良いアイデアが浮かばない時。
企画書がなかなか書き上がらない時。
レポートの締め切りが近づいている時。

私たちは、「もっと頭の回転が速かったらなあ……」と望みます。頭の回転が速い、とは、思考のスピードが速いこと。では思考スピードはどうやったら速めることができるのでしょうか?

実は、意識して「手を動かす」ことが、思考スピードを加速するための鍵となります。

仕事が進まない時、手を止めて、ウンウン唸っているだけではありませんか?
タスクが終わらない、と手を頭の後ろにあててぼーっとしている時間はありませんか?

今回は、あなたの仕事効率を劇的にアップする「手の動かし方」講座です。

「手」は思考のアクセル

夜通し考えた企画の説明資料を作っている時、キーボードを叩く手は非常に早く動いていることでしょう。また、それを役員の目の前で一生懸命プレゼンしている時、あなたの手は、スライドを指さしたり身振り手振りを交えたりしながら激しく動いているはずです。

何かに夢中になる時。
プレッシャーがかかる時。
エンジン全開でパフォーマンスを発揮している時。

このような時、多くの場合「手」も一緒に動いています。

逆に、仕事が停滞している時やアイデアが浮かばない時は、手が止まっています。あってはいけないことですが、仕事をサボっている時に手が一生懸命動いている……なんてことはないですよね。(動いているとしたら、ゲームなど、仕事とはまったく別の目的で動いているのでしょう)

そう、頭の回転やパフォーマンスの状態は、「手」に現れるのです。

確かに、手を止めて「じっくり考える」というフェーズは実際にはありますし、必要な時間であることは否定しません。しかし手を止めて考えたとしても、せいぜい1, 2分ほど考えたところで限界がきて、考えがこんがらがったり思考が止まったりしてしまいがちです。

実は、手を止めて頭の中で考えを巡らせるだけよりも、手を動かしたほうが思考は開けてくるのです。次はそのことを示す脳の仕組みについて説明しましょう。

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「手」に割かれる脳のリソースは非常に大きい

「ペンフィールドのホムンクルス」という図を見たことはあるでしょうか。これは、脳内で感覚を司る「感覚皮質」の面積のうち、体の各部位に割り振られた広さがどのくらいか、をあらわす図です。つまり、このホムンクルスのうち広い部分を占める器官の感覚はより敏感であり、そうでない器官はより鈍感であるとわかります。

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(画像引用元:Wikipedia|体性感覚

手首から指先までが占める脳の面積は、脚一本分と同じくらいだと読み取れますね。この図をみれば、いかに手の感覚が敏感か、ということがわかります。

よく、高齢者向けの「脳トレ」で手を動かす体操が紹介されていますが、これも脳と手が結びついていることによるのかもしれません。

手を動かせば、道が開ける

では、一体どのように手を動かせばいいのでしょうか。

やみくもに動かしても仕方ありません。仕事がはかどらないからといって、脳トレで紹介されているような指の体操をしても仕方ないですよね。

効果的な手の動かし方には、「現状の整理」があります。今自分がどんな問題に直面しているのか、どんな内的・外的要因が潜んでいるのか、整理してみるのです。

人が手を止めてしまうのは「今何をすればいいか」わからない時が多いはずです。だからこそ、途方に暮れてしまった時は現状整理をするのが有効なのです。

しかし、この「現状整理」も、手探りでは意味がありません。

「今何が問題なんだっけ?」→「ああ、そういえば◯◯があったな」→「いや待てよ、▶︎▶︎なんていう要因もあった気がする」→「でも、それだったら◆◆の方が優先順位高いし……」なんて堂々巡りに陥り、また頭を抱え込むことになってしまいかねません。

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ロジックツリーで情報を整理しよう

現状を整理する方法には、紙に箇条書きで書き出したり、付箋に書き付けて分類しながらぺたぺた貼ったりと、やり方はいろいろありますが、今回Study Hackerでは「ロジックツリー」をご紹介します。ロジックツリーは、現状における本質的な問題点をあぶり出すのに有効な方法です。

(1)本当に解決しなければならない課題の絞り込み

「Why?(なぜ?)」を繰り返してより具体的にしていくことで、より本質的な課題をあぶり出します。例えば、「りんごの売り上げ低下」の原因を特定したい時は下図のような形になりますね。

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(2)課題の解決策を列挙する
「How?(どうやって?)」を繰り返してより具体的にすることで、解決のための手法をあぶり出します。抜け漏れなく方法を並べ上げ、代替案を提案する際などに用いられることが多いです。

(引用元:Career Theory|図解と事例でわかるビジネス問題解決フレームワーク20選

ロジックツリーを書くときには「なぜ?」を繰り返すことが求められますから、「何をすべきかわからない」という空白の時間を作らずにすみます。思考の堂々巡りも避けられるはずです。

今回は一例として「ロジックツリー」をご紹介しましたが、現状を把握するためのフレームワークはたくさんあります。「情報整理 フレームワーク」といった具合に検索してみてください。自分の目的や状況にあったフレームワークを見つけられるかもしれません。

***
手を止めじっくり考えることも大切ですが、手を動かして初めて見えくるものって、かなりあるんです。手を止めて考えているだけでは限界があります。まずは手を止めずに動かしてみることが重要なのです。

さて、この記事を読み終わったあと、みなさんは何をしますか?

(参考)
日経ビジネスオンライン|社長叱責「残業が多い理由は手の動きにある!」 
Career Theory|図解と事例でわかるビジネス問題解決フレームワーク20選
Wikipedia|体性感覚