ひとりで資格勉強する社会人必読。本当に「コスパのいい勉強法」2つのポイント

鬼頭政人さん「本当にコスパのいい勉強法2つのポイント」01

職種にもよりますが、仕事で必要な資格の取得を目指して勉強をしている人は多いことでしょう。ただ、勉強にしっかりと集中できる学生と違い、社会人の場合には働きながら勉強をしなければならないという大きなハードルが立ちはだかります。

資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」創業者である鬼頭政人(きとう・まさと)さんが、社会人の勉強における「コスパ」の観点から、成果を挙げられる勉強法を解説してくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

勉強のパフォーマンス=勉強の質×量

資格勉強におけるコストにもいろいろな観点があると思いますが、私は「時間」こそが社会人にとって最も考慮すべきものだと考えます。社会人の場合は仕事をしながら勉強する必要があり、勉強に充てられる時間が限られているからです。

なるべく時間をかけずに勉強の成果を挙げたいなら、勉強のパフォーマンス=勉強の質×量の図式が成り立つことをまず理解してほしいと思います。

「質」とは「効率」のこと、そして「量」とは勉強を継続することで積み上げていく「時間数」のことです。

さきほど言ったように、社会人の勉強は時間が限られているもの。であれば、勉強のパフォーマンスを上げるには、効率のよいやり方をすることが不可欠です。

とはいえ、やり方がよければ時間が少なくてもいいかというと、そうとも言いきれません。私は「勉強ではやり方が重要なのか、勉強時間が重要なのか」といった質問をよく受けますが、その回答は「両方」になります。

いかに質のいい勉強をしても、勉強時間が1日にわずか1時間で、しかもときどきしか勉強しないのであれば、勉強のパフォーマンスはなかなか上がりません。逆に、1日に10時間も勉強をしたとしても、そのやり方が間違っていたなら勉強のパフォーマンスは上がらないでしょう。

勉強のパフォーマンスを支えるのは、質そして量。まずは、勉強の質を上げていく方法、つまり成果を挙げるために最適な勉強法について解説していきます。

鬼頭政人さん「本当にコスパのいい勉強法2つのポイント」02

 

まず過去問でゴールを確認し、アウトプット重視を心がける

勉強の質を上げるために、資格勉強のスタートでまずやるべきなのは、「過去問を読む」ことです。

「当然じゃないか」と思う人もいるかもしれません。ですが、成果を挙げられない人のなかには、とりあえず書店に行って参考書などを買い、「過去問を読まずにすぐに勉強を始めてしまう」という間違いを犯す人も少なくないのです。それはつまり、目指すべきゴールを認識しないままスタートすることを意味します。言うまでもなく、資格試験合格というゴールにたどり着く確率は、大きく下がってしまうでしょう。

そうではなく、まずはゴールを確認します。過去問を見て、どんな出題形式の問題があるのか、どんな内容を問われるのかといったことを把握するのです。

もうひとつ、成果を挙げられない人が犯しがちな間違いには、「ひたすら参考書を読む」こともあります。これは、過去問を確認した結果、「解けないから参考書を読んで理解しなければ……」という思いによるものです。そういう人は、参考書にたくさん蛍光マーカーを引いて勉強しているつもりになっていますが、実際の理解度はそう高くありません。なぜなら、「ひたすら参考書を読む」のは、インプット重視の勉強法だからです。

インプット重視よりアウトプット重視の勉強法のほうが効率的なことは、脳科学的にはっきりと証明されています。参考書を読んだり講義を聞いたりするのではなく、書いたりしゃべったり問題集を解いたりするほうが、はるかに多くの情報が脳に刻み込まれるのです。

比率としては「インプット:アウトプット=1:3」となるのが最も効率的な勉強法であると私は考えています。ですが、やはり「勉強とは机に向かって本を読むもの」というイメージの強さからか、インプットのほうが多い人がほとんどです。

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ゴールを確認したら、やるべきことを計画に落とし込む

それから、先に触れた「ゴールを認識しないままスタートする」ことから派生するものとして、「勉強計画を細かく立てない」のもよく見られる間違いです。

過去問を読んでいなくてゴールが見えていない人は計画を立てられるわけもありませんが、じつは過去問を読んでゴールが見えているにもかかわらず、計画をきちんと立てられていない人もいます。

こういう人は、やはり参考書を1ページめから読み始めて、「今日はできる限りたくさん勉強する」といった曖昧な目標を掲げがちです。ゴールは見えていても、そこにたどり着くためにやるべきことを計画に落とし込めていないのですから、ゴールにたどり着く確率は下がってしまうでしょう。

過去問を読んで分析したあとにやるべきなのは、勉強計画を立てること。資格勉強なら試験日は決まっています。そして、過去問を確認したなら、合格のために必要な得点も見えているでしょう。そのふたつは変えられるものではなく、いわば既定値です。

それらをベースにして試験日までに合格点をとるため、長期的な計画、中期的な計画、そして短期的な計画を立てていきましょう。机に向かってから、「今日は何をやろうかな?」などと考えるような勉強法では、成果を挙げられるはずもありません。

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「もうちょっとできる」という勉強時間から始める

最後に、勉強の量、つまり勉強時間についてもアドバイスをしましょう。私は、自分ができる範囲の量で、尻上がりになるのがベストだとお伝えしています。

ありがちなのは、「この試験は難しいから1日に5時間は勉強しなきゃ……」のように、最初からたくさん勉強しようとすること。初日は気合いが入っていますから、そうできるでしょう。でも、2、3日も経てば4時間、3時間と減っていき、1週間後には1時間に……となるのもよくあることです。

そうではなく、これまで勉強をあまりしていなかった人なら、ジョギングと同じで最初は体を慣らすことから始めるべきです。「もうちょっとできるかな」と思うくらいの時間を目安にしてみてください。

勉強を習慣化するには、だいたい2、3週間ほどかかります。最初は、毎日勉強をするだけでも大変です。まずは、たとえ30分でも1時間でもいいので、毎日勉強をすることを当たり前の習慣とすることを目標にしてください。

そうして習慣として勉強できる心と体を手に入れ、徐々に勉強時間を増やしていければ、本番前の追い込みの時期には多少の無理をすることもできます。そういう人こそが、資格勉強において成果を挙げられる人なのです。

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【プロフィール】
鬼頭政人(きとう・まさと)
1981年4月25日生まれ、東京都出身。「資格スクエア」創業者、弁護士。開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文科I類(法学部)に合格。卒業後は慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を支援したい思いから投資ファンドに勤務したのち、2013年に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。『ゼロからわかる電子契約の実務』(中央経済社)、『新・司法試験予備試験に独学合格する方法』(中央経済社)、『「仕事速いね!」と言わせるコツ50』(大和書房)、『超高速暗記術』(大和書房)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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