資料作成。

理想的には、かっこいい資料をサクッと作って、ほかのことに時間を使いたいものですよね。でも現実には、夜遅くまで時間がかかってしまったり、満足に仕上がらないままプレゼン当日を迎えざるをえなかったり、なんてこともあるはず。

そんなときにぜひ使ってほしいのがブランク資料を作るという方法です。ムダを削ぎ、クオリティ最高の資料を効率的に作ることができますよ。今回は、生産性の劇的な向上が期待できる “ブランク資料の作り方” についてご紹介します。

なぜ資料作成が終わらないのか

そもそも、資料作成が延々と続いてしまってなかなか終わらないのはなぜなのでしょうか。多くの場合、資料作成のやり方そのものに原因があります。具体的には、資料作成の手順が悪いがために、生産性が上がらないのです。

資料作成には、大きく分けて3つのステップがあります。

1. 情報を収集する
2. 全体構想を決める
3. 実際に作成し、何度か修正する

皆さんは、何に最も多くの時間を割いていますか。多くの方は往々にして1の情報収集に時間を割いているのではないでしょうか。「情報は多ければ多いほどよいはずだから、とりあえず集めよう!」と。でも、本当にそれでいいのでしょうか。

集めた情報は全てスライドに反映されていますか。とりあえず集めてみたものの結局は使わなかった情報も意外と多いのではないでしょうか。また、作成しているうちに重要な情報の抜けに気づき、再度情報収集に取りかからなければならなかった、なんてこともあるはず。

そう、多くの人の情報収集は、決して効率的とは言えないのです。

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ブランク資料を作ることで情報収集効率化が図れる

そこで “ブランク資料” の出番です。これは簡単に言えば、詳細な情報が書かれていない空の資料であり、最終的なアウトプットの大雑把なイメージを、作業のごく初期段階で完成させてしまうのです。

その結果、先ほどの資料作成の手順は以下のように置き換わります。

1. 全体構想を決める(=ブランク資料の作成、修正)
2. 情報を収集する
3. 実際に作成し、何度か修正する(=ブランク資料に値を埋める)

一見すると理解できないかもしれませんが、これにより、資料を完成させるために最低限必要な情報がわかり、集めるべき情報の量と質を把握できます。その結果、先ほどのように、ゴールが見えないままやみくもに情報を集める必要がなくなるのです。

それ以外のメリットも

情報収集の効率化以外にも、ブランク資料作りには以下の2つのメリットがあります。

1. アウトプットのイメージを早い段階で上司に確認してもらえるため、無駄な作り直しを防げる
2. 完成形が通常よりも早い時期でできているので、修正を存分に行なうことができ、資料のクオリティを上げられる

ブランク資料を作る過程では、「どのようなグラフや図が必要なのか」「そのためにどのようなデータを知っていなければならないのか」を嫌でも考えなくてはいけません。ブランク資料ができた段階で上司に確認を取れば、上司のイメージと乖離したまま作業が進んでしまうことを防げますし、特に新人にとっては、こうした資料を用いて報連相を行なえば、上司をハラハラさせずにも済むのです。

また人間心理として、苦労して集めた情報ほど使いたくなるものですが、そうした情報も見るほうにとって必要がなければ、ただのノイズになってしまいます。しかしブランク資料では、集めるべき必要最低限の情報が事前にわかっているため、無駄な情報を削ぎ落としたスマートな資料を作ることができるのです。

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ブランク資料の作り方

ブランク資料は、はじめに資料の大きな骨組みとして見出しを作り、次に各見出しに対する中見出しを作成します。それが終わったら、中見出しに沿って実際の資料のイメージ図を作成していきましょう。

実際には以下のようなものをイメージしていただければよいかと思います。具体的な数値や情報など、調べなければわからないことは空白でかまいません。

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ちなみに筆者は大学院の研究でもまったく同じことをしています。例えば学会発表ではA0のポスターで結果発表をしなければならないのですが、はじめに手書きでざっと必要なグラフや表を作ってしまいます。本格的な実験を開始する前に得たいアウトプットをイメージすることで、あとはそのグラフや表に取ってきたデータを入れていくだけであるため、とてもスムーズに研究を進めることができるのです。

ただ、ひとつの注意点として、ブランク資料を最初の段階で作ったものに固定化してはいけません。というもの、はじめに作ったブランク資料は、所詮は第一稿です。上司やチームメンバーとディスカッションしているうちに、資料に載せるべき新たな要素が出てくることもありますし、自分で情報収集をしているうちに、別の大事な情報に行きつく可能性もあります。あくまで資料のアウトラインであるということは忘れずに、必要に応じて適宜修正を加えていきましょう。

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大手コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍した伊賀康代氏も、自身の著書『生産性』において、コンサルタントにとってブランク資料は必要不可欠なものになっていると述べています。激務で知られる外資コンサルの知恵である “ブランク資料” の作成、皆さんもぜひ取り入れてみてくださいね。

(参考)
伊賀康代 (2016),『生産性』, ダイヤモンド社.
日経トレンディ, 2017年4月号.
日経ビジネスアソシエ, 2015年12月号.