皆さんは、普段自分が仕事や勉強をした際、どのように振り返りを行っていますか? 事業が成功したのか失敗だったのか、かけたコストに対して成果はどうだったのか、良い成績をとることができたか……。きっと多くの方が「結果」に注視しているのではないでしょうか。もちろん結果を見ることも大切なのですが、それだけでは成長することはできません。

近年、リフレクション力、つまり内省力が非常に重要視されています。なぜなら、これからの社会では用意された答えを見つけるのではなく、自分なりの答えを導き出す必要があるから。そこで今回は、そもそもリフレクション力とはどういうものか、そしてその力を身につけるための方法についてお伝えしていきます。

こんな振り返り方、していませんか?

振り返りが重要であるということは皆さんお分かりかと思います。しかし、間違ったやり方で振り返りをしていると、モチベーションの低下等、逆効果になってしまう可能性があるのです。

例えば、「成功したのか失敗したのか」という観点だけで見ていると、成功した場合にはその時点で満足してしまいます。しかし、なぜ成功したのかを分析しないままでは、次に同じような施策をした場合に成功する確率を上げることはできません。

また、陥りがちなのが犯人探しや責任の押し付け合いです。失敗した原因を探ることは重要ですが、その原因を他者にばかり押し付けていては、チームとしても個人としてもモチベーションが低下してしまい、信頼関係だって崩れてしまいますよね。

このような振り返り方では、せっかく長い時間を割いても大きな効果は得られません。それどころか、かえって悪い方向に進んでしまうことも。失敗も成功も自分やチームの糧にしてこそ、振り返りをする意味があります。そしてそのために重要なのが、「リフレクション力」なのです。

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「リフレクション力」とは?

そもそもリフレクションとは、簡単に言えば過去を振り返って「誇りに感じたこととその理由」「苦労したこと」「次に同じことをやる場合、何を考えるか」の3つを考える、ということです。そしてリフレクション力とは、これらのことを振り返った際により深く掘り下げて、自分の中にある常識やパターンといったものを崩していく力のことを指します。

やること自体は単純であることから、オランダではなんと4歳の子供向けのワークショップがあるのだそう。そうやって日頃からリフレクションする習慣をつけられれば、経験した物事を余すことなく自らの糧にすることができるのです。

実はリフレクション力は世界的にも注目されている能力。経済協力開発機構(OECD)はリフレクションする力について、21世紀を生きる子供たちに身につけさせなければいけないコアな力であると定義しました。

以前はこういった能力は「あったほうがいい」程度だという考え方もありましたが、現代の社会を生き抜いていくためには、もはや必須の能力であると言っても過言ではないでしょう。アメリカのリーダーシップ研究の調査機関であるロミンガー社の調査によると、経営幹部としてリーダーシップを発揮している人たちに「どのような出来事が役に立ったか」について聞いたところ、“70%が経験、20%が上司からの教え、10%が研修”という結果だったのだそう。つまりリフレクションによって経験したことを自らの糧にできるようになるのは、自己の成長にとってとても重要だと言えるのです。

では、実際にリフレクション力を鍛えるにはどうすればいいのでしょうか。次に、具体的なリフレクション力の身につけ方をご紹介します。

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1. 常に目標を設定し、現実とのギャップを考える

単純に起こったことを振り返っても、指標がなくては改善案も考えられませんよね。つまり、リフレクションを行うには、理想が現実に対してどの位置にあるのか、どう改善すれば理想に近づけるのかを知る必要があるのです。そしてそのためには、まずは目標を設定しておかなければいけません。しかし、突然目標を立てようと思っても、無理難題なレベルになってしまったり、低すぎてモチベーションが上がらなかったりすることもあるでしょう。つまり、まずは目標を立てる習慣をつけることが、リフレクション力の向上には必要不可欠なのです。

仕事に取り組み始める前に、必ず目標を設定します。そして仕事が完了した際に、その目標に対して実際はどうだったのかを振り返りましょう。大切なのは、周りの人や環境ではなく自分の行動、考え方に焦点を当てることです。「あの人が約束通りやってくれなかったから」は、「相手に期限を守ってもらうために自分ができたことは何だろう?」といったように、自分ができたことは何か、できなかったことは何かを考えてみてください。

必要以上に批判的になる必要はありません。「できなかった部分」を改善するのも大切ですが、それと同様に「できた部分」にも注目して自分の長所や強みを知っていきましょう。

2. 毎晩、その日の出来事に対して振り返りを行う

General Electric Companyの現CEOであるジェフリー・イメルト氏は、毎晩のリフレクションを習慣にしているのだそう。毎晩行うことで、自分の行動を認める習慣がつき、失敗した際にも落ち込みすぎるのを防げます。

寝る前の少しの時間でもかまいませんので、今日あなたが頑張ったことや誇りに思ったこと、そして失敗してしまったこと、同じ状況に立つことがあったらどう行動するのかを考えてみましょう。

また、振り返りを行う際には、頭の中で考えるのではなく紙に書くのがおすすめ。一人で振り返っていると思考が主観的になりやすいのですが、紙に書くことで客観的に考えられるようになります。また、書くと後に残りますから、しばらくしてから読み返せば、自分の思考の変化等がよく分かるでしょう。

3. 「常識」を疑う

自分が常識だと思っているものやこれまでの概念を崩し、新しい考え方を構築していくことがリフレクションの目的の1つ。普段から常識を疑う習慣があれば、実際にビジネスシーンでもこれまでの定説を覆すようなアイディアを出しやすくなります。

仕事に限った話ではなく、普段家で過ごしている時や何気ない日常の動きなど、様々な場面で常識を疑ってみましょう。

何も考えずとも自然な流れでやっていることがあれば、なぜその方法を選んでいるのかを考えてみてください。例えば通勤ルートや朝の準備をする手順、休日の過ごし方など、プライベートでも様々な「慣れ」が存在しているはず。普段何気なく行っていることに注目し、それが本当に良い選択なのかを疑ってみましょう。そして改善策を考えていくことが、リフレクション力の向上につながります。

また、人と話すのも効果的。自分が当然だと考えていたものが実は周りの人からすると当然ではなかった、というのはよくある話ですよね。休憩時間等に積極的に話しかけ、他者がどのように考えているのかを知るのも、自分の中にある常識を自覚するのに効果的です。

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リフレクション力が身につけば、マネジメント力やリーダーシップを高めることにもつながります。日常的にリフレクションに取り組んでいきましょう。

(参考)
PRESIDENT Online|「リフレクション力」で成功も失敗も糧にする
WORLD CAFE . NET|組織力を飛躍的に高める!リフレクションカード体験&活用ワークショップ
HUMAN VALUE|どのように取り組むのか?
Wikipedia|ジェフリー・イメルト
Googirl|紙とペンですっきり整理! “書くこと”の5つメリット
THINK FUTURE|作られた常識を疑え!自分の判断基準を持つことによる解法