自分の短所や欠点は、直したいと思うのが普通ですよね。 けれど、振付師の夏まゆみさんは、たくさんのエースを育ててきた経験から、欠点をただ直すよりも、持っていた方がいいとおっしゃっています。
今回は、自分の短所も長所も魅力に変えていくために覚えておきたいいくつかのヒントをご紹介します。
短所は出し入れする
よく、長所と短所は表裏一体だということが言われていますよね。 「優柔不断」という欠点も、良い面を見れば、「さまざまな場合について考察できる思慮深さがある」ということができますし、「頑固」という短所も、「信念が強い」という見方をすれば長所になります。真面目という言葉は、良い意味にも悪い意味にも使われます。 そんな良い面と悪い面を持っているからこそ、欠点や短所は完全になくしてしまうのではなく、必要なタイミングで「出し入れ」できるようになればいいんです。「出し入れ」できるようになったときに、短所は克服され、自分自身の魅力や長所に変化していきます。
「出し入れ」はしても「言い訳」にはしない
自分の短所と向き合い、タイミングを考えて出し入れする、その時に気をつけなければいけないのは、「その短所を開き直りや言い訳にはしない」ということです。 夏さんは、
短所を自覚してそれを受け入れることと、「私はこうだからしかたがない」と開き直ることはまったく異なります。
[引用元:夏まゆみ「エースと呼ばれる人は何をしているのか」]
と述べています。短所を言い訳にして自分を正当化する材料にしてしまえば、短所は短所のままで、自分自身も成長できません。長所となりうる場面で短所を発揮しつつ、失敗を短所のせいにしないように気をつけることが大事なのではないでしょうか。
性格を変えたければスキル的短所を直してみる
自分を見つめなおしたときに短所として浮かび上がってくるものは、大概自分の弱点であり、変えたいと思う部分でもあります。 いくら「適宜出し入れしなさい」と言われても、どうしてもその短所を直したい、という人もいるかもしれません。そこで、自分の短所を考えた時にスキル的な短所だと思うところから直していくと、いつの間にか性格的短所も直っているということがあります。 例えば、勉強ができないのはスキル的な短所で、勉強の集中力が持続しないというのは、性格的な短所です。この二つを比べたときに、まず着手すべきなのはスキル的な短所のほうです。 集中力がない、持続力がない、そうした内面的なことはおいておいて、まず勉強が今よりできるように物理的な努力をしてみる。するといつのまにか内面的な変化も伴ってくるようになります。 内面的短所を直すには、まずスキル的短所から直していきましょう。
長所の取り扱い
応用編として挙げておきたいのが、自分が長所だと思っている部分の取り扱いです。 自分で長所として自覚している部分は、多くの場合他人に褒められて、自信を持つようになった部分がほとんどなはずです。 周りから「飲みこみが早い」と褒められることが多い人は、自分は飲み込みの早い人間なんだなと思うようになり、その部分には無意識の内に自信を持つようになります。 この時に気を付けたいのが、長所も裏を返せば短所になりうることを忘れないこと、そして慢心をせず、危機感を持つことです。 女優のベッキーさんの言葉に、
ほめ言葉は喝!もっと頑張れということ!姿勢を崩すなということ!
[引用元:ベッキー「ベッキーの心のとびら」]という言葉があります。 褒められるとその部分には満足してしまい、伸ばそうとする努力を忘れてしまったり、その部分を言い訳に他のことに対する努力を怠ってしまいがちになるもの。 ほめ言葉は喝だと思って、長所の取り扱いにも気をつけていきたいですね。
いかがでしたか。 長所も短所も良いところと悪いところをもった自分の性格です。自分をしっかり見つめて、どちらも自分の魅力にしていけたらいいですね。
参考文献 サンマーク出版/2014/夏まゆみ/エースと呼ばれる人は何をしているのか 幻冬舎/2009/ベッキー/ベッキーの心のとびら

