「本で読んだ勉強法を試してみたものの、自分に合っていない気がする……」
「人からすすめられた方法で勉強しているが、いまいち結果が出ない……」
その理由は、シンプルに「あなたの性格に合っていないから」かもしれませんよ。
人間の性格タイプを大きく9つに分類する「エニアグラム」という考え方があります。性格や思考の癖が異なれば、適した勉強方法が異なるのも当然。今回はエニアグラムをベースに、ベストセラー『ビリギャル』著者で坪田塾を運営する坪田信貴氏の著書『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』を参考にしながら性格タイプ別のおすすめ勉強法について考えてみました。
【タイプ1】完璧主義者
<性格>
何事も「こうあるべき」という理想を抱き、完璧にそれを達成しようとします。長所は、細かいところまで目が届き、緻密な作業も妥協せず最後まで頑張れること。一方で、計画なしに実行することが苦手で、計画通り進まないとやる気をなくすこともあります。
<アドバイス>
ペースメーカーとなってくれるコーチやメンターをつけるのがおすすめ。先輩や上司など、得たい知識について詳しい人に「指導役になってください」と頼むのです。目標や計画について細かくアドバイスを仰ぎ、実行過程をチェックしてもらえれば万全でしょう。 計画からずれていると感じたら、指導役からフィードバックをもらって微修正を繰り返していきましょう。
【タイプ2】献身家
<性格>
自分よりも人のために行動するのが好きで、人に喜ばれることに強い満足を感じます。相手からの感謝が行動の大きな原動力となりますが、世話を焼きたい気持ちが強すぎておせっかいになることも。
<アドバイス>
面倒見のよいこのタイプは、自分と同じレベルの人とペアを組んで、互いに教え合うのが性に合っているでしょう。他人に教えることで知識が定着しやすくなるというメリットもあります。欲を言えば、同じ献身家タイプとペアを組むのがベスト。すぐ飽きてしまいがちな芸術家タイプ(※後述)や、仕切りたがる統率者タイプ(※後述)とは相性がよくありません。
【タイプ3】達成者
<性格>
競争心や上昇志向が強いという特徴があります。少々ハードなことでも頑張れてしまうエネルギッシュさをもっている反面、成長が実感できないことにコツコツ取り組むのが大の苦手です。
<アドバイス>
短期目標をたくさん設定しましょう。「30分でこの問題をすべて解く」「1時間であと5ページ進める」といった小さなハードルを自分に課し、それをどんどんクリアしていくことで、成長が実感されモチベーションに火がついていきます。ただし目標を高く掲げすぎると、失敗したときの気力に影響するのでご注意を。
【タイプ4】芸術家
<性格>
自分は特別な人間であると自負するタイプです。人とは違う価値観や個性に誇りをもっており、平凡さを嫌います。それゆえ、「みんなと同じ」という状況に価値を見いだすことができません。
<アドバイス>
目標の先にある目的を意識しましょう。ポイントは、自分にしかできないユニークなものにすること。たとえば、「TOEIC900点をとろう」で終わらせるのではなく、「英語力を身につけて海外移住・国際結婚をし、その様子を発信してお金を稼ごう!」といった具合に。非凡な未来をイメージできれば、やる気は続いていきます。
【タイプ5】研究者
<性格>
勉強好きで職人気質です。人からの干渉を受けずに、ひとりでこつこつと好きな分野を極めたいと考えています。論理力・理解力・分析力はハイレベルですが、興味の対象に没頭しすぎて「ほどほど」で止められないのが難点です。
<アドバイス>
必要最低限の勉強に留めておくことを推奨します。時に細かすぎる知識まで覚えようとし、過度な労力を自分に課してしまうからです。資格試験を受けるのならば、合格最低点を調べ、どの程度まで勉強すれば十分なのか把握していくとよいでしょう。
【タイプ6】堅実家
<性格>
ルール通りにこつこつとした作業を積み重ねるのが得意です。安定志向で、予定通り物事が進んでいる状態では心理面も比較的安定しています。その反面、優柔不断でリスクをとるのが苦手。「これも違う」「あれもいまいち」と、方針に悩んでしまうことも。
<アドバイス>
ルールに沿うことを好むので、厳格なルール化がおすすめです。たとえば「◯◯のテキストを使って、英単語の暗記を毎日30分間×1週間続ける」といったルールを定め、1つずつ試していきましょう。その際、行動や結果を記録するようにすれば、より自分に合ったルールへアップデートしていけるでしょう。
【タイプ7】楽天家
<性格>
好奇心旺盛で、好きなこと・新しいことに取り組むことに関しては抜群の集中力を発揮します。一方で、飽きっぽいという一面も。単純作業を延々と続けるのが大の苦手で、正確さや緻密さが求められる作業も不得意としています。
<アドバイス>
何よりも「ワクワクする目標」を立てることが重要です。「◯◯の仕事をすればモテそう」「海外で仕事ができたら楽しそう」などワクワクできたらなんでも結構。やる気を失ったときに自分をモチベートしてくれます。また、つらい勉強を終えたあとのご褒美を用意しておくのもおすすめです。
【タイプ8】統率者
<性格>
リーダー気質です。強い意志と決断力をもっており、人の上に立ってメンバーを束ねる力に秀でています。一方で、下の立場に置かれると「難しい人」になってしまうことも。自分のやり方は自分で決めたいと思っているため、人から何かを強制されるのが苦手です。
<アドバイス>
自らリーダーとなって勉強会を開くのがよいでしょう。学んだ内容をアウトプットする機会もつくれます。あるいは、自分の好きなペースで勉強を進められる映像学習サービスを活用するのも手でしょう。
【タイプ9】調停者
<性格>
協調性が高く、周囲と仲良くやっていくことに心を配る平和主義者です。ガツガツしておらず性格は優しめ。その反面、何をするにしてもまず人に合わせてしまいがち。自分に合っていない指導も我慢して受け入れてしまう傾向があり、「自分はこうしたい」という意思をはっきり伝えるのが苦手です。
<アドバイス>
自分の性格をわかっている “同じ調停者タイプの” コーチやメンターを探しましょう。「合わせようと無理している感覚がない」と自分が感じられる相手が当たりです。素直に「この勉強法は自分に合わないかも……」「本当はこうしたいんだけど……」と言える人を見つけられたら、勉強のストレスは軽減していくでしょう。
***
以上をまとめると、こうなります。
勉強で成果を上げるためにも、自分の性格にぴったりの勉強法を探し出してくださいね。
(参考)
坪田信貴(2018),『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』, PHP研究所.
坪田信貴(2016),『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』, KADOKAWA/アスキー・メディアワークス.
鈴木秀子(2004),『9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』, PHP研究所.
【ライタープロフィール】
SHOICHI
大学院修了後、一般企業に就職。現在は会社を辞め、執筆活動をしている。読書、音楽、YouTubeが好き。