頑張っているのに失敗ばかり。頑張れば頑張るほど焦ってしまい、大事な場面でミスをしてしまうことはありませんか。
徹夜で仕事をして、大事な数字が一桁間違っていた。何度演習を繰り返しても良い点が取れず、次こそは合格点をとらなきゃと焦り始めたところで、いつもは引っかからない簡単な問題でミスをしてしまう。
むやみに頑張ったり焦ったりしても意味がないことは、タイムを上げたいからと毎日フルマラソン走っても、体を壊し疲労が溜まるだけだということを想像すれば分かりますね。
頑張っているからこそ、ミスを犯してしまう自分にどうすればいいのかわからず、思案にくれる人も多いと思います。今回はそんなまじめな皆さんのために、失敗からの脱却の方法と成功への鍵を紹介します。
頑張った事実は素直に肯定しよう
「頑張っても失敗する人は、結局努力が足りないから失敗するのだ」と考える人は多いかもしれませんが、それは間違いです。頑張り過ぎるからこそ失敗につながってしまうケースはたくさんあるのです。
頑張り過ぎてしまうと、いつか自分の限界を突破してしまい、集中力が散漫になってしまいます。気力だけで物事に取り組んでいると、ミスしてしまう可能性が増えてしまいますよ。無理がたたって体を壊してしまうことにもなりかねません。
頑張りすぎる人は、自分の失敗を責めてもっと頑張ろうとしてしまうものですが、たとえ失敗したとしても、一度落ち着いて、頑張った自分を褒めてあげてください。「毎日10時間勉強して頑張れた。自分は十分やっている」と。
その後に「もっといい方法はないだろうか」と改善策を考えてみましょう。頑張り過ぎてしまう人は、頑張り方を間違っている可能性が高いのです。勉強ならば、応用問題ばかりに手を出し過ぎて、基礎をおろそかにしていなかったか、振り返ってみましょう。頑張りを全て否定するのではなく、どこを改善するべきか考えるといいですね。
順を追った取り組みが大事
頑張ることは大切なことですが、頑張り過ぎることは課題を達成する上でマイナスになってしまうことがあります。
小学生時代、九九を覚える時、一の段から順番にひとつひとつ覚えていきましたよね。それと同じで、いきなり飛び越えたり一遍にやろうとしたりすると、頭の中はパンクしてしまいます。急がば回れという言葉があるように、焦らず着実に、余裕を持った取り組みを心掛けましょう。
そのためには、一度手順を整理してみるといいですね。心を落ち着けるためにも、文字にしてノートに書いてみることをおすすめします。手順を復習することでミスを減らすことができますし、文字を書くという作業によって集中力を高めることもできます。
たとえ慣れている仕事でも、大事な仕事でミスは許されないでしょう。営業の手順、プレゼンの手順、接客の手順。何度もやっていることだからといってそのまま進んでしまわず、毎回手順を振り返るようにしましょう。
こまめに休憩を取ろう
ずっと集中力や気力を保たせるのは難しいことです。手を抜けるところで、きちんと手を抜いておくことも大切です。ここで注意したいのは、手を抜くところを間違えないようにすること。作業中は絶対に手を抜かないようにしましょう。覚える時は覚える、実験中は丁寧に作業をする。
そのうえで、休むときは徹底的にぼーっとすればよいのです。合間の時間はリラックスするために音楽を聴いて過ごすのもよいでしょう。オンとオフの緩急をつけるようにしてください。
ルーティンワークだからといえ、油断は禁物。油断からミスは生まれてしまいます。特に長時間作業が続くときは、こまめに休憩を挟んで心身にエネルギーを補給し、万全の状態で取り組むようにしましょう。休憩することは「サボり」ではありません。集中力を高めるために必要な作業だと思って、思う存分休憩しましょう。「疲れているな」と思ったら、休むことも大事な仕事です。
努力より「集中」を意識して
課題に取り組んでいる時、あるいは取り組む前に、自分の頑張り具合を見るのではなく、集中力が保たれているかを確認してみてください。
急いでいないか、焦っていないか、作業が雑になっていないかといったことに注意して、集中して丁寧に作業することを心掛けましょう。不必要な箇所で頑張ってしまうといったように、頑張り方を間違えていないか、確認してみてください。例えば、単語を確実に覚えることが先決であるはずなのに、単語帳を進めるスピードのほうを重視してしまい、結局覚えられなかった、というのは頑張り方を間違えている例です。
また、一つのステップが終わってから次のステップに進む、といったように、逐一作業手順を確認するようにすると、心を落ち着け集中を保つことができるでしょう。努力重視で気力で突っ走ってしまうのを防ぐことにもなります。
闇雲な努力は空回りしてしまうことがあります。集中してミスのない作業を意識しましょう。
*** 失敗から脱却し、成功へ導くための取り組み方を紹介しました。頑張っているのに成果が出ないのは本当に辛いこと。ここで紹介したことを意識して、余裕を持った頑張りで、物事を成功へと導きましょう。
もしミスをしたら、頑張りすぎているサインだと思ってください。そのミスを責めるのではなく、頑張っている自分を一度受け入れ、褒めてあげてください。余裕を持って取り組めば、次は必ず成功するはずです。
(参考) 中谷彰宏著(2000), 『頑張りすぎないほうが成功する』, PHP研究所. Study Hacker|成果がでないのは “やりすぎ” だから!デキる人は知っている『手抜き』の極意