説明は "図" に頼るべし! 視覚効果で理解度は大きくアップする。

「すみません、もう一度説明してもらえますか?」

職場の後輩に対して仕事の内容を一生懸命説明したあとにこの言葉を言われると、少しつらくなってしまいますよね。初めからもう一度説明するのも大変ですし、特にこちらが忙しいときには「ちゃんと理解してよ」と文句のひとつでも言いたくなってしまうはず。

しかしながら、説明を聞く側に悪気があったわけではありません。むしろ、こちらがちょっとした工夫をするだけで、格段に伝わりやすい説明ができていたかもしれませんよ。

今回は、1回で理解してもらえる「わかりやすい説明」をする方法についてのお話です。

言葉だけでは聞き手が大変

言葉だけで何かを伝えようとするのは、なかなか大変です。

たとえば目的地までの道のりを誰かにたずねる場合。このような説明が返ってきますよね。

——次の角を左に曲がり、それから2つめの信号を右に曲がります。そこから大きな道に出るまでまっすぐ進み、大通りに出たら左へ曲がります。すぐに見える信号を右に曲がり、まっすぐ行った先の右側に目的地はあります——

たったこれだけでも、はたしてたどり着けるのかどうか少し不安になりはしないでしょうか。曲がる場所をさらに3回も指定されたりすれば、もうほとんど覚えきれないはず。

このように、道案内のレベルの複雑さですら、言葉だけの説明ではわかりにくいものなのです。したがって、仕事の説明などもっと複雑なケースになれば、なおさら理解するのは難しいと言うことができるでしょう。

視覚に訴えれば、説明は簡潔かつわかりやすくなる

そこで、説明をする際は言葉だけでなく、図や表、イメージなどの “視覚情報” を用いることが大切になってきます。上の道案内の例でも、地図があれば安心して道を進んでいけますよね。

実際に、子どものメンタルヘルスをサポートするイギリスの団体Relax Kidsに所属するロージー・ダットンさんは、ある授業の中で、「いじめ」という捉えづらい概念を2つのリンゴの比較でわかりやすく説明しています。

授業の前によく似た2つのリンゴを用意し、片方を何度かそっと床に落としておきます。(*あらかじめ中身を傷めておきます)(中略)授業ではダットンさんは2つのリンゴを子どもに見せ、落としておいたほうのリンゴを取り上げ、いかに自分がそのりんごを嫌っているかを語ります。(中略)皆で輪になり、リンゴを回しながら「くさい」「きっと虫がついてる」といった言葉を投げかけていきます。それが終わった後は、今度は落としていないほうのリンゴを「色がきれい」など褒めながら回しました。 2つのリンゴが外側は同じように見えることを確かめた後、ダットンさんはそれぞれを半分にカットします。ほめられたリンゴの方はキレイな断面をしていますが、けなされたほうは中はあざのように変色し傷ついています。(リンゴをあらかじめ落としておいたという種明かしもちゃんとしたそうです)。 *カッコ内は編集部による

(引用元:ねとらぼ|ひどい言葉を投げかけたリンゴの中身が…… リンゴを使っていじめの影響教えた授業が話題に

実際にいじめによってリンゴが傷んだわけではありませんが、変色したリンゴの様子をたとえとして用いれば、いじめがいかに人の内側を傷つけるかがよくわかりますね。この授業のように、私たちは効果的に視覚に訴えかけることによって、簡単にわかりやすい説明をすることができるのです。

では、仕事中の説明で視覚に訴えかける説明をするには、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

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説明にちょっとしたチャートをつけよう

仕事の説明では、チャートを紙に描くとよいでしょう。チャートとは、矢印や円などを使って概念や流れを説明するものです。

言葉だけで仕事を説明しなければいけない場合、聞き手側がつまずいてしまうのは主に以下のような理由があるからではないでしょうか。

・作業の全容や概要が見えない ・その作業が全工程の中でどの位置にあるのかのかわからない ・結局自分は何から始めればいいのか、その手順がわからない

そこで、たとえば試作品のテストの流れを説明したい場合、次のような図を用いて説明することでその概要や作業の順序が明確になります。

use-visual-information-02 (引用元:ITpro|業務の流れを表すチャート

各項目のさらに細かい手順を説明したい場合は、それぞれについて同じようにチャートを作成してあげるとよいでしょう。このように、項目を矢印でつないだだけでも、非常にわかりやすい情報伝達を行なうことが可能になるのです。

さらに、 ・項目の横に、その作業を誰がやるのかを書き足す ・各項目ごとの完了目標時間の目安を付記してあげる などすると、もっとわかりやすい図にすることができますよ。

ほかにも、優先順位を示したい際はピラミッド状に描いてみたり、何かを羅列したいときは線でつないで階層化してみたりするとよいでしょう。場合によって図の種類を描き分けることで、よりわかりやすく簡潔な情報伝達ができるようになるはずです。またこういった「図にする訓練」は、パワーポイントなどの資料作成にも役に立ってきますよ。

*** ちょっとした説明であっても、相手について考えて図を描いてあげるだけで、途端にわかりやすくなります。

説明がうまく伝わらないという方は、言葉で補うという方向性ではなく、少し手間をかけて視覚的なアプローチを用いてみてはいかがでしょうか。きっと伝わるようになりますよ。

(参考) CODOS|1-1 情報の90%は視覚から ネットメディア攻略研究所|読者の精読率を向上させ、理解を深める「視覚アプローチ」の必要性 ねとらぼ|ひどい言葉を投げかけたリンゴの中身が…… リンゴを使っていじめの影響教えた授業が話題に FUJI Xerox|視覚表現がグッと良くなる-魅力的なチャート図をつくる実践テクニック- ITpro|業務の流れを表すチャート

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