イノベーションはPDCAからは生まれない。疑問と課題がドライブする "QPMI" を重視せよ。

斬新なアイデアやハッと驚く企画を生み出す能力は、どこから湧いてくるのでしょうか?

「ひらめきやアイデア創出は、個人の才能によるもの」 「凡人が努力しても生まれない」 そう思い込んでいませんか?

発想が湧かないのは、才能がないからではなく、仕事の進め方に問題があるかもしれませんよ。毎日、上司に言われた仕事を淡々とこなし、PDCAサイクルを回すだけでは、イノベーションは生まれません。

確かにPDCAは大切ですが、革新的なアイデアのためには、それだけでは足りないのです。

そこで、今回ご紹介するのは“QPMIサイクル”。イノベーションを起こす方法を一緒に学んでいきましょう。

そもそもPDCAサイクルって?

数多くのメディアで取り上げられ、有名になった、PDCAサイクル。これは、やるべきことをはっきりさせ、仕事を確実に実行するための方法論です。

Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Act(改善)

この4つは、確かに決まったタスクを処理し、業務の質をあげるのには有効だといえます。しかし、そもそもこのPDCAサイクルは、下記のために考え出されたものなのです。

事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ

(引用:Wikipedia|PDCAサイクル

製造業のライン改善などにおいて、効率性と正確性を極限まで洗練していくプロセスとして提案されたもので、その概念が一般化され、職場にも導入されたのが、みなさんの知る「PDCAサイクル」です。

一般化されたとはいえ、元の性質は変わりません。PDCAを極めることで、生産性は向上するかもしれませんが、新しいアイデアや革新的な企画は生まれないでしょう。

イノベーションを起こすQPMIサイクル

理科研究の魅力を子供たちに伝えるため、理系の「出前授業」を行なう株式会社リバネスの代表である丸幸弘氏は、イノベーションを生むためには「QPMIサイクル」が重要だと語ります。

Q:Question さまざまな事象から「疑問」や「課題」を見いだす P:Passion 課題解決に対する情熱を持ち続ける M:Mission 課題をミッションに発展させ、チームを作って取り組む I:Innovation チームの推進力により新たな価値の創出を目指す

(引用元:東洋経済オンライン|ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方

つまり、1人の人間が感じた問題意識から全てが始まる、というのです。その問題意識への情熱を忘れず、チームメンバーにミッションを掲げる過程で、イノベーションが生まれ、世界を変える力を持つ、と丸幸弘氏は語ります。

中でも大切なのが、パッション(情熱)なんだとか。 その人がやりたいこと、大切にしたいありよう、そこにどれだけの情熱を傾けられるかによって、イノベーションは決まるといいます。

日本の戦後復興期には、あちこちでクエスチョンとパッションが沸き上がり、ミッションを同志的チームで実現しようとする自由な風土がありました。今のようにレギュレーションやコンプライアンスでがんじがらめだと、個人のクエスチョンとパッションを活かせない。社員1人ひとりとじっくり話し合い、クエスチョンとパッションを拾い上げれば、QPMIは勝手に回り始めます。

(引用:あしたのコミュニティラボ|パッション中心に生きる覚悟はあるか?――リバネス丸幸弘さんインタビュー後編

「イノベーションを起こしたい」、「何か革新的なもので世界に影響を与えたい」と、考えるあなたには、パッションの注げるものはありますか?

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問題意識を持ち続けること

丸 幸弘氏の言うQPMIサイクルは、確かに素晴らしいものです。

しかし、一般的な会社に勤め、日常生活を送っている場合には、QPMIサイクルを回し切ることは難しいかもしれません。現状に問題意識を抱けば煙たがられ、情熱的に熱弁をふるえば失笑され、ミッションを掲げることなく、淡々と業務に邁進する日々ではないでしょうか?

では、そんな現状の中で、私たちにできることは何だと思いますか? それは、問題意識を忘れることなく抱き続けることだと考えます。

「あれ、このままでいいんだっけ?」 「この状況、何かおかしくないか?」 このような、仕事や勉強をし、日々を生きるうちに生まれた問題意識=Questionを、忘れずに抱き続けましょう。

丸幸弘氏は、「集団ではなく、個人のクエスチョンとパッションが起点となる」と語っていました。

周囲から煙たがられるかもしれませんが、そこで問題意識を捨ててしまったら、何も変わりません。少しでも違和感を感じ、問題意識を抱いたなら、それを持ち続けましょう。

最初は自分の中でも疑い半分でも、問題意識を持ち続け、考える中で精査され、確かなものに変わるはずです。そのとき、初めてパッションが生まれ、周囲の人にも伝わるでしょう。

*** イノベーションのためのQPMIサイクル。それが回るかどうかは、あなたの手にかかっています。

(参考) 東洋経済オンライン|ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方 あしたのコミュニティラボ|パッション中心に生きる覚悟はあるか?――リバネス丸幸弘さんインタビュー後編 ダイヤモンド・オンライン|部下のモチベーションと営業成績を高める「営業PDCAサイクル」とは? 「稼げるチーム」をつくる!営業マネジャーの教科書

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