みなさんは自分が好きですか? 謙遜を抜きにしても、こう尋ねられて迷わずにうなずける人は、多くはないのではないでしょうか。

平成25年度に行われた、日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査の結果によると、「自分自身に満足している」と答えた若者の割合はアメリカが86.0%、韓国が71.5%であったのに対し日本は過半数を下回る45.8%。「自分には長所がある」と答えた若者の割合はアメリカが93.1%であったのに対し日本は68.9%。日本人の自己肯定感は諸外国に比べて明らかに下回っているのです。かくいう筆者も「自己肯定感が低い」と言われた経験が多々あります。

自己肯定感が低いと思考もネガティブなほうに偏り、様々な弊害が生まれてしまいます。しかし、自己肯定感を上げようとしても実際に何をしたらいいのかなかなか分かりませんよね。今回は、自己肯定感が低いことのデメリットと、自己肯定感の高め方をご紹介します。

自己肯定感、高い? 低い?

みなさんの自己肯定感は高いでしょうか? それとも低いでしょうか? 自己肯定感が低い人に見られることの多い特徴を3つご紹介します。まずは自分の自己肯定感がどれくらいあるのかを知っていきましょう。

1. ささいなことでも傷つきやすい
自己肯定感の低い人は、メールの返信が来なかったり、小さな失敗を犯したりといった些細な出来事で心に傷を負ってしまいやすいのです。また、ただ落ち込みやすいというだけでなく、再び拒絶されたり失敗を繰り返したりすることを恐れ、無気力になって殻に閉じこもってしまう傾向もあります。

2. ポジティブな情報を受け入れられない
人から褒められても「自分は褒められるのに値しない人間だ」「本当はダメな人間なのに」と素直に受け入れられずに拒絶してしまった経験はありませんか? あるいは、遊びや旅行などといった楽しい誘いも「そんな気になれない」と断ってしまうこともあるかもしれませんね。自己肯定感の低さゆえにポジティブな情報が受け入れられなくなってしまうのです。

そしてポジティブな情報を遮断することによってよりいっそう気持ちが塞ぎこみ、さらに自己否定が強くなるという悪循環に陥ってしまいます。

3. 嫌なことを必要以上に我慢する
自己肯定感の低い人は相手に自分の意見を主張できずに我慢してしまう傾向があります。損をする人間関係であっても「自分なんかと付き合ってくれているのだから」と無理に耐えてしまうのです。

心当たりはあったでしょうか。上記が当てはまる人は、自分を過小評価しているかもしれませんよ。

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自己肯定感が低いことのデメリット

自己肯定感が低いといっても、「実力がないのに自信に満ちた人よりもマシじゃないか」なんて思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、自己肯定感が低いことには、様々なデメリットがあるのです。

自己肯定感の低い人は物事を悲観的に捉えやすいため、新しいことに挑戦する際も過剰にリスクを恐れて踏みとどまってしまいがち。新しい企画に誘われても「自分が参加しても役に立てないだろう」と断ってしまったり、新商品のアイディアが思いついても「うまくいくはずがない」と諦めてしまったり……。そうなると、自分が成長できる機会を逃してしまい、余計に自己肯定感が低くなってしまいます。

他にも、「人から褒められた際に純粋に喜べず『何が目的なんだ』と疑心暗鬼になってしまう」、「他人からのアドバイスを批判としか受け取れず敵視してしまう」、「失敗した際に、恐怖心によって責任転嫁をしてしまう」などの傾向もあるのだそう。

つまり、自己肯定感が低いと、チャンスが舞い降りても「うまくいかない」「裏がありそうだ」と尻込みしてしまったり、他人からの忠告を受け入れて建設的な努力をすることができなかったりして、仕事でもプライベートでも悪影響になってしまうのです。さらに言えば、成功への道が遠のいてしまうということになります。

そう考えると、やはり少しずつでも自己肯定感は高めていきたいですよね。では、実際にどうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょうか。次に、自己肯定感を高める方法を2つご紹介します。

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自己肯定感の高め方

・リフレーミングを行う

みなさんは、「NLP(神経言語プログラミング)」をご存知でしょうか。NLPとは言語学者のジョン・グリンダーと心理療法セラピストのリチャード・バンドラーによって提唱された心理療法です。リフレーミングは、NLP用語で出来事の枠組み(フレーム)を変えることを指します。

有名な例としては、「コップに水が半分入っている時に“半分しか入っていない”と捉えるか、“半分も入っている”と捉えるか」というものがあります。喉がカラカラの際に渇きを潤したいというフレームで見れば、半分という量は不十分であり「半分しか入っていない」ことになりますが、水と一緒に錠剤をのみたいというフレームで見れば「半分も入っている」ことになりますよね。

リフレーミングをすることによって、どのような出来事にもプラスの側面があることを理解できるのです。自分にとっての短所だと思う点を紙に書き出し、リフレーミングをして言い換えてみましょう。

例えば、
「のろま」→「落ち着いている 何事にも動じない 人を安心させる」
「意志が弱い」→「臨機応変的だ 誰にでも合わせられる あらゆる場で生きていける」
「短気」→「情熱的だ 意志が強い 感受性が豊か」
のような形です。

自分で思いつかない場合は「〇〇ってポジティブな言葉で言い換えるとどうなる?」と他の人に聞いてみるのも良いでしょう。リフレーミングを活用して、自分の悪い部分ばかりを見るのではなく、良い部分にも着目する考え方を身につけましょう。

・自分に優しくする習慣を作る

自分に厳しすぎる状況では、自己肯定感を高めることはできません。つまり、自分に優しくなることが、自己肯定感を育てる第一歩となるのです。自分に優しくするための具体的なトレーニングをご紹介します。

1. 自分が最近失敗したり恥をかいたりした経験を思い出し、その時の状況やどう感じたかも含めて詳しく紙に書き出してみてください。アバウトなイメージだけで済ませるのではなく、なるべく詳細に書くのが大切です。
例:徹夜で準備したプレゼンの途中で、緊張のあまり頭が真っ白になり、言葉に詰まってしまった。上司には失望され、同僚には軽蔑されたに違いない。企画が失敗したら全て自分のせいだ。自分は何をやってもダメな人間だと思う。

2. その出来事が、自分にとって親しい友人や家族に起こったことだと仮定し、その際に彼/彼女がどのように感じたかを想像して書き出してみます。
例:友人Aちゃんは徹夜で準備したプレゼンの途中、緊張のあまり頭が真っ白になり言葉に詰まってしまった。上司には失望され、同僚には軽蔑されたと思っている。Aちゃんは企画が失敗したら全て自分のせいだ、自分は何をやってもダメな人間だと思っている。

3. 彼/彼女を励ますような手紙を書いてみましょう。
例:緊張して失敗してしまうことは誰にでもあること。上司に失望された、同僚に失望されたなんて思い込みは捨てて、また挑戦すればいいんだよ。失敗してもAちゃんのせいじゃないし、Aちゃんが頑張っていたこともみんな知ってる。軽蔑なんてするわけないよ。

4. 最後にもう一度、自分の失敗経験とその時感じたことについて、なるべく公平かつ客観的に、ネガティブな方向に偏らないように書き出します。
例:徹夜で準備したプレゼンの途中、緊張のあまり頭が真っ白になり、言葉に詰まってしまった。上司や同僚がどう思ったかはわからないが、自分が努力していたことは知ってくれているはずなので、次は絶対に失敗しないよう、より入念に準備して臨もうと思う。

自己肯定感が低い時には、あらゆる事柄をネガティブに受け取ってしまいがちです。例に挙げたように、ミスをしたことが事実であっても、失望された、軽蔑されたといった感情は憶測に過ぎません。自分に優しい言葉をかけ、こうした思い込みを排除するサイクルを一日一回心がけることで、ポジティブな言葉を受け入れやすくなる習慣を作ることができます。

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自己肯定感は高すぎても低すぎてもデメリットが生じます。少しずつ気持ちを安定させ、自分を客観的に見つめられるようになることが大切ですね。

(参考)
東洋経済ONLINE|「心の免疫力」が高い人が実施する地道な習慣
東洋経済ONLINE|「自己肯定感」が低い人に現れる”残念な症状”
Life&Mind|自己肯定感を高める7つの方法−大人が学ぶ自己肯定感とは?
内閣府|特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~
NLP学び方ガイド|リフレーミング
Wikipedia|神経言語プログラミング