茹でガエル理論をご存知でしょうか?
『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』
(引用元:Wikipedia|茹でガエル)
上記の真偽はさておき、これは私たち人間にとっても当てはまりそうな話です。 例えば、あなたが新しい組織に所属したとします。その組織に入ったときに「あれっ?」と違和感を持ったことがあったとしても、1年後にも同じように違和感を持ち続けていることはあまりありませんよね。
このように、最初は違和感を感じていたことも時間とともにそれが当たり前になってしまい、その問題点や欠点に気付けなくなってしまうことがあります。これはまさに人間版“茹でガエル”と言えるのではないでしょうか。
環境に適応できることは、人間の長所でもあります。しかし、同時にその環境が危機的な状況に瀕しても決定的なことが起きるまで気付けなくなってしまうという意味では、短所にもなり得るものです。
あなたがそんな“茹でガエル”になってしまわないように、気を付けるべき3つのポイントをお伝えしましょう。
茹でガエルにならないために気を付けたいこと
茹でガエルにならないためには、3つのポイントに気を付ける必要があります。
1.客観的物差しを持っておくこと 自分の物差しでばかり物事を図っていては、だんだんその物差し自体が環境に染まってしまっても気付くことができません。そうなる前に、その環境から独立した、客観的な物差しをひとつ持っておくと良いでしょう。
そのためには、常に現状に満足しきることなく、いつもとは違う世界や考え方の人と会って話すことが有効。そんな時間がないという人は、読書をするのもいいでしょう。
異なる考え方を意識的に取り込むことで、客観的な物差しを持ち続けることができます。
2.立ち止まって考える習慣を持つこと せっかく客観的物差しを持っていても、それを使わなければ意味がありません。そのためには1週間、1か月ごとなど、決めた期限に沿って振り返りの機会を設けるようにしましょう。
また、そこで感じたことをメモしておいて、そのメモも振り返るようにすれば自分の変化にも気付けるはずです。
頭の中で考えているだけではなかなか変化に気付けませんが、文字にして客観視することで意外とさまざまなことに気付けるものです。
3.目標を持つ しかし、その振り返りも目標がなければ意味がありません。
そもそも、“茹でカエル”とはいつの間にか現状に甘んじてしまい、理想や目標がスポイルされてしまった状態。前提として、理想の自分や到達したい目標がなければ意味が無いのです。
環境に流され、つい自分の目標を忘れてしまいそうな人は自分の目標を再確認しましょう。明確な目標がないのなら、これを機になりたい自分の像を思い描いてみてください。
その像から、どれだけ今の自分がずれてしまっているか、どうすれば修正することができるか、ということを考えながら振り返ってみると、自分を理想に近づけるため意義のある時間を過ごせるでしょう。
茹でガエルになってしまう人間は、今後危険かもしれない
人工知能を初めとするテクノロジーは急速に発展し、人間の仕事はかなりの部分で機械に置き換えられると言われています。あなたがずっと続けてきたいまの仕事、いまの社会情勢や、人々の気持ちもそれに伴って大きく変わっていくでしょう。
いままさに、あなたのいる環境は温度を上げ、じきに沸騰してしまうかもしれません。そんな環境の変化に目を配り、業界の慣習や、いまの「あたりまえ」をどうか疑ってみてください。客観的な、第三者の目をもって考えてみてください。あなたのいまの仕事は、いまのまま存続できそうですか? そうでなければ、どう変わっていくでしょう。その中であなたが為すべきことは何でしょうか。
茹でガエルの理論は、人工知能が脚光を浴びるいまこそ、真摯に向き合う価値のある寓話なのかもしれません。
*** 茹でガエルの例え話は「本当に?」と、疑ってしまったり、笑ってしまった人もいるはず。しかし、自分に置き換えて考えてみるとそうそう笑える話でもありません。
気付いた今から見返してみましょう。きっと、まだ茹で上がってはいないはずですよ。
(参考) Wikipedia|茹でガエル 日経ビジネスオンライン|ゆでガエルはお湯に入っている時間を図るべきだった 放置型ネットビジネス研究所|「ゆでガエル理論」で環境の変化に気付けない人々