際には、もっと大変な状況になってしまうかもしれません。

仕事が忙しくて余裕がないなかでも、自分を高めたいという思いが強いだけに、「せっかく勉強するのだから、あれもこれもやっておこう」と考える可能性が高いからです。

しかし、それだとますます気持ちに余裕がなくなってしまいます。勉強を継続できる・できない以前に、身動きできなくなるおそれもあるのではないでしょうか。

大切なのは「本当に今日やるべき?」と自問すること

前項のような状況にならないためには、とにかく冷静になって、「それ、本当に今日やる必要ある?」と自問する習慣をもつべきかもしれません。

ただ、目の前の物事に入り込んでしまうと、冷静になるのが難しいことだってありますよね。そんなときのために、イギリスのビジネスコーチであるマーク・フォースター氏が開発したタスク管理術、マニャーナの法則を参考にすることをおすすめします。

マニャーナの法則は、常に1日ぶんの余裕をもたせること(バッファー・ゾーンを設けると言う)がポイントで、今日新たに生まれた仕事は、翌日に処理することが基本なのだそうです(参考元:ディスカヴァー・トゥエンティワン|携書 明日できる仕事は今日やるな マニャーナの法則[完全版])。

また、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏は、

マニャーナの法則の最大の特徴は「明日でもできることを今日手がけてはいけない」という点にあり、「今日することのハードルを低くする」ことが大きなポイント

(引用元:STUDY HACKER|「優先順位」不要。「なる早」厳禁! 仕事が絶対はかどるタスク管理術「マニャーナの法則」って知ってる?) 

だと説明しています。

そして、マニャーナの法則において最強のマネジメント・ツールとして紹介されているのは、クローズ・リストというものです(前出の「ディスカヴァー・トゥエンティワン」記事参考)。

このクローズ・リストについて理解するには、ToDoリストと比較すると最もわかりやすいかもしれません。なぜならば、両者には以下の違いがあるからです。

  • クローズ・リスト:これらをやると決めたら、もう追加はできないリスト。したがって、こなせば確実にリストは減っていく。
  • オープン・リスト(ToDoリスト):やるべきことが増えるにしたがって、どんどん追加されていくリスト。したがって、やってもやってもリストが減らない場合もある。

フォースター氏がこの法則を開発した背景には、仕事が終わらない原因や成果が出ない原因が、突発の仕事が入り込んでしまうこと、仕事を抱えすぎてしまうことだとする考えがあったようです。

(参考元:PHPオンライン|“残業ばかりの悪循環”を根本から変える7つの原則

これらを受け、筆者はマニャーナの法則の利点を、こうとらえました。

――やることのハードルを下げて確定するので、「今日はこれだけやればいい」と安心でき、迷うことなく実行できるし、集中することもできる。だからこそ、日々のやることを確実にこなしていける――

この法則は、忙しいビジネスパーソンが自分を追い込むことなく勉強するにあたって、大いに役立つに違いありません。

さわやかな笑顔のビジネスパーソン

「今日やるべき勉強にだけ集中する仕組み」をつくってみた

そこで、マニャーナの法則を勉強に応用するべく、まずは以下を心がけることにしました。

  • 日々の勉強を詰め込みすぎない
  • やることを突発的に増やさない
  • 1日にやることのハードルを下げる

そして、いったん決めたら絶対にリストを増やさないことが鉄則の、クローズ・リストの超簡略版をつくってみることにしたのです。

正確にはクローズ・リストというより、“今日ではなく、明日に勉強すること” をメモしてみたといった感じですが……、とにかく、こんな具合です。

クローズ・リストの超簡略版1

そして当日、万が一このメモに書いたこと “以外” のことも行なってしまった場合は、達成の印を入れないルールにしてみました。そうして、勉強の詰め込みすぎを予防したわけです。

クローズ・リストの超簡略版2。完了の印を入れたもの。

普通であれば、たくさん勉強するほどほめられそうなので、ちょっと不思議な感覚です。「いくらなんでも1日のハードルを下げすぎかな?」と思いましたが……

クローズ・リストの超簡略版3。日々のリストが並んだ様子。

これならどんなに忙しくても、予定があっても、毎日着実に、自分を追い込むことなく学びを継続できそうな予感がしました。

充実感も生まれましたし、自分はこうして学んでいけるという、大きな自信にもつながりました。勉強量は増やしたくなったときに、増やせばいいのです。

いま現在、まったく勉強を始められていない、もしくは続けたいのに続かないという忙しいビジネスパーソンにこそ、おすすめしたい方法です。よろしければ、一度お試しくださいね。

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忙しいビジネスパーソンが勉強を習慣化する方法として、マニャーナの法則を応用してみました。精神的にもいい影響がありそうですよ。学びに前向きなみなさまの、いいヒントになれば嬉しいです。

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