衝動は “嫌な想像” で断ち切れ! 欲を自制できるようになる意外な方法。

「仕事に集中しなくてはならないのに、関係のないWebページを開いてしまう……。」「勉強をするつもりが、SNSを使って時間を無駄にしてしまった……。」

多忙な日々を過ごす中で、自制できずに衝動的な行動をとってしまうこともあるでしょう。しかし、時には納期が迫っていたり、重要なプロジェクトが進行中であったりして、自分の欲を抑えなければいけない場面もありますよね。いったいどうすれば、欲を抑えてしっかりやるべきことに取り組めるようになるのでしょう? 今回は、自制心を鍛える方法をご紹介します。

自制心は人生を左右する

自制心を鍛えるうえで非常に参考になるのは、4歳児の「マシュマロを食べずに我慢できる能力」を調べた実験です。この実験は米国の心理学者ウォルター・ミシェルによって1968年に行われました。

目の前にマシュマロを置き、子供に我慢しておくように伝え、部屋に子供一人にします。その状態でどれほどマシュマロを我慢できるのかを計測しました。

この実験で、子供たちが待つことができた時間は平均2分だったのに対し、約4分の1の子供たちは15分ほど待つことができたのだそう。そして、この実験が行われてから18年後、被験者に日常生活について調べるアンケートを答えてもらうと、次のようなことが分かりました。

・4歳のときの自制心の傾向は、18年後も続いていた ・マシュマロを食べた子よりも、食べなかった子の方が学業成績が良かった そして2011年(45歳のとき)、さらなる追跡調査が行われ、この傾向が人生の半ばまで続いていることが分かりました。

(引用元:All About|マシュマロ実験で判明!学力に重要なのはIQより○○

つまり、自制心はその場その場で変わるものではなく、ずっと変わらない能力なのです。自制心を鍛えないままでは、思わぬ失敗につながってしまう可能性も。自制心の有無は、私たちの人生を大きく左右するのです。

では、マシュマロの誘惑から逃れた子供たちは、何をしていたのでしょうか?

欲から目をそらしても意味はありません

彼らがとった最大の方法は、「マシュマロを見ない、または別のものに見立てる」というものです。

手で目を覆う子どももいたし、部屋の隅に立って、マシュマロを見ないようにした子どももいた。机を蹴りだしたり、お下げの髪をいじったり、マシュマロがぬいぐるみであるかのように見立てて遊ぶ子どももいた。

(引用元:WIRED|「我慢できる人」は脳が違う?

とはいえ、ただマシュマロを見えなくするというのは、よい方法ではありません。マシュマロがあることはすでに脳が認識しているわけですから、単に目をそらすだけではかえって頭の中がマシュマロでいっぱいになり、自制ができなくなってしまうのです。

受験生が勉強に集中するためゲームや漫画を段ボールに詰めて押し入れに入れた、という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? そして、こういった話はたいてい「本試験前に段ボールを開けてしまった」など、失敗に終わります。実際、筆者は高校3年生の時にこの方法を使い、失敗しました。

この方法を行う場合は、ゲームを捨てるか鍵のかかった箱に入れて鍵を他人に預けるなど、絶対に視界に入らない状態にしなければうまくいかないでしょう。他にも、帰宅後の時間を資格の勉強に使うためにネットサーフィンなどをやめたいという場合。「見ないようにする」方法では、スマートフォンのアプリを削除したりアクセスできるページを制限したりする必要がありますが、そもそもそれでは仕事や勉強に支障が出てしまう可能性もありますよね。

単に我慢しようとしてもなかなか難しいもの。自制できるようになるには、コツがあるのです。

zisei-method-02

他のことをイメージしよう

欲を自制するときは、欲望の対象物を他のものに見立てると良いのだそう。先ほどのマシュマロの実験でも、以下のような結果が出ています。

【1】一方の子ども達には「もっちりして甘いマシュマロの味」という欲求を刺激する面に着目するよう促す。 【2】もう一方の子ども達にはマシュマロを「宙に浮かぶ丸くふっくらした雲」というイメージとしてとらえるよう促す。 すると、(2)の子ども達は(1)の子ども達の2倍の時間も「マシュマロを待つ」ことができました。ちなみに、この(2)の子ども達に(1)のように仕向けると、たちまち待ち続けることができなくなりました。 逆に、さっきはほとんど待つことができなかった(1)の子達に(2)の指示を与えると、簡単に待つことができたのです。

(引用元:PRESIDENT Online|「劣情」に負ける人は、富裕層になれない

つまり、単に目をそらすだけでなく、他のものを意識することが大切なのです。勉強に集中したいのであれば、SNSで炎上が起こっているイメージをする、勉強が間に合わず試験に失敗するイメージをする、といった感じでしょうか。自分にとって避けたいもの、嫌なものと結びつけることが大切です。

*** つい何かをしたくなったときは、一度立ち止まって、嫌な想像をしてみてください。うまく自制をできるようになれば、勉強や仕事に今よりもずっと意欲的に取り組めるようになりますよ。

(参考) PRESIDENT Online|「劣情」に負ける人は、富裕層になれない WIRED|「我慢できる人」は脳が違う? All About|マシュマロ実験で判明!学力に重要なのはIQより○○

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト