「アイディアマン」は知っている。発想を加速する『4つの基本』

新年度が始まり、会議や新たな企画など、アイディア出しが求められる場面が増えてきますよね。 慣れ親しんだメンバーならともかく、新たな人間関係の中だと、良いアイディアを出そうとしても空回りしてしまうなんて経験、ありませんか?

そもそも、良いアイディアとはどんなものでしょうか? 一般的に「あのアイデア、すごいよね!」と言われるのは、目的に合ったアイディアのうち、他の人が考えもしなかったアイディアのことを指します。

今回は、アイデアを出す論理を分類分けすることで、誰でも簡単に素晴らしいアイデアを提供できる方法をご紹介します。

目的を考える

良いアイデアを出すために一番重要なことは、「何のためにそのアイディアを使うのか」を常に意識することです。アイディア自体は突飛で面白いが、目的に沿っていない例というのもよく見られるからです。

例えば、「新しい案を10個考えるために、次の会議の参加者数を上げたい」という課題があったとします。この課題の最大の目的は、「新しい案を少しでも多く得るために、多くの人を会議に集めること」です。ある人が、それに対する解決策として「会議に参加したらお弁当がもらえる」という案を考えました。果たしてこれは解決策なのでしょうか?

それは、課題の目的と照らし合わせるとよくわかります。今回の一番の目的は、単に会議に人数を集めることではなく、一つでも多くの意見を集めることです。 お弁当を配るという対策では、会議に来ることだけが目当てになってしまい、肝心の「幅広い意見を得る」という目的が達成されません。そのためには、「一番たくさん案を出した人には○○の食事券プレゼント」などの方が良いでしょう。

良い案を出そうと奇をてらう必要はないのです。

アイディアは4つのパターンでできる

さて、具体的に「素晴らしいアイデア」は、どのように生み出したら良いのでしょう。どれほど斬新なアイディアでも、作られる過程に注目するとそれほどバリエーションはありません。イメージとしては、既知の知識を足し算、引き算、掛け算していくようなものです。 4つのパターンを早速見てみましょう。

組み合わせる

一つの要素で完成系を目指すのではなく、要素一つ一つを結合させていく手法です。ポイントは要素の分野が離れていれば離れているほど、より新規性のある案がでるということです。 具体的な例で言うと、社会現象にまでなったパズドラというスマホアプリは、「アプリ」×「RPG」というそれなりに流行していた事柄に対して、さらに「パズル」という新要素をかけたことが大きな注目を集めるきっかけになりました。「アプリ」×「RPG」だけならありふれていて、埋もれてしまったでしょう。

このように、組み合わせる要素によって様々な効果が現れるので、目的に最もあった組み合わせを考えてみてください。

なくす

次は逆に、「既存の仕組みから、何かを大幅に削る」という手法です。より洗練されたものを作るときなどに多く用いられる手法です。例えばiPod shuffleがこの典型です。 スポーツをする人にも携帯しやすい音楽プレーヤーを作るために画面を排し、最小限のコントロールパネルだけを搭載しています。スティーブ・ジョブズがジーンズの一番小さなポケットに忍び込ませた会見では、その斬新なアイディアに世界中が驚嘆しました。

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まねる

他の分野で一定の成果を上げた手法を取り入れることも有効です。例えばラクスル株式会社が行っている低価格印刷の仕組みは、カーシェアリングの仕組みに非常に近い仕組みで成り立っています。ラクスルは

印刷機の非稼働時間で印刷することにより、高品質な印刷物を安価で提供する仕組み

(引用: ラクスル株式会社)

を整備することで、価格の上で圧倒的な優位性を作り出しました。

これは、「使っていない時間に他の人がそれを使える」という点でカーシェアリングの共同利用と同じ仕組みです。このように業界や業種が違ってもヒットのロジックを真似ると、効果が出ることがあります。

変える

最後に、ある程度型が決まったら、少し変えてみるという発想です。変えるものは、構成する材料や大きさなど。例えば電子書籍。

情報を紙に印刷して拡散するという、古くからある方法を大きく切り替えたのが電子書籍です。これは、「文字を読ませる」という基本姿勢は変わらずに、材料を変えたもの。このお陰で、専門書のように厚くて持ち運びに不便な本でも、タブレットに入れておけば苦にすることもなくなりました。普及の様子は、

2013年の紙と電子を合わせた書籍の売上金額は、8787億円。電子書籍の売上金額は936億円なので、書籍全体に占めるシェアは10.7%

(引用: Cnet Japan)

とかなり伸びてきていることが分かります。材料を切り替えるだけで、全く新しい価値や新しい需要まで掘り起こすことができるのです。

*** いかがでしたか。「面白いアイデアを生みたい」と思っても、ゼロからいきなり生み出すのはとてもハードルが高いもの。上で述べた4つのように、基本のアイデアを組み合わせたり分類したり、削ったり形を変えたり、という方法を試してみてください。この基本メソッドが身に付けば、会議での大活躍間違いなしです!

参考文献 ラクスル株式会社|革新的なクラウド型ネット印刷| Cnet Japan|日本は電子書籍の「後進国」なのか?--米国との差を「刊行点数」から推定

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