「ぼーっとする」「何もしない」では回復できない。脳を休めて集中力を高めるコツは "呼吸" にあり。

「昨日はちゃんと8時間寝たのに」 「今日は起きてからずっとベッドでごろごろしてたのに」 特に何をするわけでもないのに、頭がぼーっとしたり脳の疲労を感じたことはありませんか?

実は、本人は無自覚でも脳は頻繁に活動し、エネルギーを消費し続けているのです。今回は、そんな現象を科学的に説明すると同時に、脳を休めるのにぴったりの方法をご紹介します。

何もしなくても脳は疲れる

冒頭でも触れたように、脳は何もしていないようで実は疲れます。これはデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる脳の回路が原因です。

DMNとは、注意を要するような課題を行っている時よりも何もしないで安静にしている時に、より活動が上昇する脳領域のこと。内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などから構成される脳内のネットワークになります。 つまり、ぼーっとしている時には、脳内のネットワークにおいてエネルギー消費が激しいのです。

脳の消費エネルギーの割合は、人間の全身の消費エネルギーを1日2000kcalとすると、脳は20%の400kcalといわれています。 体重の2,3%ほどの重さしかない脳なのに必要なエネルギーがとても多いということは、それほど重要な役割を果たしている機関ということがわかりますね。

では、その400kcalのエネルギーは、どのような内訳になっているでしょうか。

驚くべきことに、DMNを使用している状態は95%のエネルギーを消費するのです。勉強をしたり、料理をしたり、誰かと話したり、スポーツをしたりするような意識的な行動は、脳の消費エネルギーのたったの5%しか占めておらず、ぼーっとしているよりも断然効率が良いのです。

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脳の休息は“瞑想”

さて、ぼーっとしている時にこそ脳が疲れるということは、頭が疲れたから休もうと言ってぼーっとすることに意味がないということになります。

では、どのように休息をとることで脳を休めることができるのでしょうか。

実は、DMNの使用は瞑想をすることによって抑えることが可能です。イェール大学で行われた実験を紹介します。

同実験では、長年瞑想してきた人と瞑想初心者それぞれ12人の脳の回路を調べました。 その結果、どのような瞑想方法を用いているかによらず、熟練の瞑想者はDMNの使用頻度が抑制されていることが明らかになりました。また、熟練の瞑想者の場合、瞑想をやめてDMNの使用が始まった途端に自己監視・認知制御に関わる脳の部位が活発に動き始めるのです。

これは長年訓練を積んだ瞑想者の脳はぼーっとしているときでも物事に集中できるようになっていることを意味します。

私たちがDMNを使っている際はまさに漫然としているため、何かに集中することができませんが、瞑想の訓練を積むことによって、平時から高い集中力でもって物事に臨むことができるのです。

瞑想と言われてもぴんと来ない人が多いかもしれませんが、やることは「何も考えないこと」と非常に簡単です。寝室や癒しの空間など、自分がリラックスできる場所で楽な姿勢になり、ひたすら何も考えないことを心がけましょう。

初めのうちはいろいろなことに気が行って、気づけばあらゆることを思考してしまっていますが、毎日繰り返し練習することで、次第に深く瞑想することができます。

慣れないうちは、呼吸に意識を働かせ、なるべくゆっくり呼吸すると良いでしょう。

*** 瞑想というと非科学的な匂いがしますが、実は瞑想ほど科学で証明されていることはありません。

特にアメリカでは爆発的な人気を誇っており、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツといった社会で成功している人の大半が瞑想を日々の活動に取り入れています。 脳の疲れをとるだけでなく、うつ病の治療・予防にも効果的なので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

(参考) 日経サイエンス|浮かび上がる脳の陰の活動 日本生理心理学会|デフォルトモードネットワーク(DMN)から脳を見る Yvette I. Sheline, et al (2009), “The default mode network and self-referencial processes in depression,” The Issue, Vol. 106, No. 6, pp. 1942-1947

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