「わかったつもり」になってない? 知識を自分のものにするための3つのステップ

人の話を聞いたり、本を読んだり、講義を受けたりしたとき。よく理解できることもあれば、いまいち理解できないこともありますよね。では、その時はわかったつもりだったのに実はわかっていなかった、という経験はありませんか? 例えば、セミナーに出たあと、セミナーに出なかった人から「どんな内容だった?」と聞かれて、詳しく答えられなかったときなどに、そんな「わかったつもり」状態に陥っていることに気付くことはないでしょうか。

わかったつもりで放置してしまう、というのはとても厄介なこと。わかったつもりという状態は、「わかっていないという事実がわかっていない=わかっていると思い込んでいる」状態なので、それ以上理解しようとしません。そのため、いつまでたっても理解することができないのです。

そこで今回は、わかったつもりを減らすためにはどうすればよいのか、取り組むべき手順を紹介します。今回ご紹介する方法は、わかったつもりを減らして確実に理解できるようになるためだけでなく、全然わからないという状態から抜け出すためにも使うことができます。ぜひ参考にしてみてください。

ステップ1.具体的な言葉に置き換える

小難しく表現されがちな理論は、一般的な言葉が使われることが多いものですよね。そうした表現は、かっこよく見える反面、わかりにくい要因でもあります。

そこでまず、抽象的な言葉を具体的に言い換えてみましょう。

例えば、「人に嫌われれる勇気をもちましょう」という主張について考えてみます。少し哲学的な概念ですね。このままでは何をどうすればよいのかわかりません。そこで、この主張を具体的な行動に置き換えてみましょう。「なんでもかんでも他人に同調しない」「相手が間違っていると思ったらきちんと伝える」「反対されても自分の意見を伝える」といった行動が見えてきます。

このように学んだことを具体的な言葉や行動に置き換えながら、視覚的な情報としても頭の中にイメージしてみることが大事です。視覚的にイメージできるかどうかが、具体的になったかの判断ポイントとなります。文字や言葉として読んだことや聞いたことを、頭の中で写真や動画として思い描いてみましょう。

上手くつながらなかったり、もやもやとして鮮明でなかったりしたところは、理解できていない箇所になります。もう一度考え直してみましょう。わかりにくい内容は、具体例を3つ程度挙げてみると理解が深まってきますよ。

ステップ2.他人に説明してみる

次に、学んだ内容や読んだことなどを何も知らない人に説明するつもりで、口に出したり文章にしたりしましょう。自分自身が本当に理解していないと、他人に教えることはできないはずです。

学んだことをそのまま伝えても、相手には伝わらないことが多いものです。ですから、何も知らない人に説明してあげるためには、ステップ1で自分がつまづいた箇所を思い出してください。自分がつまづいた箇所は、相手もつまづく可能性が高いですし、そういう箇所には具体例を交えながら説明するとよりわかりやすく、かつ説得力のある話になります。

このとき、質問されそうなことを想像しながら、受け答えもしっかり考えてみましょう。独り言でやるだけではなく、実際に説明してみるといいですね。例えば、友人や同僚に、「昨日◎◎という本を読んでね、こういうことが書いてあって……」などと話してみたり、SNSに投稿してみたりしてはいかがでしょうか。

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ステップ3.実践・応用できるか

最後に、学んだ内容を実際に行動に移してみたり、理論を応用できそうなところで使ってみたりましょう。

頭の中で描いただけのときと、実際に行動に移してみたときでは、違ったポイントが見えてくるはずです。実践することの難しさも体感するでしょう。

ステップ1で例を出したように、嫌われる勇気をもって行動しようとしたとします。こうすることがいいとわかっていても、「やっぱり嫌われるのはいやだ」「いい人でいたい」という感情的な要素が邪魔をしてしまうことがあるかもしれません。実際に行動するためには、これらの感情に打ち克つ必要があるのだということがわかります。

では、どうしてこういった感情が生まれてしまうのでしょうか。これは自分自身がまだ半信半疑だからです。嫌われる勇気をもってとった行動は「みんなのためになる」「嫌われるようなことを勇気をもって言ってくれる人は、後で大事な存在だと思われるようになる」「結果的に成長につながる」など、最終的にはプラスになるのだということを心底理解できれば、行動に移せるようになるでしょう。そして、試行錯誤して実際に行動してみたことは、必ず体が覚えてくれます。自分のものとなるのです。

かっこいい理論を眺めているだけでは、理解には到達しません。実際に行動するからこそ理解につながります。「わかったつもり」から脱却することは、すなわち、「わかっているだけ」から一皮むけることにもなるのです。

*** わかったつもりに陥らないための3つのステップを紹介しました。順を追ってトライすれば、確実に内容を理解できるようになります。そして、理解したものを体得することで、自分自身も格段に成長できるはずです。

(参考) 西林克彦(2005),『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』,光文社. 西林克彦(1997),『「わかる」のしくみ―「わかったつもり」からの脱出』,新曜社. human energy & synergy|第13回:「わかったつもり」と「できる」の大きな差 人材開発事業部 前田 知里

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