仕事にやりがいを感じているだろうか。
YESと即答できる人は、少ないはずだ。 自分で選んだ仕事とはいえ、毎日のルーティンワークにうんざりしている人も多いはず。
仕事の中身は変えられない。 でも、「仕事の組み立て方」にほんの少し工夫をするだけで、あなたの仕事のやりがいはグンとアップする。
ルーティンワークを淡々とこなすだけでは、効率もパフォーマンスも低下する。 楽しみながら、やりがいを感じながらやれば、生産性だって向上するはずだ。
今日は、科学的知見に基づいた「仕事を楽しむコツ」をご紹介しよう。
人間の脳は、都合がいい。ピーク・エンドの法則とは
やりがい、というのは、実は仕事をしている最中にはあまり感じない。 評価はその最中ではなく、終了した後に行われるのだ。
つまり、仕事のやりがいをUPするには、終わった後に「やりがいがあった」と感じられるようとよい。
ピーク・エンドの法則をご存知だろうか。
これは心理学者ダニエル・カーネマンによって唱えられたもので、「人間は、経験の評価をその絶頂(ピーク)と終わり(エンド)がどうであったかによって行う」という法則だ。
こんな実験が知られている。 まず、2グループに分けた被験者に、同じ時間だけものすごい音量の騒音を聞かせる。その後、一方のグループは実験を終了。もう一方のグループにはすこしマシな騒音を一定時間聞かせ、実験を終了。両方の被験者に不快度の評価を行ってもらう。
するとなんと、最後にマシな騒音を聞かせたグループの方が、「不快でなかった」と答えたそうだ。
不快な音を聞かされた時間でいえば、より長いはずなのに。人間は、振り返ったとき、「最後がどうだったか」で判断してしまうのだ。
楽しめる作業は、最後に持ってくるべし。
ピーク・エンドの法則を仕事に応用しよう。
まずはエンド。同じ仕事をするのでも、比較的楽しかったり、ラクだったり、やりがいを感じられる作業は、1日の終わりに持ってこよう。
最後の最後に怖い上司への報告だったり、厄介な案件を残しておくと、それだけでその1日の評価はダウンしてしまう。データ入力などの単純作業、企画のアイデア出しなどの楽しい作業で1日を終える。後で振り返ったとき「いい1日だった」と感じられるのだ。
たとえ時間を多少オーバーしてしまっても、イヤな作業で終えるよりはマシ。1日の最後は、何がなんでも良い印象で終わるようにするべし。
1日のピークを意識して作るべし。
次はピーク。全体で見てイマイチな旅行でも、1日だけ飛び抜けて楽しいと思う出来事が起きれば、人間は「楽しかった」と感じてしまうのだ。
だから、1日の仕事には意識してピークを作ろう。
とくにやりがいを感じられるような作業、楽しいと感じられる作業を組み込むのだ。 そうすることで、たとえ1日のうち他の作業が気の滅入るものだとしても、後から振り返れば「楽しい」と思える。
仕事にアップダウンをつけることで、やりがいなんて簡単に捏造できるのだ。
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いかがだろうか。
仕事の順番を変えたり、意識してアップダウンをつくるだけ。
それだけであなたの脳は「楽しかった!」「やりがいに溢れてる!」と勘違いしてくれるのだ。
参考 weblio辞書|ピーク・エンドの法則