「勉強が得意な人」にとっては “当たり前すぎる” 常識。なぜ彼らは絶対に一夜漬けをしないのか?

みなさんの生活の中で、勉強はどれぐらい“当たり前”になっていますか? 勉強しなきゃとは思うけれどなかなかやる気が出ない。一大決心しないと勉強に取り掛かれない。暗記には気合が必要だ。そんな方は多いかもしれません。

ですが、勉強は、気合さえあればできるというものでもありません。逆に、根性に頼らなくても、科学的に効果のある方法を実践すれば、毎日当たり前のように勉強することができるのです。今回は、勉強をするのが億劫だという人にオススメの、「息をするように勉強する人」になるための4つの工夫についてお伝えします。

工夫1:やる気を出すための「有酸素運動」

勉強といえばやる気。やる気といえば根性。そう考えている人ほど、なかなか勉強できないものです。勉強へのモチベーションは、「運動」すれば自然にアップしますよ。

脳科学者の澤口俊之氏は、勉強に対するやる気を出すために最も簡単な方法は、有酸素運動をすることだと述べています。最近では有酸素運動が「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という、神経細胞の成長を担っているタンパク質を増やすことが実験で分かっているそう。感情をコントロールできる力がつくだけでなく、海馬が大きくなることにより記憶力学習力も向上する見込みがあるのだといいます。

澤口氏によれば、「毎日10分~20分の早歩き」がおすすめだとか。通勤中の徒歩のスピードを速めるだけで効果が期待できるそうですよ。

また、医学雑誌『ランセット』で発表された研究結果によれば、健康のことも一緒に考えるなら、1日30分・週に5回の有酸素運動を行うのがベストだとのこと。寿命の延長、心臓病のリスク軽減効果があるそうです。健康状態を改善できる上に勉強へのモチベーションを高めることもできて一石二鳥ですね。

あまり運動をしないという方も、まずは無理せず、通勤中の早歩きから始めてみましょう。

工夫2:「時間配分」で暗記の精度を高める

公式に英単語、専門用語、歴史的エピソードの要旨。勉強したその場では完璧に思い出せたから、次の日以降もちゃんと覚えていられるはず! と思っていたのに、いざ試験日になってみると思い出せない……。こんな経験はありませんか? この状態は、心理学でいう「流暢性の幻想」に陥ってしまっている状態(流暢性とは、情報を適切に素早く数多く処理する能力のこと)。情報を記憶に徹底的に刻み、「覚えたつもりが覚えていなかった」という状態に陥らないためには、勉強の時間配分を次のような比率で行なうと良いでしょう。

覚えるために情報を見て覚える時間:その情報を声に出して練習する時間 = 4:6

これは、1917年にコロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ氏が導き出したもの。小中学生のグループを対象に紳士録を覚えさせる実験により、勉強時間全体の約40%を覚えるのに使ったあとで、残りの時間を暗唱の練習に使うのが、理想的な時間配分の比率だと明らかになりました。暗唱練習を始めるのが早すぎても遅すぎたとしても、覚える精度は低くなってしまうのだそう。なお、年長の子どもは覚えるのに費やす時間はもう少し少なく、全体の3分の1程度で済んだとのこと。理想的な時間配分で勉強した被験者の暗記結果は、ただ読むだけで勉強した被験者よりも約30%優れていたといいます。

例えば、1時間で30個の英単語を暗記しようと考えたとしましょう。その際、24分を英単語の綴りや意味を確認するのに使い、そのあとに残りの36分を実際に書いてみたり音読してみたりするのに使います。ただ見て覚える前半の過程よりも、きちんと書けるか・読めるかを自分自身で繰り返しチェックする後半の過程が大事。全体の時間配分に多少の個人差はあっても、比率さえ守れば無理なく暗記の精度を高めることができるでしょう。「暗記は根性」とばかりに単語をにらんでばかりいても、決して覚えることなどできませんよ。

工夫3:「睡眠」で学習を効率化する

睡眠時間をコントロールすることによっても、学習の効果を高めることが可能です。

ニューヨークタイムズ紙のサイエンスレポーターで、ベストセラー『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実! 』の著者であるベネディクト・キャリー氏は、学習に関わる睡眠のプロセスを次のように説明しています。

「段階1=スタート地点」 「レム睡眠=パターン認識を強化すると思われる段階」 「段階2=運動に関する学習にとってもっとも重要な段階」 「段階3および段階4=記憶が最も定着する期間。新しく学習した事実、名称、年号や日付、公式などを記憶する」 (中略) 一般的な睡眠は、段階1から始まり、睡眠前半はレム睡眠から段階2、3、4の波を繰り返す「深い眠り」に入る。そして、目覚める前の後半は「浅い眠り」になり、レム睡眠と段階2の期間が最も長くなる。

(引用元:DAIMOND online|「何時間寝るか」より、「何時に寝るか」が試験の結果を決める!

これに基づけば、睡眠の前半に起こる「深い眠り」には、公式や概念といった事実を記憶にとどめるために重要な役割があるということ。多くの情報を暗記しなければならない試験の前夜は、普段と同じ時刻に就寝して「深い眠り」を十分にとり、翌朝は早く起きて復習すると良いそうですよ。

またその一方で、目が覚める前の時間帯の「浅い眠り」は、運動能力や数学、作文といった創造的思考の強化に役立つのだとか。このタイプの試験を受ける場合には、いつもより少し遅くまで起きて準備をしておくと良い、とキャリー氏は勧めています。

毎日当たり前にとっている睡眠の時間をコントロールするだけなら、気合や根性に頼らなくても実践しやすいでしょう。

工夫4:最適なタイミングで「復習」する

1回目の勉強のタイミングと、2回目の勉強(復習)のタイミング、そして試験日までの時間の間隔。これについても、科学的に効果がある方法が明らかになっています。

ともに心理学を研究するヨーク大学のメロディ・ワイズハート氏とカリフォルニア大学のハロルド・パシュラー氏の研究チームが行った実験によれば、勉強時間を分散する最適な間隔は、いつまでそれを覚えていたいかということで決まるのだそう。

結論は、 ・試験までに準備する時間がたくさんあるほど、1回目と2回目の勉強間隔は広がる。 ・1回目の勉強から試験までの時間と、1回目と2回目の勉強間隔の最適な割合は、試験までの時間が長いほど減少する。 とのこと。これを分かりやすく説明したのが、下の表になります。

(画像引用元:DAIMOND online|「一夜漬けはダメ」テスト前の母親の教えが脳科学的に正しい理由

例えば、試験が今から1週間後にある場合には、今日と明後日に勉強します。また試験が1ヵ月後なら、今日勉強して1週間後にもう一度勉強するのです。勉強の回数をさらに増やしたい場合には、いずれの場合も試験の前日に再度勉強すると良いのだそうですよ。試験を控えた勉強というと気合が必要そうなイメージがありますが、成果を得るにはガリガリ机に向かい続ける必要はないのです。

*** 効果的な勉強法は、気合や根性などなくても実践できるものばかりです。みなさんも、やる気をうまく行動につなげられるように、お伝えした方法を信じて実践してみてください。これまでとは異なる高い学習効果を得られるはずです。

(参考) ベネディクト・キャリー著,花塚恵訳(2015),『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!』,ダイヤモンド社 THE21オンライン|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法 ハフィントンポスト|「1日30分・週に5回」の有酸素運動で、寿命が伸びる可能性がある(研究結果) 現代ビジネス|あなたの「やる気が起きない」を根本から覆す「4つの技術」 DAIMOND online|「何時間寝るか」より、「何時に寝るか」が試験の結果を決める! DAIMOND online|「一夜漬けはダメ」テスト前の母親の教えが脳科学的に正しい理由

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