情熱は見つけるものではなく “育てるもの”。情熱を燃やし続ける「成長思考」を身につけよ。

もしもあなたがいま、自分の情熱を見つけられずに落ち込み、焦っているなら、その必要はありません。情熱は自分の中や、どこかに存在するものではなく、研究課題・過程だと考えるべきだからです。つまり、情熱は見つけるのではなく、育むべきということ。

心理学者らが発表した研究結果とともに、その理由を説明します。

固定思考は限度をつくる

シンガポールのイェール・NUS大学とスタンフォード大学の研究者らによると、「情熱を見つけろ(やりたいことを見つけろ)」というアドバイスは危険なのだそう。その答えは、彼らの研究にあります。

研究者らは、「人格や知能は生まれつきのもの」と信じる【固定思考】と、「人格や知能は成長させられるもの」と考える【成長思考】が、学習や回復力にどのような影響を与えるのかを調査するため、470人の被験者に対しテストを行いました。

その結果、【成長思考】を持つ人は、自分の関心ごと“以外”や、新しい分野にも大きな関心を持つとわかったそう。そして、関心ごとを追求するにあたり困難が予測できたり、実際に直面したりした場合でも、より強く関心を持ち続けることが可能なのだとか。

一方、【固定思考】を持つ人は、「自分の関心分野であれば、その情熱がモチベーションを無限に与えるので、追求は難しくない」と考える傾向にあるそう。したがって、予想通りにならなかったときや、困難に直面したときには興味を失いやすいとのこと。それは、重要な知識の発達を妨げる可能性を示しています。

情熱は育てるものである

では、なぜ、「情熱を見つけろ(やりたいことを見つけろ)」というアドバイスが危険なのでしょう。その理由は、そのアドバイスに「もともと情熱の受容体が自分の中にあり、それにピッタリ合う情熱が見つかりさえすれば、無限のモチベーションが生まれるはずだ」という考え方が潜んでいるからです。それはまるで、「いつか自分にピッタリな王子様が現れる」といった、非現実的な期待感のようなもの。

現実的には、人と人の愛情は育むものであり、同じく情熱も育むものであるということです。

そうしたことから前項の研究者らは、「情熱を見つけろ」ではなく、「情熱を育みなさい」ということがより適切なアドバイスであると述べています。

情熱を燃やし続ける成功者たちは知っている

実際に、情熱を燃やし続けている成功者たちは、自身の経験などから「“やりたいこと”は見つけるものではない」と知っています。

株式会社フィールド&マウンテン・代表取締役の山田淳氏は、「自分が燃えるもの(情熱を燃やせるもの)を見つけるには、どうしたらいいか?」という質問に対し、「燃えるものを見つけるんじゃなく、燃えるまでやるだけ」と答えています。

また、タイムアウト東京・代表取締役の伏谷博之氏も、「ものすごい情熱を持つ人々は、ほかの人と何が違うのか?」という質問に、「継続できる人」と回答したのだとか。

そして、ウォンテッドリー株式会社代表取締役CEOの仲暁子氏も、「SLUSH ASIA」というイベントで“やりたいことがわからない”という若者たちに向け、「まず行動すること。情熱は後からついてくる」とエールを贈ったといいます。

三者が成長志向の持ち主であることは、いうまでもないでしょう。

自分のやりたいことは育てられる

もしも誰かに「やりたいことを見つけた?」「あなたの情熱は何?」と聞かれ、その時点で夢中になっているものがなければ、

これから育てます」と答えましょう。

成長思考になるということは、耐性、持続性を有し、可能性を広げるということ。まずは経験し、継続しながら情熱を育んでください。それに、「情熱はこれから育てられる」という考え方ひとつで、多くのことに興味がわいてくるかもしれません。そのプロセスを、大いに楽しんでくださいね。

なお、情熱を育む際には、ひとつ大きなポイントがあります。

柔軟性を身につけよう

情熱を育む際の大きなポイントは、「柔軟性を持つ」ことです。

たとえば、いま、医療が大きなパラダイムシフトを迎えているといいます。パラダイムシフトとは、それまで当然のことと考えられていた認識や価値観などが、劇的に変化すること。それにともない、医学書の内容も変化してしまうので、いま医学の道を目指している人は、非常に大変だという話もあります。そして、そのようなことが起こるとは、誰も考えなかったはず。

しかし、実際に、その劇的な変化は起こったわけです。

つまり、物事や環境、そして人は、必ず変化していくということ。それを常に留意しておけば、考え方が柔軟になり、あらゆる出来事に対応していけるでしょう。また、思いがけない情熱を育むことができるはずです。

*** 自分とはまったく違う考え方を持つ人、まったく違う趣味を持つ人との対話も、柔軟性を保ち、新しい発見をするにあたり有用です。ぜひ、頭を柔らかくしてお試しください。

(参考) Stanford News|Why ‘Find your passion!’ may be bad advice Quartz|Find your passion is bad advice, say Yale and Stanford psychologists ログミー|“やりたいこと”は見つけるものではない 情熱を燃やし続ける成功者たちの考え方 NHK健康チャンネル|NHKスペシャル「人体」健康長寿 究極の挑戦 Wikipedia|パラダイムシフト

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト