意見やアイディアを求められたとき、「的外れなことを言ってしまった」「思考停止してしまって何も思い浮かばなかった」、そんな経験はありませんか。

思考力や問題解決能力に自信のない方は意外と多いのかもしれません。しかしアイディア発想法である「SCAMPER」というメソッドを使うことで、アイディアを強制的に生み出すことができますよ。

「思考力」は社会人の基本

問題解決方法やアイディアを生み出す「思考力」。ビジネスパーソンにとっては必須の能力であり、仕事をするうえでなくてはならないものです。

人材開発・組織構築コンサルタントである井上健一郎氏は、思考力について「頭の良さということは、ビジネスの世界では思考力が高いということと同義と捉えていい」とし、思考のメカニズムを以下のように述べています。

通常、人は外から得た情報に反応して、発言や行動というアウトプットを決めます。その間、頭の中で情報を加工するわけですが、その加工工程が「思考」にあたるのです。

加工の仕方は、それぞれ人によって千差万別で、厳密に言えば、全く同じ加工の仕方をする人はいません。つまり、人それぞれ加工の仕方の差があるので、思考の差異が生まれていると言えるのです。

(引用元:nikkei BPnet|第10回 仕事の質を高める頭の良さ~「思考力」の2つの種類~

しかし、頭を使って考えるためのプロセスや、思考力を高めるための方法については、ほとんど誰も教えてくれないのではないでしょうか。それゆえ、この思考力を身につけることはとても難しいのです。

そこでお勧めしたいのが、誰でも簡単にできる、アイディア発想トレーニング「SCAMPER」です。

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「SCAMPER」とは?

「SCAMPER」とは、ブレインストーミングの生みの親であるジョン・オズボーンによって提唱された9つのチェックリストを、創造性開発研究家のボブ・エバールが7つに改良したもの。

Substitute(代用品はないか?)、Combine(組み合わせることができるか?)、Adapt(応用することはできるか?)、Modify(修正できるか?)、Put to other uses(ほかに使い道はないか?)、Eliminate(削除できるか?)、Reverse・Rearrange(逆にできないか?・再編成できないか?) の頭文字から成っています。

そして、このチェックリストに課題をぶつけることによって、新しい発想が生まれるとされているのです。

すべての新しいアイディアというのは、既存のものを修正したり、何かをつけ足したりして作りかえられています。新しいアイディアを生み出すためには、まずたくさんの選択肢を展開することが重要です。この「SCAMPER」発想法を使って、多くのアイディアを強制的に生み出していきましょう。

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「SCAMPER」の実践方法

例えば、「新しいカフェの立案」を任されているとします。なるべく多くのアイディアを持ってくるように頼まれたと仮定して、アイディア出しをしてみましょう。

Substitute[代用]他の物に置き換えたらどうか、代わりになにが使えるかなどを考える
アイディア例:「牛丼店のような庶民的なカフェ」「小学校の教室内に作られたカフェ」など
この項目だけでもかなりのアイディアを生むことが可能です。例えば、ある日本企業は「代用」の発想から、結婚式の列席者の代役を派遣するサービスを考え、会社を設立しました。

◆Combine[結合]商品やサービスを他のものと組み合わせられるかを考える
アイディア例:「塾とカフェが一つになった、常住の講師が勉強を教えてくれるカフェ」など
有名な例は「財布と携帯が一つになったおサイフケータイ」や「本屋とカフェが一つになったブックカフェ」などですね。

◆Adapt[応用]既存のアイディアや、類似したサービスを視野に入れて考える
アイディア例:「古民家カフェは既にメジャーだ」「小学校の教室風に作られた居酒屋はある」など

◆Modify[修正]商品やサービスの大きさや形、色などを修正する
アイディア例:「腰をかがめないと入れないような小さなカフェ」「インテリアや食器が全て立方体の形をしている内装」など

◆Put to other uses[転用]他にどのような用途で使用されているのかなど、商品やサービスの本来の用途ではないところに焦点を当てる
アイディア例:「ミーティングや勉強などにカフェを使用する人は多い」「英会話レッスンで使用されることもある」など

◆Eliminate[排除]何か取り除けるものはあるか、取り除いても機能するものはなにかなど、省略や削除の可能なものを考える
アイディア例:「食べ物の提供をなくし、持ち込み可にする」「椅子やテーブルをなくす」など

◆Reverse/Rearrange[逆転/置換]商品やサービスの内容を入れかえたり、配置を変更して考える
アイディア例:「お客様が自分で飲食物を作るカフェ」など

この方法を使うことで、なんと11個もアイディアを出すことができました。「SCAMPER」は質よりも量産に特化したメソッドです。このようにフレームワークを用いることでさくさくテンポよくアイディアを出すことができます。

一つの項目に立ち止まって考え込んでしまうのではなく、思いつかない項目は飛ばし、まずは短時間でとにかく大量のアイディアを書きなぐってみましょう。何度か繰り返すうちに、スピードは上がっていくはずですよ。

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項目をカードに印刷して、グループワークとして数人でワイワイと考えてもいいですね。
トレーニングとしても「SCAMPER」を利用し、思考停止から脱却しましょう。

(参考)
ITmediaエンタープライズ|SCAMPER法――「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法 (1/4)
起業tv|SCAMPER法とは?アイデアを強制的に生み出す発想のスパークプラグを使いこなそう
東洋経済ONLINE|スキルを学ぶ前に、論理的に考える力を磨け
『ひらめきスイッチ大全』,サンクチュアリ出版.
nikkei BPnet|第10回 仕事の質を高める頭の良さ~「思考力」の2つの種類~
ダイヤモンド・オンライン|ウサギをアヒルに変えるには?