Googleといえば、世界的に有名な検索エンジンを運営している会社。みなさんも、一度はそのサービスを利用したことがあるでしょう。 しかしながら、2016年現在、Googleが行っている事業は検索エンジンの運営だけではありません。他にも多くの事業を展開しているのです。例えば、アンドロイドのスマートフォンであったり、You tubeであったり、最近ではウェアラブル端末まで扱っています。
そんな同社は、2014年第1四半期だけで、154.4億ドル(日本円で1兆5千億円)もの売り上げを得ています。十分な利益に安住せず、失敗のリスクがある新規事業に次々とチャレンジする、そのGoogleマインドとは。
好奇心の赴くままにやってみる
Googleがさまざまなことに挑戦しているのは、好奇心を働かせて多くの分野に挑戦したほうが、チャンスをつかみやすいことを知っているからです。Googleの創業者であるラリー・ペイジ氏は、このことを強く意識し、母校での卒業スピーチで次のように述べました。
常にわくわくすることに取り組むことが、世界を変えることに繋がります。(中略)クレイジーに自分の探究心のまま好きなことを追いかけ、わくわくしながら、今の自分よりもっとよくなろうと努めて下さい。夢をあきらめないで。世界が皆さんを待っています。
(引用元:logmi|「夢が非現実的であるほど、ライバルは減る」|Google創業者による”クレイジーな生き方”のススメ)
わくわくすることに取り組むことと、成功とのつながりは、「計画された偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)」によって説明されています。 この理論は、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって考案されたもの。「個人のキャリアの8割は、予想できない偶発的なことによって決まる」とし、偶然を計画的に作り上げようという考え方です。そのため、この理論では、数多くの物事に積極的にかかわることが重要視されています。
好奇心があれば、様々なことに取り組みますよね。その時にできたつながりが、いつかチャンスを呼び寄せるのです。
☆キャリア形成は偶然の産物? キャリアプランはムダ? キャリアの8割は「偶然」形成される。
奇想天外なアイデアにこそチャンスがある
一見すると、手当たり次第のようにも見える同社の挑戦。いくら多くのことに挑戦することが成功につながるとはいえ、無謀に見えるアイデアもあります。例えば、宇宙と地球をつなぐ軌道エレベーターやテレポーテーションなどです。 奇想天外なこれらのアイデアに、なぜ彼らは挑戦するのでしょうか?
この理由について、ラリー・ペイジ氏は次のように述べています。
「不可能なことなどない」をモットーに問題に対して新しいアプローチを取り続ければ、全く新しい解決策が生まれるのです。ものすごく大きい、バカみたいな夢を見ることは成功するためのキーだと思います。バカなことを言っている、と思うでしょう? 夢が非現実的であればあるほど、競争者がいなくなる。
(引用元:同上)
私たちはできそうにないこと、無謀なことに対して無意識にも意識的にもブレーキを踏んでしまいます。危険を回避するためには、あたりまえの行動です。ですが、たまには無謀と思える目標に、本気で挑戦してみてはいかがでしょう。もしかしたら、あなたがその分野の開拓者になれるかもしれませんよ。
大切なのは自分の成長
前人未到の領域にチャレンジし、イノベーションを大切にするGoogleは、意外にも他者との競争に勝つことをほとんど考えていません。「よい製品を作れば、自然に口コミで広がっていく」と考え、自分たちの技術の質を向上させることだけに集中しているのです。
ラリー・ペイジ氏は、自分の考えを次のように語っています。
毎日会社に来てやることといえば、自分とほぼ同じようなことをしている同業のライバルの頭をどうやったら思い切りひっぱたけるかなどと考えるだけの仕事のどこが面白いのだろう? そんなことをしているからほとんどの会社は次第に衰退していくことになるのだ。
(引用元:TechCrunch Japan|Googleの精神―ラリー・ペイジ、「競争なんてくだらない。イノベーションこそすべて」と吼える)
自ら持っている能力で、技術的限界と勝負する。その先にある技術革新によって結果的に顧客を得るのであって、相手を引きずり落とすような真似はもってのほか。このような真摯な態度があるからこそ、成功をつかむことができたのです。
*** 「学歴コンプレックス」、「意識高い系」といった言葉が存在するなど、私たちは相手の地位を下げることで他者との差を認識し、自分が優越感に浸りたがるもの。しかしながら、相手との差にそこまで大きな意味はありません。比較対象を変えてしまえば、あなたの価値もそれに応じて変わります。
大切なのは、自分が成長できているのかどうかなのです。昨日の自分よりも、今日の自分のほうがよくなるように、自己研鑚を続けることが成功への近道なのですね。
(参考) All About|計画的偶発性(プランドハップンスタンス)理論とは? Leading&Co.|グーグル創業者「質で勝負できないなら、そもそも勝つべきじゃない。悪事を働かなくてもお金は稼げるんだ。」 logmi|「夢が非現実的であるほど、ライバルは減る」 Google創業者による”クレイジーな生き方”のススメ TechCrunch Japan|Googleの精神―ラリー・ペイジ、「競争なんてくだらない。イノベーションこそすべて」と吼える