偏差値95・京大首席合格者の勉強法は何が違うのか? 聞いてみたら成果が出るのも当然だった。

偏差値95・京大首席合格者 粂原圭太郎さん勉強法インタビュー01

キャリアアップのために勉強を続けているという社会人は少なくありません。でも、仕事をしながらとなると、時間的制約もあって成果を出すのはなかなか難しいのも事実。

そこで、ウェブサイト「勉強革命.com」を運営して効率的な勉強法を発信し続けている粂原圭太郎(くめはら・けいたろう)さんに、社会人のための勉強法をアドバイスしてもらいました。高校時代に偏差値95をたたき出し、京大に首席合格した粂原さんが提唱する勉強法とはどんなものでしょうか。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

まわり道をするマラソンランナーはいない

勉強してしっかり成果に結びつけたいのなら、なによりもまず明確な「ゴール」を定めておく必要があります

大学入試のための勉強なら、ゴールは志望校合格です。でも、じつはただゴールを定めただけでは、そのゴールにはなかなかたどり着けません。加えて必要となるのは、そのゴールに至るための「プラン」です

京大や東大などの難関大学に合格するような受験生の場合、まずは試験科目ごとの配点と合格最低点、合格平均点、そして現時点の自分の力を確認します。そこから、必要な点数を取るにはどういう勉強をしなければならないのかという具体的な勉強プランにまで落とし込んでいくのです。

勉強で成果が出ないと悩んでいる人は、この「ゴールとプランの明確化」ができていないのではないでしょうか。勉強している社会人のみなさんの多くも、資格試験に合格するといったゴールは定めているでしょう。でも、そこで止まってしまって、あとはやみくもに勉強に励むだけでは、なかなか結果はついてきません。

そもそも、これは「最短距離でゴールを目指す」という発想によるものです。マラソンにたとえるとわかりやすいかもしれませんね。マラソンが趣味だという人も、わざわざまわり道をして42.195km以上の距離を走ることはないでしょう? 誰もが最短距離でゴールを目指します。

でも、勉強となると無駄なまわり道をしている人も多い気がするのです。ゴールに至るためのしっかりしたプランがあれば、そんなまわり道をすることなく、限られた時間のなかで最大限に効率的な勉強をすることができるはずです。

偏差値95・京大首席合格者 粂原圭太郎さん勉強法インタビュー02

定期的に勉強プランを見直す

こうして決めたプランも、定期的に見直すことが大切です。勉強に限らず、すべてがプランどおりに進むということはそうはないからです。大学の受験勉強なら、想定していたほど得点が伸びない科目が出てきたとしたら、逆に想定より伸びている科目の目標点を上げるといったことです。

このプランの見直しは、最低でも月に1回、人生を左右するような大きなゴールを目指しているのなら週に1回はするべきではないでしょうか。ゴールに向かっているつもりで進んでいる道がずれていたとしたら、時間が経つほど修正は困難になります。修正は早ければ早いほどいいし、進むべき方向の確認については、やりすぎということはありません。

こういう習慣を仕事ではあたりまえのようにできているのに、勉強となるとできていない人が多いのが不思議なところです。仕事で自分が携わっている重要なプロジェクトなら、その進捗状況を関係者と何度となく確認し合いますよね。必要なら当初のプランの修正もするでしょう。

そもそも、仕事にしろ勉強にしろ、あるいはスポーツにしろ、成果を出すために大事な思考は変わらないように思います。社会人として仕事でしっかり成果を出すためにみなさんがしている、いわばあたりまえのことを勉強にもあてはめればいいだけのことなのです。

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「疲れた、集中力が切れた」はただの「飽き」

また、勉強で成果を出せない人には、「環境のせいにする」という良くない共通点も見られます。「いまはまわりがうるさいから」「ここでは集中できないから」と、なかなか勉強に取りかからない……。でも僕からしたら、それは自分に言い訳をしているに過ぎません。

集中できないのなら、集中できる環境に移動すればいいだけのことではありませんか。たとえば、複数の勉強できる場所を見つけておくのです。僕にも、自宅の勉強部屋のほか、近所の図書館や行きつけのカフェなど、いくつかそういう場所が存在します。しかも、移動のために体を動かすことで心身をリフレッシュできるというメリットもあるのです。

ただ、僕の場合、そもそも「疲れている」「集中できない」という状態があること自体を疑問視しています。「ちょっと疲れたから」「集中力が切れたから」と、やたらと休憩をする人もいますよね。だけど、それは本当に疲れたり集中力が切れたりしているのでしょうか。

激しい肉体労働をしたとか、完全に徹夜をしたあとなら、そういうこともあるでしょう。でも、普通に睡眠を取って心身を休めていれば、そうは疲れることはありません。それなのに休憩を挟みたくなるのは、ただの「飽き」を脳が疲れていると勘違いしているだけのことなのです。

そう考えれば、勉強の内容を変えるだけで「飽き」は解消されます。複数の資格取得を目指しているのなら、それまで勉強していた資格とは別の資格の勉強をする。英語の勉強をしているのなら、単語の暗記からリスニングに変えるといった具合です。それだけで、驚くほど集中力を取り戻せるはずですよ。

とくに、勉強に使える時間も限られている社会人の場合は、無駄な休憩を積み重ねることほどもったいないことはありません。ぜひ、この手法を勉強に取り入れて、しっかり成果を出せるように頑張ってください。

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【プロフィール】
粂原圭太郎(くめはら・けいたろう)
1991年6月13日生まれ、群馬県出身。実業家、作家、教育家、競技かるた選手など多くの顔を持つ。2010年に京都大学経済学部経済経営学科に首席合格し、現在は京都大学大学院法学研究科専攻。2014年から3年連続で『最強の頭脳 日本一決定戦 頭脳王』(日本テレビ)に出演。2016年に株式会社iMotivationsを設立し、粂原学園代表として教育業を営む傍ら、企業のコンサルティングなども務める。主な著書に『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA)、『頭の中を無限ループする“あの曲”を一瞬で消し去るすごい集中法』(飛鳥新社)、『京大首席合格者が教える「やる気」と「集中力」が出る勉強法』(二見書房)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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