3人目となるカリスマは、国内における自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏

心と体を健康にすることで、人生はもっと豊になる。ストレスフルなこの時代を幸せに生き抜くための、自律神経が整う『カリスマの言葉』とは……?

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わたしたちの生命活動を、24時間365日支えているのが自律神経です。自律神経は内臓器官のすべてを支え、とくに血管をコントロールしています。たとえば、わたしたちが意識しなくても心臓はしっかりと自律的に動いていますが、それは自律神経のおかげです。

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」で構成されます。わかりやすく車の機能にたとえると、交感神経はアクセル。この働きが優位になると血管が収縮して血圧が上昇し、気分までアグレッシブな状態になります。一方、副交感神経はいうなればブレーキ。この働きが上がると血管が適度にゆるんで血圧が低下し、穏やかなリラックスの状態になります。

自律神経の専門家である医師の小林弘幸さんによると、このふたつの神経が高いレベルで活動しながら、同時にバランスがとれているときに人間の体はもっとも良い状態となるのだそう。そして、そのためには「朝のすごし方」が大切なポイントになります。

【格言】
朝のすごし方で
その日のパフォーマンスが決まる

自律神経のバランスにとって、朝はとても重要な時間帯。なぜなら、朝のすごし方によってつくられた自律神経の状態は長く持続する傾向があり、その日1日のパフォーマンスを左右するからです。

たとえば、朝に余裕をもって起床し、歯磨きや朝食はもとより、ネクタイを締めたり、忘れ物がないかを確認したりするすべての日常の行動を「ゆっくり」行えば、あなたの自律神経は最高の状態で1日をはじめることができます。

逆に、ベッドから飛び起きて、朝食もろくに食べないまま満員電車に飛び乗ったらどうなるでしょうか。交感神経が極端に優位になり、一度乱れた自律神経のバランスは、相当意識した方法を駆使しない限りそのまま戻らず1日中引きずってしまいます。そもそも、意識で制御できないのが自律神経なのですから。

そこで、ぜひいつもより1時間早く起きることを習慣にしてみてください。これだけですべての行為をゆっくりと行う余裕ができ、あなたのパフォーマンスは劇的に向上していきます。もちろん、自律神経が整うと血液がサラサラと全身に流れていき、頭も冴えわたるでしょう。

【プロフィール】
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
1960年、埼玉県に生まれる。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。順天堂大学医学部卒業後、1992年に同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。国内における自律神経研究の第一人者として、アーティスト、プロスポーツ選手、文化人へのコンディショニングやパフォーマンス向上指導を行う。著書には、『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)、『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)、『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(ベストセラーズ)などがある。

Photo◎川しまゆうこ

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毎朝のルーティーンを「ゆっくり」行うだけで、現代人に特有の交感神経が優位になりすぎる状態をやわらげ、自律神経のバランスが整っていきます。そして、そんな朝の状態が1日中続いていくことを思えば、朝こそが1日で最も重要な時間帯といっても過言ではないでしょう。

「早起きは三文の徳」といいますが、自律神経のメカニズムの観点からも理にかなった習慣といえそうです。

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