資格試験対策のスペシャリストが提唱。最短合格のための「4つの期間」の過ごし方

鬼頭政人さん「最短合格のための4つの期間の過ごし方」01

資格を取得して仕事に活かそうと思えば、なるべく早く資格試験に合格するに越したことはありません。目指す資格試験合格に向けて、いつ何をどんなふうに勉強すればいいのでしょうか。

お話を聞いたのは、資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」創業者である鬼頭政人(きとう・まさと)さん。資格試験対策のスペシャリストが、自身が提唱する資格試験合格の最短コースを教えてくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

第1クールでは、正答率は3割でいい

オンラインで資格試験対策を提供している私は、以下のような資格試験合格の最短コースを提唱しています。これは、だいたい1年間を、3か月ごとの4つのクールに分けた勉強プランです。

【資格試験合格の最短コース】

鬼頭政人さん「最短合格のための4つの期間の過ごし方」02

ここではスペースが限られていますので、第1〜4クールまでの概要を解説しましょう。

まずは第1クールについて。資格勉強をするには、最初に過去問にあたることが必要不可欠です。過去問を分析して、どんな出題形式でどんな問題が出されるのかを把握しなければ、資格試験合格のためにやるべきことが見えてきません。

過去問を分析したあとは、参考書を読んで問題集にあたります。このときの正答率はよくて3割くらいでしょう。知らないことを勉強するのですから、それも当然のこと。悲観する必要はありません。問題集にあたったあとで再び参考書に戻ると、「ああ、このことに関する問題があったかもな」といったことを感じられるようになります。その感覚が、脳への内容のインプットを助けてくれるでしょう。

この段階では、問題集を解くアウトプットの勉強に比べて、インプットの勉強の割合が大きくなります。やはり、知らないことを勉強するために、どうしても参考書を読む時間が多くなるからです。

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第2クールで身につけるべきは、問題の裏側にある本質的な知識

そして、第2クールから徐々にアウトプットの割合を増やしていきます。アウトプット重視の勉強が、情報を脳に刻み込むインプットを促してくれるからです。

第2クールでは、問題集で間違えた問題を中心に勉強しましょう。問題集での勉強には、大事なコツがあります。少し表現が難しいのですが、「この問題に答えられる」ということではなく、「この問題が問うていることを理解して答えられる」状態を目指さなければなりません。

たとえば、選択問題において「AはBである」という選択肢が「×」だったとします。そこで、「『AはBである』は×なんだな」という理解の仕方はNGです。なぜなら、本番では「AはCである」「AはDである」といった別の選択肢で問われるかもしれないから。そのとき、ただ「『AはBである』は×」のような理解をしていただけでは、そういった応用問題に対応できません。

ですから、ただ「『AはBである』から×」ではなく、「『AはEである』から『AはBである』は×」と理解を深めておくべきなのです。そうすれば、「AはCである」「AはDである」といった問題集にはない選択肢で問われたときにも、きちんと対応できるようになるでしょう。

単純に問題集にある問題を正解できるかどうかではなく、問題の裏側にある本質的な知識を身につけるべきなのです。

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第3クールで特定した苦手ポイントを、第4クールでしっかり潰す

第3クールでは、ひたすら問題集と参考書、過去問を繰り返し勉強していきます。私は、「問題集→参考書→過去問→参考書」というサイクルを、3セット勉強することをおすすめしています。

「そんなにできるの?」と思う人もいるかもしれませんが、安心してください。過去問と問題集の間違えた問題を中心に勉強しますから、1セットを回すために必要な時間もどんどん短縮できます。

そして、この3セットのあいだには、どの問題を何回間違ったのかをしっかりチェックするようにしましょう。3回とも間違った問題は、まさに自分のウィークポイントです。次の第4クールでは、そういった苦手なポイントを中心に勉強しますから、それを取捨選択するための判断基準として、間違った回数をチェックしておかなければなりません。

ただ、第4クールは、苦手なポイントを潰すための勉強のほか、遅れを取り戻すバッファ期間でもあります。勉強に限ったことではありませんが、最初の計画通りに進むことはまれ。第3クールまでのあいだに計画通りに進まなかった部分を勉強しつつ、仕上げとして苦手なポイントを潰していくわけです。

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最初に選んだ参考書と問題集を信じて使い続ける

最後に、この「資格試験合格の最短コース」で勉強をするうえでの注意点をお伝えしておきましょう。

このコースでは、基本的に参考書、問題集各1冊を使うことを前提としています。1年間という限られた時間で合格を目指すため、たくさんの問題集や参考書を使うことはできないからです。

ところが、「この問題集がいいらしい」といった周囲のうわさを耳にしたり、「この参考書には、過去問にあったこの問題についての解説がない」といったことがあったりすると、浮気をしてあれもこれもと手を広げてしまう人も多いのです。

1日に10時間も勉強できる人なら、それでもこなせるかもしれません。しかし、やはり社会人にはそうすることは難しい。ですから、自分が選んだ参考書、問題集を信じて使い続けることが大切です。

もちろん、そうするためには最初の選択が重要。私の場合、過去問を読み込んで出題の傾向を把握したら、書店に行ってそこにあるすべての参考書、問題集に目を通します。そして、必要な内容をなるべく「簡潔に解説してくれている」ものを選んでいるのです。

資格試験では100点をとる必要はなく、たとえば70点といった、合格点にさえ達すればいい。100点をとろうと思えば、それこそあらゆる分野を網羅した分厚い参考書や問題集が必要になるでしょう。そんな参考書や問題集は、勉強時間に上限のある社会人の勉強には不向きのものです。

合格点に達するために必要最低限のことがしっかりと、そして簡潔に解説されている参考書、問題集こそがベストだと言えるでしょう。

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【プロフィール】
鬼頭政人(きとう・まさと)
1981年4月25日生まれ、東京都出身。「資格スクエア」創業者、弁護士。開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文科I類(法学部)に合格。卒業後は慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を支援したい思いから投資ファンドに勤務したのち、2013年に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。『ゼロからわかる電子契約の実務』(中央経済社)、『新・司法試験予備試験に独学合格する方法』(中央経済社)、『「仕事速いね!」と言わせるコツ50』(大和書房)、『超高速暗記術』(大和書房)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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